北京+20 〈10月のテーマ〉・・・経済的エンパワーメント

  • 2014/09/25

女性の3Lとエンパワーメント(抜粋)

The 3 L’s of Women’s Empowerment

クリスチャン・ラガルド(Christine Lagarde)
2014年8月31日

lagardeBeijing20 クリスティーヌ・ラガルドはG8で最初の女性財務大臣で、IMF(国際通貨基金)で最初の女性専務理事です。彼女は経済の分野で女性に学習(learning)、労働(labour)、リーダーシップ(leadership)の門戸を開くよう訴えています。

 

  • 経済的分野での女性の役割―3Lのドアを開ける努力

21世紀は数々の課題を突き付けていますがそれを克服していくには新しい考え方が必要です。その中で最たるものは女性の経済的役割です。
女性は人口の半分を占めるのにもかかわらず、経済活動における貢献は50%には遠く及びません。女性が計測可能な経済活動に参加している割合の格差はOECD加盟国の12%から中東や北アメリカの50%に及んでいます。
この状況を変えるには女性のエンパワーメントにつながる3L(学習、労働、リーダーシップ)へのドアを開ける努力が求められます。

 

  • 学習(learning)

まず学習です。学習は変革をもたらす基礎です。学習によって女性たちは自立し、様々な足かせから自らを開放することができるようになります。これが最も必要とされるのは途上国です。ある60か国の調査によれば、少女を少年と同等に教育しなかったことによる経済的損失は年間900億ドルにもなります。また別の調査によれば、小学校を1年延ばせば潜在収益力を10-20%、中学校を1年延ばせば同収益力を25%高めることができるのです。
アフリカにはこんなことわざがあります。「男の子を教育することは1人の人間を訓練することだが、女の子を教育すれば村全体を訓練することになる」 例えば女性は収入を健康や教育に使う傾向があり、自分の収入の90%をこのような分野に使いますが男性はわずか30-40%しか使わないのです。この消費の仕方が世代を超えて社会に与える波及効果は計り知れません。

 

  • 労働(labour)

次は労働です。労働することで女性は開花し、本来の力を発揮できるようになります。
しかしながら今のところ女性は働けても、低収入、低ポストでかつ不安定な仕事にしかつけていません。女性・女児は極貧の最大の被害者で、1日1ドルで何とか生き延びている多くの人々の70%を占めているなんてびっくりしませんか。世界的に見れば女性は、同レベルの教育を受け、同じ仕事についても男性の4分の3しか稼げていません。ですからもっとも基本的な規範は「同一労働同一賃金」です!
最近のIMFの研究によれば経済分野での男女格差を解消すれば一人当たりの国民所得が上がります。女性はどこの国でも財布のひもを握っており、女性がお金を使ってくれることで需要が伸び、経済が成長します。
ではどうやって仕事の場で女性のチャンスを高めていけるのでしょうか。法律を変えるのも一つです。たとえば財産・遺産相続法で男女差別をしないことなどです。また教育を奨励し、女性の経済的信用を高めることで女性の経済的自立が実現します。

 

  • リーダーシップ(leadership)

“L”の3番目はリーダーシップです。女性が立ち上がって本来の能力を発揮するという点ではまだまだ改善の余地があります。スタンダード&プーアの500社リストによれば全世界で女性はCEOのわずか4%、国会議員の5分の1しか占めていません。
ある調査によれば、フォーチュン500社のうち女性を経営陣に昇進させた企業はそうでない企業より業績を上げています。女性は男性と比較して、2008年に世界的な経済危機をもたらしたような向こう見ずで危険な行動をとりにくい傾向にあります。また女性は長期に及ぶ維持可能性を見据え、合意形成の上思いやりを持って決定を下します。

 

  • 3Lは女性の能力発揮の実現を助ける

一方で女性は自分の能力に見合う自信を持てないでいるというのも事実です。でもそのような考え方を変えていかなくてはなりません。自分が楽にいられる場から一歩踏み出してリスクをとることが大切です。
しかしながら成功しようと走っている人にさえいつも障害が立ちふさがります。ですから私はジェンダー目標やクォータ制が必要だと思うようになりました。自己満足に甘んじるか、強制的に変化を起こさせるかです。
村の少女たちに初等教育を提供するにせよ、ビジネス界で女性に取締役のポストを与えるにせよ、今こそすべての女性が障害や偏見なしに自分の能力を発揮できる世界を創り上げていくときです。3つのLはその実現を助けてくれます。

 

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