UN Women、ジェンダー平等推進に向けた世界10のパートナーの公約を発表

  • 2015/06/01

5つの世界的企業と5つの大学がHeForSheインパクト・チャンピオンとしての公約を発表
2015年5月5日

(ニューヨーク)5日、UN WomenのHeForSheキャンペーンは、女性の権利向上とエンパワーメントを率先して進めている10のインパクト・チャンピオンの公約を発表しました。

HeForSheの「インパクト10×10×10」は、まず世界の10の政府、企業、大学をパートナーとしてジェンダー平等達成のための活動に参加してもらうことを目指すプログラムです。立法機関や企業においてジェンダー不平等が存在しているとする世界経済フォーラムのグローバル・ジェンダー・ギャップ・レポート2014(2014年版世界男女格差報告書)の結果を受け、このプログラムでは立法機関や企業をターゲットとしました。本報告書で、政治参加と機会において男女格差が依然として大きく、また職場での男女格差は2006年以来ほとんど改善がみられていないことが明らかになりました。政府や企業とともに大学がこのインパクト・トリオに選ばれたのは、若者を取り込むことでジェンダー平等達成に向けた動きを加速し、女性に対する暴力撤廃に繋がると考えられるからです。

今年1月にスイスのダボスで開かれた世界経済フォーラムで、UN Womenはこのパイロットプログラム「インパクト10×10×10」と以下の6人の設立パートナーを発表しました。オランダのマルク・ルッテ首相、シエラレオネのアーネスト・バイ・コロマ大統領、スウェーデンのステファン・ロベーン首相、ユニリーバ社のポール・ポルマン最高経営責任者(CEO)、タッパーウェア・ブランズ社のリック・ゴーイングス会長兼CEO、プライスウォーターハウスクーパース・インターナショナルのデニス・ナリー会長です。

「もし自分が生きているうちにジェンダー平等を達成したいなら、その達成を妨げている最大の障壁に対して創造的なアプローチが必要です。『インパクト10×10×10』プログラムは各部門を超えたパートナーたちの力を結集し、内部からこうした障壁を破壊しようとするものです」とプムズィレ・ムランボ=ヌクカUN Women事務局長兼国連事務次長は述べ、さらに「我々のパイロットプログラムのインパクト・チャンピオンたちは、こうした問題に対する責任を引き受けてくれました。彼らのリーダーシップとアイディアは今後の新たな参加者に道を開くものです」と続けました。

世界経済フォーラムが開かれた1月以来、世界各地でリーダーたちが、個人としても組織としても、ジェンダー平等の推進と達成に向けて責任をもって取り組んできました。

今日公約を表明したCEOや会長は、5つの業界を代表し、190を超える国々で合わせて約80万人の従業員を抱える企業のトップです。その5人とは、フランスのホテルチェーン、アコーのセバスチャン・バザン会長兼CEO、タッパーウェア・ブランズ社のリック・ゴーイングス会長兼CEO、コチ・ホールディングのムスタファ・コチ会長、プライスウォーターハウスクーパース・インターナショナルのデニス・ナリー会長、ユニリーバ社のポール・ポルマンCEOです。この5社は、より幅広い企業にこのプログラムを拡大していくための基盤の役割を果たし、今後参加する企業はプログラムの設立趣旨に基づいて各企業で具体的に活動を進めることになります。

この取り組みの一環として、この5社はそれぞれ女性のエンパワーメント原則(WEPs)に署名し、「ジェンダー平等達成に向けた進捗状況を評価し、公表する」という原則7に取り組むことを約束しました。さらに、平等への進展を加速するために各社がそれぞれの業界における重要課題と障壁にどう対処していくかの概要を発表しました。また、各社内においても賃金格差の縮小やマネジメントにおける男女平等、ジェンダー・センシティビティ・トレーニングの義務化に向けた取り組みを進めてきました。その中にはサプライ・チェーン全体における女性活躍の機会促進、工場操業における男女平等参画、地域社会において変化を起こす推進役となる男性のエンパワーメントなど、各社の従業員の枠を超えた取り組みもあります。

UN Womenはまた、HeForSheプログラムのチャンピオンとなる大学も本日発表しました。4つの大陸にまたがり合わせて15万人以上の学生を抱える5つの大学で、レスター大学長ポール・ボイル氏、ウイットウォーターズランド大学副総長兼学長アダム・ハビブ氏、ウォータールー大学長兼副総長フェリドゥン・ハムドゥッラープル氏、香港大学長兼副総長ピーター・マジソン氏、名古屋大学総長松尾清一氏です。

チャンピオンとして選出された大学は、これまで大学における女性の地位向上や大学内での暴力撤廃、ジェンダー・センシティブな構内作り、男女間の偏見の撤廃などに積極的に取り組んできました。その具体的な取り組みは以下のキャンペーンホームページで紹介されています。
http://www.heforshe.org/impact/

「10×10×10」プログラムで今回選出されたのは、高い倫理感、公共サービスの卓越性、世界規模の活動、変革推進のために自らの影響力を活用する意志などが評価されて選ばれた企業や大学です。

UN Women世界親善大使である女優のエマ・ワトソンがHeForSheを2014 年9月に立ちあげて以来、これまで世界中で約30万人の男性や少年が「HeForSheコミットメントAPI」(参加登録をした男性の人数がリアルタイムで世界地図上に位置表示されるウェブサイトアプリ)を通してジェンダー平等に賛同しています。さらにソーシャルメディア上でのHeForShe賛同者は20億人を超えました。

「インパクト10×10×10」のチャンピオンのコメントから

企業チャンピオン(企業名のアルファベット順に記載)

アコー会長兼CEOセバスチャン・バザン:「2人の娘を持つ父として、女性も職業上の可能性を自由に実現することができ、男性と同じ機会が与えられなければならないと私は確信しています。職場での多様性によって社会も多くの恩恵を受けると思います。ジェンダー平等を支持するかどうかを決めるのは、男性であろうが女性であろうが、私たち一人一人です。アコーCEOとして、真の変化を推し進めていく力が私にはあり、それが私の責任であると思っています。」

コチ・ホールディング会長ムスタファ・コチ:「コチ・ホールディングが『インパクト10×10×10』チャンピオンとして弊社の公約を発表することができることを誇らしく思います。このプログラムをコチ・ホールディング内外で始め、コチを超えてその影響を与えることができるように努力します。ジェンダー平等推進のため、弊社従業員そしてトルコ中の男性にこの取り組みに参加してほしいと考えています。」

プライスウォーターハウスクーパース・インターナショナル会長デニス・ナリー:「ジェンダー平等に変化をもたらす。これは私のリーダーとしての個人的なビジョンの一つです。弊社でのHeForSheプログラムでは、教育や実際の行動を通してジェンダー平等問題に関わることができるように男性のエンパワーメントを推進します。従業員やクライアント、コミュニティにHeForSheに取り組んでもらい、『10×10×10』プログラムに参加する各国首脳や大学、トップ企業と協力して、雇用機会均等及びジェンダー平等推進のために、弊社ネットワークの巨大な影響力を活用していきます。」

タッパーウェア・ブランズ社会長兼CEOリック・ゴーイングス:「ただ待つだけでは手に入らないものがあります。すべての女性が成長し繁栄できるように、今こそ男性は、女性の平等のために立ち上がり必要な変化を起こさなければなりません。なぜ私がHeForSheキャンペーンのチャンピオンに選出されたのか?それは私がただ待っていられないというだけではなく、待つつもりがないからです!世界で活躍する約300万人の優秀な弊社の販売員、そして役員を含めたタッパーウェアグループの男性社員にHeForShe運動への署名協力を呼びかける戦略を実行しています。また女性の社会企業家プログラムであるグローバル・リンクス(Global Links)を拡大し、ジョージタウン大学と共同で女性の経済エンパワーメントに関する最新の研究を行い、UN Womenジェンダー基金に50万ドルを拠出しています。」

ユニリーバ社CEOポール・ポルマン:「HeForSheインパクトのチャンピオンに選出され光栄です。このキャンペーンは2020年までに500万人の女性のエンパワーメントを推進するというユニリーバ社の目標と合致しており、個人的にもこのキャンペーンに対して熱い思いを抱いています。HeForSheインパクトへの取り組みとして、女性の権利を向上させ、女性のエンパワーメント原則(WEPs)を実行し、ジェンダー平等やスキルの向上、雇用機会に関してUN Womenと協力し、率先して具体的な行動を起こしています。息子であり、夫であり、兄弟であり、父親でもある男性社員全員に私自身が直接協力を呼びかけ、行動を促し続けたいと考えています。皆で力を合わせればジェンダー平等達成に向けた進歩をさらに加速させることができるのです。」

大学チャンピオン(大学名のアルファベット順に記載)

香港大学長兼副総長(香港)ピーター・マジソン:「高等教育における男性優位の状況に私は大変ショックを受け、多くの当事者がそれを抵抗もせず受け入れていることを憂慮しています。私は、学長としての任期中に、この問題に進んで取り組みたいと思っています。『10×10×10キャンペーン』への参加は、香港の大学全体、さらには社会において平等な機会を推進することに繋がる欠かせない要素だと考えています。」

レスター大学長ポール・ボイル(イギリス):「世界のあらゆる場所でジェンダー平等を実現することは、男女の共同責任です。HeForSheのようなキャンペーンの必要性がなくなり、私の2人の娘と2人の息子が性別ではなく能力で評価されることが当たり前の社会になるように、今この時代に根本的な変化を起こすことを目標としなければなりません。」

名古屋大学総長松尾清一(日本):「ジェンダー平等は自由で活気ある学風作りには不可欠です。名古屋大学は構内だけでなくあらゆる学究的な環境においてもジェンダー障壁の撤廃に責任をもって取り組んでいます。今日までに成し遂げたことを私は誇りに思っており、個人的にもさらにこれを推し進めます。ジェンダー平等な世界に向かって突き進むために、ここ名古屋で機会を作り、幅広い変化を引き起こし、この地域の女性に惜しみない支援を与えます。」

ウォータールー大学長兼副総長フェリドゥン・ハムドゥッラープル(カナダ):「大学は可能性を扱う場所です。可能性を見出し、実現し、さらに伸ばす場所です。すべての人間に備わっている、自分の才能や能力を発揮する可能性、そして社会が新たな社会の姿を描く可能性です。大学教育では、特にSTEM(サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング、数学)分野において女性の進出が遅れるなど、歴史的にその可能性を十分に発揮できなかった人たちがいます。すべての学生と教職員が自分の可能性を最大限実現できるようにすることとともに、あらゆる分野において女性をはじめとするこうした人たちの公正かつ公平な参画を実現していくことが、大学というものの基本だと思います。これはまた大学の長期的な成功、社会の改善に欠かせないものです。」

ウイットウォーターズランド大学副総長兼学長アダム・ハビブ(南アフリカ):「南アフリカに根強く残る性差別と暴力は、私たちが日々戦っている現実です。これは、権力の乱用と暴力のトラウマを忌み嫌うすべての人間にとっての戦いです。これは、性別による暴力を終わらせるために男性は傍観者ではなく積極的な参加者として役割を果たさなければいけないことを確認するための戦いです。これは、家父長制度や不平等を確実に根絶するための戦いであり、不公平なヒエラルキーの恩恵を受けてきた人たち自身をこの解体に対等な立場で参加させるための戦いです。すべての大学、そして何よりもウィッツ大学が参加しなければならない戦いです。」

2015年5月11日
UN WOMEN  WEEKLY  NEWS  UPDATEより抜粋
翻訳協力 河辺由香奈(実務翻訳スクール.com)

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