「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム(WAW!2015)」におけるプムジレ・ムランボ=ヌクカUN Women事務局長開会挨拶を掲載しました

  • 2015/09/23

「女性にとって重大な年」UN Women事務局長挨拶
2015年8月28日東京(日本)で開催された「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム(WAW!2015)」におけるプムジレ・ムランボ=ヌクカUN Women事務局長開会挨拶

2015年8月28日

(実際のスピーチと内容が多少異なることもあります)

各国政府代表の皆様
国連機関の皆様
民間セクターの皆様
市民団体の皆様
そしてご列席の皆様

各国首脳、財界トップ、市民団体代表者、有識者をはじめとする世界のリーダーが一堂に会すこのすばらしいシンポジウムを再び開催してくださった安倍総理大臣、そして日本国政府に心から御礼申し上げます。
東京でのこの第2回「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム」に参加できることを嬉しく思います。

サーリーフ・リベリア大統領、いつものように刺激的で心が奮い立つようなすばらしいご講演をありがとうございました。安倍総理大臣、国の内外でジェンダー平等や女性の権利といった問題に対して力強くそして一貫した発言をしてくださり、またHeForSheチャンピオンである10人の首脳の一人としてジェンダー平等を支持し実践してくださりありがとうございます。

UN Womenは国連総会で行われる安倍総理大臣のスピーチを今から心待ちにしております。というのも、安倍総理は必ず女性や女児に関する重要な問題を取り上げてくださるからです。

第1回「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム」がこの地で開催されてから、世界では様々な出来事が起こりました。
2015年は国連関係者、加盟各国、そして世界のあらゆる場所にいる一人ひとりにとって重大な年です。女性にとって重大な年です。

今年は北京行動綱領20周年を記念し、その実施に対する詳細な評価を行いました。
日本をはじめとする168カ国がレビュー報告書を提出しました。
すべての国が率直で詳細なレビューを行い、それに基づき新たなコミットメントを発表する機会となりました。
日本は報告書の中で、「21世紀こそ女性の人権侵害のない世界にするため、日本は紛争下での性的暴力をなくすため、国際社会をリードしていく所存である」というコミットメントを発表しています。
特にナイジェリアのチボックで過激派による少女拉致事件が起こってから500日以上が経過していることを考えると、このコミットメントは極めて深い意味をもっています。
報告書では、ジェンダー平等の推進に関連する様々な法改正、インセンティブを伴うハイレベルな意思決定への女性の参画促進、男女ともに仕事と子育てを容易に両立できる社会の推進などを日本の重要な成果として挙げています。

さらに、男性や男児にも関わる法律制定の重要性が強調されていましたが、皆さまご存じのように、まさに今その法案が成立しました。こうした日本の取り組みを高く評価し、日本政府が推し進めてきた数々の大きな計画が実施されることを心待ちにしております。そこから多くのことを学ぶことができるでしょうし、日本が世界にその取り組みを広めることができると確信しています。

また報告書では、北京行動綱領実現に至る過程での重要な教訓についても触れられています。例えばその一つとして、こうした取り組みをばらばらに実施するのではなく統合的に実施することの重要性があります。統合的なアプローチによって進展が促され、影響力を強めることができるからです。

さらに、日本だけでなく報告書を提出した他の多くの国々にとっても、今後さらに焦点を置くべき重要なテーマがレビューにより明らかになりました。ジェンダー主流化の重要性や、1つの分野、1つの部署ではなく政府や社会全体で取り組みを実践することの重要性などです。
他にも法改正の重要性があげられますが、法案の採択だけではなくその実施が重要です。
また様々な資源の活用や女子の教育、世界中の女性に対する暴力の惨劇を断ち切るために真剣に取り組む重要性も明確になりました。女性の経済的エンパワーメントの影響力の大きさと重要性もレビューにより明らかになりました。経済的エンパワーメントは、 女性の自立と権利要求の土台となります。

これらのテーマやレビューの結果を受け、また国連ミレニアム目標で学んだ教訓を生かし、新しい開発目標である「持続可能な開発のための2030年アジェンダ」が発表されました。

全体的に見ると、「北京+20」のレビューは、幅広い協議プロセスでした。「持続可能な開発目標」、中でもジェンダー目標である目標5と、それ以外のすべての目標におけるジェンダーメインストリーミングの目標は、この協議プロセスがあったからこそ全加盟国の合意を得ることができたのです。
これらの目標を実行する2015年から2030年の間には、世界は今後継続的かつ実質的によくなるのだと期待することができる。そのことを確実なものとする、そういう気運を高めていくプロセスでした。
この気運を一段と高いレベルに引き上げるために、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントに関するグローバル・リーダーのフォーラムの開催を予定しており、そこで、アジェンダを押し進め学んだ教訓を活かすというリーダーのコミットメントに焦点を当てます。このフォーラムは2015年9月27日に開催します。安倍総理大臣が先頭に立って推進してくださっていること、そして一人の人間の力を示してくださっていることに感謝申し上げます。

また、各国首脳を招き、女性と女児のみに焦点をあてて議論する初めての国連会合を開きます。その会合では解決策を中心に、2015年から2030年の間に女性や女児にとって良い方向に変わっていくような世界を築くためにはどうすれば良いか、つまり男女格差を縮め、女性や女児が社会で正当な立場を確実に得るためにはどうすれば良いかということを話し合います。多くの国連加盟国がすでに参加の意を示していることに感謝すると同時に、実に多様な国々が大統領や首相の参加を予定しているということにも大変勇気づけられています。もちろん、日本の出席なしでは成功しません。きっと特別なイベントになることでしょう。

市民社会がこれまで果たしてきた役割には、目を見張るものがあります。数えきれないほど多くの犠牲を払ってきました。今度は各国におけるこうした課題を高いレベルに引き上げて議論する必要があります。たとえば、女性の司法へのアクセスを高めるための大幅な法改正、すでに成立している政策や法の実施など、指導者たちの関心を引き付けて状況を一変させるような革新的な取り組みについて徹底的に議論する、このシンポジウムのような場が必要です。世界の128カ国には依然として女性を差別する法律が存在し、女性に悲惨な結果をもたらしています。ほぼすべての国が、ジェンダーに根差した暴力に対処するために自国の法律を最大限に活用しなければなりません。法の整備を進め、女性と女児の命を救い、 その権利をゆるぎないものとして守るにはどうすれば良いか、それはわかっています。

育児休暇制度や誰もが利用できる手頃な料金の保育サービスや早期教育を導入することは、将来の男女間の力関係を根本的に変え、女性と女児に仕事をし、教育を受け、自立するというこれまでにはなかった機会を与え、包括的な経済成長と発展を促すために重要です。
どの国でも、女性は「出産・育児ペナルティ」を受けています。これは国際労働機関が使っている用語です。そのため、女性は生涯でその所得の30%から70%を失っています。何百万人もの女性がそのペナルティを受けているのです。

ポスト2015年開発アジェンダで誰も置き去りにすることがないように、同一価値労働に対して男女間で同一賃金を得るなど、こうした不平等に対して合意した期間内に確実に対処していく必要があります。この権利を否定し続けることは不当な行為です。女性のエンパワーメント原則にはこれを実現するための体系的な方法が示されています。
さらに初等教育後の女児の教育、あらゆる年齢の女性を対象にした生涯学習に関する指針も必要です。
女性の性と生殖に関する権利を保障し、年齢にふさわしい包括的な性教育を受けられるようにする必要があります。
いかなる場合も、いかなる時にも、女性が性的暴力を受けることがあってはなりません。女性や女児は強姦や拷問といった最も残虐な犯罪の被害に苦しんできました。その賠償として、平和や安全のためのあらゆる対策により女性を守り、平和の担い手としてリーダーシップを発揮する立場に女性を置かれなければなりません。近年発生しているテロリズムがどのようにして生まれるのか、その実態をまだ完全にはつかみきれていません。テロには断固たる姿勢で臨まなければなりません。
ジェンダー平等への投資を大幅に増やす必要があります。国家が承認した女性対象の開発計画でも、そのわずか10%しか資金が手当てされていないケースや国があります。そのためジェンダー予算の要請が、どの国にとっても最も緊急性の高い優先事項であり、ODA(政府開発援助)増額の必要性は強調してもしすぎることがありません。
意思決定機関において女性の数が少ないという問題。この問題に決着をつけなければなりません。ジェンダー平等は経済成長、政治的発展に必要なことです。これは、権利に基づいたものであり、貧困と不平等を根絶する鍵だからです。
ポスト2015年開発アジェンダを成功させ、実質的で斬新的、かつ後戻りすることのない確固としたジェンダー平等を実現するために、男性と男児は重要な役割を担っています。

最後にもう一度、HeForSheキャンペーンでリーダーシップを発揮し、10人の首脳の一人としてこの問題に取り組んでくださり、皆の手本となってくださっている安倍総理大臣に感謝いたします。さらに国連安保理決議1325号採択から15周年に向けたグローバルスタディーでは、日本が積極的にその役割を担い、サポートしてくださっていることに感謝申し上げます。

また、新しく開設されたUN Women日本事務所を支援してくださっている日本国政府と成澤文京区長に感謝いたします。

ご来場の皆様

民間セクターでは、男性による貢献が一層期待されています。民間セクターは依然として男性優位です。だからこそ、女性の昇進を阻むガラスの天井を女性自らが打ち破るのを待つのではなく、男性がそれを取り除いてください。そうすれば、女性もその役割を効果的に発揮することができるでしょう。

2015年は極めて重大な年であり、今がその時です。今でなければ、いつでしょう?我々でなければ、誰がやるのでしょう?
そして、安倍総理大臣でなければ、どの総理大臣がやるのでしょう?

ご清聴、ありがとうございました。
UN WOMEN WEEKLY NEWS UPDATE(8月31日)より
翻訳協力:河邉由香奈(実務翻訳スクール.com)

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