UN Womenの年次報告書2014/2015からエボラ出血熱へのUN Womenの取り組みをご紹介します

  • 2015/07/28

女性の人道的な要求を満たす活動に向けて

2014年には8000万人の人々に人道的支援が必要とされ、その75%以上が女性と子どもでした。ところが、危機に際して多くの場合、その対応の中心的な役割を果たすのは女性であるにも関わらず、人道的活動は女性の特定のニードや弱さを必ずしも考慮している訳ではありません。そこで、UN Womenは、2014年に救援活動におけるジェンダーへの対応の改善に乗り出しました。ジェンダー問題について助言する専門家を10カ国に配置し、20カ国で人道的計画や方針にジェンダー平等を盛り込む手助けをしました。

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危機への対応

西アフリカのエボラ出血熱感染の最前線にいたのも女性たちでした。危機が始まった当初から、患者であふれかえった病棟や粗末な農村の住まいで、極限の苦しみを目の当たりにしながらも瀕死の病人や家族の世話をしました。また、自分の家族が亡くなったときでさえ、子供たちのそばでその傷ついた心を慰め、埋葬の儀を取り仕切りました。その結果、圧倒的な数の女性がこの死に至るエボラウイルスに感染したのです。

人道的な対応が広がりを見せる中、UN Womenは、危機の防止・対応において女性が担う重要な役割を関係者全員に明確に認識してもらい、人道的対応の調整を行いました。また、危機対応と危機からの復興の戦略全般にわたってジェンダー問題を組み込むよう各国のパートナー機関に助言を行いました。シオラレオネではオックスファムと協力して、シオラレオネ政府によるジェンダーの側面からのエボラ感染調査を支援しました。さらに、国立エボラ対策センターに対してジェンダー問題をその取り組みの柱の1つに定めるよう働きかけ、国連組織が緊急対応プログラムにジェンダー平等を組み込むことについて合意をとりつけました。その中には、例えば性別データで不足している部分を提供することも含まれます。

UN WomenはUNICEF、UNFPAやWHOとともに、男女のボランティア29,000人の訓練を支援しました。そのボランティアは豪雨の中、危険な道を歩いて文字通り一軒一軒訪問し、感染予防を呼びかけるメッセージを150万人に届けました。また、医療従事者を対象にしたウイルス感染予防の研修の一環として、保健医療施設に対する信頼を取り戻し、妊婦や乳児を抱えた母親に再び施設を利用してもらえるようにするキャンペーンが行われました。リベリアでは、UN Womenはジェンダーと開発省と手を組み、その地域で長年指導的な役割を果たしてきた女性たちや農村部の女性グループなどの女性のネットワークに、情報を伝えたり、どこまで情報が届いたかを確認したりする媒介者の役割を担いました。こうした活動の結果、農村部における感染を低下させることができました。それまでジェンダーに基づく暴力を主に扱っていたラジオ番組では、感染予防のメッセージを発信し、社会心理的なサポートに関する情報を提供しました。

エボラ出血熱が流行する前、UN Womenは国境を越えた長期的な事業支援プログラムに出資し、それによって何千人もの女性が仕事で成功を収めていました。しかし、エボラ感染の拡大はシオラレオネとリベリア両国の経済に大きな打撃を与えたため、多くの女性たちが新たな危機に直面しつつあります。そこで、UN Womenは女性たちがようやく手にした生計の糧を失うことがないよう支援に乗り出し、リベリアの中央銀行と協力して直接現金を送れるようにしたのです。携帯電話から簡単に送金できるこの新たな仕組みは、エボラ感染の最悪の状態が過ぎるまで女性たちが仕事を維持できるよう、まさに彼女たちの命をつなぐ点滴のような働きをしています。

翻訳協力:内堀千尋(実務翻訳スクール.com)
UN Women Annual Report2014/2015より
Taking action to meet women’s humanitarian needs
Responding to crisis

Categories: News, 本部

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