尊厳の回復:ネパールにおける女性による女性のための救援活動

  • 2015/06/01

尊厳の回復:ネパールにおける女性による女性のための救援活動
日付:2015年5月7日

今回の地震で住む家を失った、カトマンズ郊外のコカナ村に住むスジタと5歳の息子ジェニフ。コカナ村では多くの住民が家族や家を失い、過密状態のテントで窮屈な暮らしを送っている。余震の恐れがあるため、自宅には戻れない。 撮影:UN Women / ヴラド・ソキン

今回の地震で住む家を失った、カトマンズ郊外のコカナ村に住むスジタと5歳の息子ジェニフ。コカナ村では多くの住民が家族や家を失い、過密状態のテントで窮屈な暮らしを送っている。余震の恐れがあるため、自宅には戻れない。 撮影:UN Women / ヴラド・ソキン

「今回の地震でみんなが苦しんでいます」と、働く女性のためのソーシャルビジネス、SABAHから派遣されたボランティア、プラギータ・トゥラダールは述べました。国全体が困難な状況にある中で、プラギータは人々の、特に女性たちにみなぎる団結力に触発されたと言います。「これは素晴らしいことです。誰もが大変な危機に直面している時に、たくさんの女性が、自分と同じ女性を助けるために集結しました。食料も飲み水も住む家もなく、屋外で寝泊まりする女性が大勢います。私は彼女たちを助けられることをとても嬉しく思います。」

2015年4月25日、マグニチュード7.8の地震がネパールを襲い、膨大な数の死傷者と、建物やインフラの破壊をもたらしました。ネパール政府の報告によると、地震による死者数は7千人を超え、負傷者は1万6千人にも上ります。28万軒以上の家屋が倒壊し、23万軒の家屋が損壊しました1。UN Womenの推計2によると、全国に75ある郡のうち、もっとも被害の大きかった13の郡3では、約31万8千人の女性が家計を支えており、3万8千人の女性が何らかの障害を抱えています。65歳以上の女性高齢者が15万7千人、14歳以下の少女が73万8千人、そして字が読めない少女と女性が76万5千人もいます4。

自然災害や紛争が起きると、女性と子どもはしばしばその被害をまともに受けます。国連の報告5によると、そのような状況下では、女性と子どもは、レイプ、性的搾取などに対してさらに無防備な状態におかれ、望まない妊娠、性感染症、性と生殖に関する健康が脅かされる状況が大幅に増加する傾向にあります。ネパールでは、地震の後、約4万人の女性が性的暴力を受ける危険に直面していると推定されています6。

身体が不自由な女性や高齢者、家計を支える女性など、不利な立場にある女性への援助は、往々にして後回しにされがちです。社会慣習、情報の欠如、避難所までの距離、家事の負担などが、彼女たちへの援助を妨げる主な要因となっています。

地震による被害を受けた女性たちのために、早急に必要とされる日常必需品キットを詰めるUN Womenパートナー団体の支援者たち。 撮影:UN Women / ピヤヴィッド・トンサ‐アード

地震による被害を受けた女性たちのために、早急に必要とされる日常必需品キットを詰めるUN Womenパートナー団体の支援者たち。 撮影:UN Women / ピヤヴィッド・トンサ‐アード

UN Womenとパートナー団体は、地震による被害を受けた女性たちへの日常必需品キットの配布を始めています。このキットには、災害などの被害にあった女性たちが尊厳を持って生活するために必要な16の基本的な日用品(衣類、石けん、爪切り、下着、歯ブラシと歯磨き粉、生理用ナプキン、バッテリー付きライトなど)が入っています。

これまでに100個の日常必需品キットが、シンドゥパルチョーク郡とカブレ郡にある「女性子ども事務所」に配られました。さらに100個のキットが3つの女性組織に配布され、5箇所の被災地(カトマンズ、シンドゥパルチョーク、カブレ、ヌワコート、ゴルカ)に住む、障害を持つ女性や高齢の女性、家計を支える女性などに配られるところです。援助の手が届かない女性たちに目を向けたUN Womenのパートナー団体であるポウラキネパール(女性労働者のための組織)やSABAH(自宅をベースに働く女性労働者のための組織)などから30人以上のボランティアが集結し、これらの日常必需品キットを準備しました。集まった女性ボランティアたちは、救援活動の最前線に立って精力的に活動しています。

「私の村の家と畑は完全に破壊されました。それでも私はこうして仕事に就くことができ、息子も無事で一緒にいられるのですから、有り難いことです。」ポウラキネパールのボランティア、ニルジャラ・ポカレルはこう述べました。「村には地震による被害を受けた女性が本当にたくさんいます。私も被災した女性の1人ですから、彼女たちが何を必要としているのかはよくわかります。」

「私たちはこの日常必需品キットを、地震によって生活が壊されてしまった最も弱い立場の女性たちに配ります。何らかの障害を抱えている女性や高齢の女性、家計を支える女性たちなどです」と、シンドゥパルチョーク郡の女性子ども開発事務所長のサンジャ・シンは述べました。「現在、シンドゥパルチョーク郡の村で暮らす女性たちは、着るものはおろか、生活に必要なものを何一つ持たないのです。何もかもすべてが、がれきの下に埋もれてしまいました。」

UN Womenはネパールで、ジェンダーに根ざした暴力の危険に直面する4万人の女性たちを守るために150万USドルの金融支援を求めています。UN Womenとネパールの女性団体は女性を保護するシステムを支援し、特に避難民となった女性に対する暴行と性的暴力を防止するために活動しています。この活動には、トラウマに対するカウンセリング、心理的サポート、人命救助情報などを提供するための多目的で安全な場所の確保、地震で被災し暴力を受けた女性を支援する、領域を越えたサービスや医療機関への紹介・連携システムの強化などが含まれます。

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ネパールで被災した女性を救済するためにできること。
5ドル ラジオ1台。正しい情報を伝えて、家族の安全を守るために。
10ドル 太陽発電ランプ1台。ジェンダーに根ざした暴力から女性を守るために。
30ドル 日常必需品キット1セット。女性と少女たちが、身の清潔を保ち、尊厳を持って日々の暮らしを送るために。

UN Womenによる女性と少女たちを守る活動にみなさまのご協力をお願いします。
(脚注)
1 「国連人道問題調整事務所(OCHA)ネパール現場状況レポートNo.11」
2 「2011国勢調査」
3 「OCHA現場状況レポートNo.9(2015年5月2日現在)」によると、最も被害が大きかったのは次の13地区:バクタプル、ダディン、ドラカ、ゴルカ、カブレパランチョーク、カトマンズ、ラリトプール、ヌワコット、ラメチャプ、ラスワ、シンドゥパルチョーク、マカワンプール、シンドゥリ
4 同じ人が複数の項目に含まれる場合があるため人数の重複があります。
5 「自然災害におけるジェンダー平等と女性のエンパワーメント」に関するレポート(2013年12月20日)
6 「UNフラッシュ・アピール」の推計より http://un.org.np/sites/default/files/nepal_flash_appeal_1.pdf

2015年5月11日
UN WOMEN  WEEKLY  NEWS  UPDATEより抜粋

翻訳協力:松本香代子(実務翻訳スクール.com)

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