UN Womenのジェンダー平等基金の支援のもと、政治や経済分野への女性の参加が広がっています

  • 2015/11/23

男性中心の領域で女児と若い女性の参加が広まる

日付:2015年10月8日 6:24 pm

UN Womenのジェンダー平等基金の支援のもと、世界中で若い女性たちがこれまで関与してこなかった経済や政治の分野に加わり、女性の立場からリーダーシップを再定義しています。

20歳のカライチェルビ・カナガリンガムさんは、民族紛争のあったスリランカ北部にあるキリノッチの学校に通っていましたが、授業料が払えなくなりやむなく学校を中退せざるを得ませんでした。そのときは将来に希望を持てませんでした。しかし3年経った今では、被服縫製工場のデータ入力オペレーターとしてOJT(職場内訓練)を受け、糖尿病を患っている母親と障害をもった父親を養えるくらいの収入を得ています。

スリランカ北部キリノッチの学校を授業料が払えないという理由で中退した後、UN Womenジェンダー平等基金が支援するプログラムを受講した20歳のカライチェルビ・カナガリンガムさん 撮影:女性研究センター

スリランカ北部キリノッチの学校を授業料が払えないという理由で中退した後、UN Womenジェンダー平等基金が支援するプログラムを受講した20歳のカライチェルビ・カナガリンガムさん 撮影:女性研究センター

カナガリンガムさんは、UN Womenのジェンダー平等基金(FGE)の助成金を受けている女性研究センター(CENWOR)の支援で、情報通信の国家資格を取得しました。CENWORの2年間のプログラムは、中等学校を中退した女性が市場の需要に見合う雇用につながる技能を身につける機会を拡大し、貧困ライン以下の収入しか得られない典型的な「女性の」職業という枠を打ち破るための支援をすることを目的としています。プログラムの立ち上げから2年間で、低所得家庭の若い女性1,300名以上が正規の職業訓練や実習プログラムを受講することができました。

「適切な技能と手段を身に着け、創造性と強い意欲を自由に発揮できる機会が与えられれば、若い女性は、極めて強力な変革の担い手になることができます」と、UN Womenジェンダー平等基金のエリサ・フェルナンデス所長は述べています。そして次のように続けています。「あらゆる地域で若い女性の強力なリーダーがあらわれています。女性リーダーは、女性のニーズや優先事項を表明し、具体的な提案をするために、男性中心の政治や経済の領域に果敢に足を踏み入れ、女性の立場からパワーとリーダーシップを再定義しています。」

たとえばパレスチナでは、男性だけで構成する公式な委員会が作成した現行の憲法草案に対し、ジェンダー平等の概念が欠けているとしてその代替案を作成したのは26名の若い女性たちでした。この女性たちによるアドボカシー活動の結果、公平の原則に市民からの支持が得られ、代替案に賛成する360名を超えるパレスチナの政治リーダーからも請願への支持が集まりました。パレスチナ各地で開催されたワークショップを通して、これまでに700名以上の若者が政治分析やロビー活動、アドボカシー、憲法構築について学びました。

パレスチナの憲法におけるジェンダー平等を訴えるポスターを手にする、アドボカシー運動に参加した地域組織の若いメンバーたち 撮影:平和と民主化を考えるパレスチナセンター/イブラヒム アブデルジャワッド

パレスチナの憲法におけるジェンダー平等を訴えるポスターを手にする、アドボカシー運動に参加した地域組織の若いメンバーたち 撮影:平和と民主化を考えるパレスチナセンター/イブラヒム アブデルジャワッド

ヨルダン川西岸地区出身で法学校を卒業し、憲法起草チームに参加した24歳のアマニ・サワーブタさんは「以前は自分の意見を話す勇気がありませんでしたが、今は政治や女性の権利、憲法のような難しい問題について自分の考えを述べています。自分でも強くなったと感じています」と述べています。

ジャマイカの主要なLGBTのロビー団体であるJFLAGの教育啓蒙担当責任者として、世間では片隅に追いやられている同性愛者や性的少数派の女性たちの代弁者として重要な役割を果たしているラトヤ・ニュージェントさん

ジャマイカの主要なLGBTのロビー団体であるJFLAGの教育啓蒙担当責任者として、世間では片隅に追いやられている同性愛者や性的少数派の女性たちの代弁者として重要な役割を果たしているラトヤ・ニュージェントさん

女性の政治参加率が143カ国中105位[1]であるジャマイカでは、若い女性300名による活動により、LGBT(女性同性愛者、男性同性愛者、両性愛者、性別越境者)の権利などの問題について議論が進み、現在、女性や男性同性愛者に対する差別的で不平等な政策が盛り込まれている国家性犯罪法の見直し作業が進められています。この女性たちは、FGEの助成金を受けているWomen’s Media Watchが実施したメディアとアドボカシーに関する講習を受けたおかげで、リーダーシップとコミュニケーションスキルが向上し、法改正に参加して意見を述べることができました。

 

ジャマイカの主要なLGBTのロビー団体であるJFLAG(ジャマイカの女性同性愛者、男性同性愛者、両性愛者、性別越境者のフォーラム)の教育啓蒙担当責任者であるラトヤ・ニュージェントさんは、世間の片隅に追いやられている同性愛者や性的少数派の女性の代弁者として重要な役割を果たしています。講習に参加して以来、ジェンダー平等と女性の権利に関する活動に一層力を入れ、性犯罪法見直しの議論を進める原動力になっています。

「講習で私の心に深く残ったことの1つに『行政に自らの言葉への責任を負わせる』」という言葉があります」とニュージェントさんは述べています。

東南アジアでは、国際女性の権利監視協会アジア太平洋が、次世代のジェンダー平等の活動家を育てる目的で114名からなる若い女性グループを支援しています。プログラムでは、女性に関わる政策議論に参加するときに必要な実質的な情緒的能力、言語表現能力を強化する研修を実施しています。また、ソーシャルメディアの利用や地域のハイレベル会合への参加を通して仲間や意思決定者に働きかけて影響を与えるスキルも教えています。

UN Womenは、特に新たな持続可能な開発アジェンダに則して、政治や経済面でのエンパワーメント活動の中心に女児や若い女性を位置づけている市民社会活動を継続して支援しています。2015年3月に始まった第三回国際助成金事業の一環として、FGEは、市民社会組織から提出された50のプログラム案を選び、合わせて16万人の若い女性と女児を直接支援します。

注釈
[1] http://www.ipu.org/wmn-e/classif.htm
UN WOMEN WEEKLY NEWS UPDATE(2015.10.5~10.26より)

翻訳協力:武藤洋子(実務翻訳スクール.com)

Categories: News, 本部

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