女優ジーナ・デービスはスクリーンに描かれる女性像の改善に取り組んでいます

  • 2015/06/01

今、メディアが未来を作る時 – スクリーンの上で、そして現実へ

ジーナ・デイビス

2015年5月4日

キャプション:ジーナ・デービス(写真提供はジーナ・デービス)

キャプション:ジーナ・デービス (写真提供はジーナ・デービス)

テレビや映画を見た時に、女性の登場人物が男性よりもはるかに少ないことに気づかされます。これは世界共通で、女性の登場人物については、その活躍よりも容姿が話題にされます。
女性は全人口の半分を少し上回るということは誰もが知っています。ところが、女性が男性の約3分の1しか登場しないテレビや映画を見ていると、そうは思えないでしょう。
スクリーンに描かれる女性の数は、登場人物の4分の1に満たず、現実の世界に比べて極めて少なくなっています。女性の登場人物が裁判官や医者、その他の専門職や指導的な立場になることはもっと少なく、その一方で、女性や少女は、男性や少年と比べて性的な服装や裸で登場する割合が2倍も高くなっています。
この暗澹たる事実は、UN Women とロックフェラー財団の支援を受けて、私たちの「メディアにおけるジェンダー」研究所が南カリフォルニア大学、コミュニケーション・ジャーナリズム・アネンバーグ校に委託して実施し、昨年発表した、映画における女性の描写に関する史上初の国際的研究で明らかになったことです。
他の種類のメディアを対象とした研究でも同様の結果が得られています。グローバル・メディア・モニタリング・プロジェクトによると、紙面やラジオ、テレビのニュースに登場した人々のうち女性はわずか4分の1でした。そのうちほぼ半数でステレオタイプなジェンダー像が描かれていました。
20年前、第4回世界女性会議において、世界各国の政府は、映画やテレビ、新聞そして現在のオンラインプラットフォームが人々の考え方や行動を形作るという認識のもと、女性の権利拡大に向けた本格的な取り組みを行うようメディアに呼びかけました。
しかし、この呼びかけにもかかわらず今なおメディアにおける表現や描写は全くバランスがとれていません。実際私たちの研究によると、映画に登場する男性と女性の比率は1946年から全く変わっていないのです。
映画界やテレビ界で働く友人たちは、ジェンダー平等の問題は解決済みだと思っていました。ただ、彼らに実状を伝えるデータがなかったのです。そこで、私たちの過去20年間を対象とした研究を見せると、自分たちが作り上げてきた架空の世界がいかに女性の存在を 損なってきたかを知り、一様に驚きました。
私はこれまで、将来の世代のために女性の登場人物を増やすことがどれほど重要か強調してきました。テレビを見れば見るほど少女は向上心をそがれ、一方で少年は女性蔑視な見方を強めます。幼い子どもたちに対するステレオタイプなイメージや過度な性的イメージは、重要な倫理的問題です。ある最近の研究によると、6歳の幼い少女が自分自身を男性の目線を通して見ていることが明らかになりました。これが望ましい発育であるとはだれも思わないでしょう。
経済的な側面では、女性や少女が多く出演する映画は興行収入が高くなり、成績も悪くないとする研究があります。
ジェンダーに関して無意識の先入観を与えてから是正するのではなく、北京(第4回世界女性会議)で認識したように、まず先入観を存続させない、そこから始めればいいのです。
ジェンダー平等を達成するには、多くの問題に取り組む必要があります。法律、教育、議員数など問題は山積です。しかし、メディアに対する取り組みは特に優先度を高める必要があります。なぜなら女性、男性、少女、少年が社会に対する自分の役割や価値を考えるうえで、メディアは非常に大きな影響力があるからです。もうこれ以上一年たりとも待てません。問題は明らかですし、それを裏付ける証拠もあるのですから。
考えてみてください。社会のあらゆる分野にジェンダーにもとづく大きな不均衡(格差)が残っています。その不均衡を是正するために、どのくらいの時間がかかるのでしょうか。指をパチンと鳴らした瞬間に議会の半数を女性にすることなどできません。しかし「明日にでも」女性軽視を改善できるカテゴリーが1つあります。映画です。
テレビ番組や映画を制作する際に、未来の描き方を変えるのです。言い換えると、社会が変わるのを待つ必要はありません。人々が目にするものを通じて、今、未来を作ることができるのです。確かに、世の中に女性のCEOは数えるほどしかいません。しかし、スクリーンの上ではいくらでも女性をCEOにすることができます。企業の取締役の男女不均衡をただすのにどれほどの時間がかかるでしょう?でも、映画やテレビの中であれば取締役の半分を女性にすることは明日にだってできるのです。
解決するのは簡単です。男性向けの配役にもっと女性を起用するのです。今、メディアが未来を作る時が来たのです。ジェンダーに対する先入観のない世界、それを実現するために、スクリーンに描きましょう。

Beijing+20 Focus this Month
Women and the Mediaより

翻訳協力 内堀千尋(実務翻訳スクール.com)

 

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