ブルンジでの女性調停者による平和推進活動について紹介しています。

  • 2016/03/03

ブルンジでの女性調停者による平和推進活動

2016年1月25日午後5時7分

政治的混乱が激化する中、500名を超えるブルンジ人女性が地域社会の平和を推進する調停者として活動し、これまでに5,000件を超える紛争防止に貢献しています。

ブルンジでの女性調停者による平和推進活動
政治的混乱が激化する中、500名を超えるブルンジ人女性が地域社会の平和を推進する調停者として活動し、これまでに5,000件を超える紛争防止に貢献しています。
2016年1月25日

共に紛争解決活動に携わるジョセリン・ヌダイロレレさん(左から3番目)をはじめとする女性調停者と地域のメンバー 撮影:UN Women/ブルーノ・グミュブンウィ

共に紛争解決活動に携わるジョセリン・ヌダイロレレさん(左から3番目)をはじめとする女性調停者と地域のメンバー
撮影:UN Women/ブルーノ・グミュブンウィ

1993年から2005年の間、ブルンジでは内戦によりおよそ30万人が犠牲となり、数十万人が難民となりました。そして、2015年に再び対立が勃発しました。
今回の紛争で59歳になるローズ・ニャンドウィさんには痛ましい記憶が甦ってきました。1972年、父親が殺害されたためにニャンドウィさんは学校を中退し、さらに約20年後の1993年には内戦で夫を失いました。しかし、彼女はこの苦境に負けることはありませんでした。

8人の子どもを抱える母親であるニャンドウィさんは、女性団体で働くことで、生きる目的を見つけ地域社会への帰属意識も高まり、なんとか安定した生活を取り戻しました。現在ニャンドウィさんは、「平和と対話のための女性ネットワーク」のマカンバ県南部の調停者として活動しています。2015年1月以来、UN Womenの支援を受けているこの女性ネットワークは、国家当局、市民社会組織、地域社会と協力しながら暴力防止、紛争防止の活動を展開しています。

「紛争の犠牲者は、調停者である私たちが問題をうまく丁寧に解決してくれると信頼してくれています」と、ニャンドウィさんは語り、次のように続けています。「私たちの戦略はパートナーシップを築いて、地域の人々に私たちが単独で勝手に活動しているわけではないことを理解してもらうことです」

534名の調停者からなる女性ネットワークは、ブルンジのすべての市町村(合計129)で活動しています。

女性ネットワークの報告によれば、2015年に女性調停者が対応した各地域での紛争件数は、5,000件を超えています。また、17の県で政府関係者、治安部隊、市民社会との対話が開始されました。

このネットワークは、内戦後の和解が必要であるという観点から構築されました。最近では、2015年の選挙期間中、現職の大統領が三選の出馬を表明したことに対して反対派が憲法違反として反発、新たな政治危機、治安悪化を招きました。2015年4月下旬以降、政府と反対派の間の緊張から首都ブジュンブラで治安部隊と抗議デモ隊との衝突が断続的に発生し、女性調停者の役割がいっそう重要性を増しています。

国連人権高等弁務官は、「人権侵害の極度に憂慮すべき新たなパターン」としてこの事態に警鐘を鳴らしています。この1年間、23万人以上の人々が国外へ脱出しました。国際社会が仲介する政府側と反対派との対話を呼びかけたにもかかわらず、ほとんど進展は見られません。

UN Womenの紛争防止と解決の訓練を受け、長期にわたって地域のリーダーを務めるジョセリン・ヌダイロレレ氏さん 撮影: UN Women/ブルーノ・グミュブンウィ

UN Womenの紛争防止と解決の訓練を受け、長期にわたって地域のリーダーを務めるジョセリン・ヌダイロレレ氏さん
撮影: UN Women/ブルーノ・グミュブンウィ

このような緊迫する政治環境下で、女性調停者は地域において家族、社会、土地などに関連した紛争の解決に取り組んでいます。こうした紛争は政治的に利用されやすく、地域社会を不安定な状態に陥れる危険があります。女性調停者は、政治や選挙に関する紛争を解決する自信と実用的なノウハウを身につけており、慎重を期する問題を扱う機会が増えてきています。たとえば、治安部隊とデモ隊との間に入って緊張を和らげ、拘束されているデモ参加者や政治犯の釈放を訴えています。

非暴力と対話を推進し、風評や過度の不安を裏付けできる情報によって払拭し、2015年5月に独立系報道機関が閉鎖されて以降高まっていた混乱がブルンジ全体に拡大するのを防いでいます。

たとえば、今回の危機が始まった当初、ニャンドウィさんは各地域を回って市民の意識を高め、大量兵器がばらまかれている、市民殺害の組織的計画があるなどといった根拠のない噂を払拭しました。

「あらゆる手を尽くして、若者に対して治安部隊に暴力をふるわないよう説得してきました」と、長い間地域社会でリーダーを務めてきた50歳のジョセリン・ヌダイロレレさんは言います。「若者たちは私たちのメッセージを理解してくれました。今では、私たちのアドバイスに感謝してくれています。治安部隊と若者の間には良好な関係が保たれています。」平和を目指す対話を「家庭の中から始め、それから地域レベルに、そして国家レベルへと広げていかなければなりません。」

UN Womenの紛争防止と解決の訓練を受け、長期にわたって地域のリーダーを務めるジョセリン・ヌダイロレレ氏さん 撮影: UN Women/ブルーノ・グミュブンウィ

ジェンダーに基づく暴力に立ち向かう団体で働いているヌダイロレレさんやニャンドウィさんのような女性調停者は、紛争の防止と解決に関するこれまでの経験が認められて選ばれ、さらにUN Womenの訓練を受けています。

「問題が持ち込まれた時は、その地区のすべての調停者が集まって状況を理解した上で被害者にアドバイスをし、裁判所に訴えを提出する手助けをします」と、ニャンドウィさんは述べています。

女性調停者に支援を求めてくる被害者の多くは女性です。これまで伝統的に紛争解決を行ってきたのは多くの場合が男性ですが、男性より女性調停者の方が自分たちをよく理解してくれると被害者である女性たちは言っています。男性調停者も、今では紛争解決時に女性調停者に支援を依頼しています。

ただ同時に、すべての男性が女性調停者の活動を支援してくれるわけではないとニャンドウィさんは言います。「暴力の加害者を含め、私たちは自分には関係のない問題に首を突っ込んでいると思っている人がいます。しかし、この状況も徐々に変わりつつあります。」

「ブルンジでの危機が長引く中、継続して能力向上に取り組み、女性調停者と平和を目指すすべてのステークホルダーを支援し続けることが重要です」と、UN Womenブルンジ代表ジェレミー・ ドラージュ氏は述べています。「女性は早期警戒と紛争防止に重要な役割を果たしています。紛争解決の中心にいるのは女性です。」

UN WOMEN WEEKLY NEWS UPDATE(2016.2.1より)

翻訳協力:武藤洋子(実務翻訳スクール.com)

Categories: News, 本部

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