香山リカさん応援メッセージ”あきらめないで!”

  • 2014/06/24

                         精神科医 香山リカ

 私は精神科医として診察室で長年、多くの困難に直面している方にお目にかかってきましたが、その中にはジェンダーの問題で苦しみ、心を病む女性が少なくありませんでした。恋人や夫からの暴力、職場での差別やセクハラ、誰もサポートしてくれない子育てや介護、“婚活”“妊活”などのプレッシャーなどなど、下は10代から上は80代に至るまで、一見、自由で平等な日本社会の片隅で不当な苦しみにあえぐ女性たちがなんと多いことか。
そして、さらに驚くべきことにそういった不平等を「仕方ない」と受け入れ、あきらめる女性たちも実に多いのです。「私は女に生まれてきちゃったのだから、彼氏に束縛されて自分のやりたい仕事につけないのはあたりまえなんだ」「子育ては母親だけの責任ですから、どんなにつらくても自分でがんばるしかないんですよね」と語る女性たちを前に、私はいつも叫び出したい気持ちになります。「そんなことない!女性だから仕方ない、女性は黙って耐えるしかない、なんて誰が決めたの!」。
でも残念ながら、診察室では私はひとりの医師であり、とりあえずは目の前の人の症状を取り去るのが仕事です。彼女たちのジェンダー意識を変えたり、社会に働きかけたりすることはできません。
だから、どうしても国連ウィメン日本協会への期待が高まるのです。日本はいま、政権をあげて女性の社会進出、女性の登用を応援しよう、ということになっており、高い社会的地位につく女性もたしかに増えてはきました。でも、忘れないでほしいのです。まだまだ「女に生まれたのだから仕方ない」と理不尽な目にあいながら、そっとくちびるをかみしている女性たちが大勢いることを。国連ウィメン日本協会には、彼女たちに「あきらめないで!」と声をかけ、背中をやさしく押すパートナーにぜひなってほしい。そう思うのです。

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