第60回国連女性の地位委員会(CSW)での焦点は、2030アジェンダの実施

  • 2016/04/05

女性と女児に関する単独のフォーラムとしては最大規模の委員会、その焦点は2030アジェンダの実施

国連女性の地位委員会、女性と女児のための野心的な開発ロードマップ実現を目指してアクションプラン策定へ

(ニューヨーク発、3月10日)― 2015年は、各国の政府首脳が「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を採択し、国際開発の進展の節目になりました。それに続いて、第60回国連女性の地位委員会(CSW)では、この野心的な合意の確実な実行が最大の焦点になります。2015年9月に国連加盟国が採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」は、人間と地球のための普遍的なロードマップであり、貧困や不平等、気候変動など21世紀の主要課題に取り組むためのものです。ジェンダー平等とすべての女性と女児のエンパワーメントを達成することはそれ自体がゴールであると同時に、SDGsを実現するための主要な手段であると考えられています。したがって、SDGsの実現はこれを厳密に実施できるかどうかにかかっています。

CSWは、女性の地位向上と女性のエンパワーメントの実現へ向け、加盟国とその他のステークホルダーが新たな取り組みにコミットする単独のフォーラムとしては最大規模のものです。今回のCSWは、2015年9月に「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されて以来初の委員会であり、その時に高まった機運を受けて開催されるものです。2030アジェンダの採択時には、90カ国以上が「ジェンダー平等に向けて行動を加速させよう」というUN Womenの呼びかけに応えました。各国の政府首脳は、自国におけるジェンダー平等の達成を阻む構造的な障壁や依然として残された課題に取り組むために、具体的かつ測定可能な行動を取ることを約束しました。これに呼応して民間団体や企業のトップも、固定観念を打破すること、ジェンダー平等を促進し、女性の地位向上の機会を醸成する行為に転換することを表明しました。

プムジレ・ムランボ-ヌクカUN Women事務局長は、「2030アジェンダの実現に関わる多くのキーパートナーが集う今回のCSWは、私たちが力を結集し、行動に向けた主要課題について確固たる決意をもって互いに歩調を合わせる重要な機会です」と述べています。

第60回CSWの優先テーマは、女性のエンパワーメント、そしてエンパワーメントと持続可能な開発との関連です。有効な法律や政策、堅固な制度やインフラ、十分な資金、参加の仕組みづくり、性別データ整備への投資。こうしたことを確実に実行して各国の取り組みを後押しすることにより、ジェンダーの視点を取り入れた2030アジェンダの実行に好ましい環境を醸成することが議論の焦点です。

女性のエンパワーメントとジェンダー平等の実現は、世界のあらゆる社会に恩恵をもたらすということが調査ではっきりと示されています。例えば、労働市場において女性が男性とまったく同じ役割を担った場合、世界の年間GDPは2025年までに28兆ドル増える可能性があります。女性が和平交渉に参加することによって、少なくとも2年継続する和平合意の可能性が20%、15年以上継続する合意の可能性が35%増加します。また、文字を読むことができる母親のもとに生まれた子どもは、そうでない子どもより生存率が50%高いということもわかっています。しかし、北京会議から20年の節目の年となる2015年に作成されたグローバルレビューでは、女性の権利とジェンダー平等に進展は見られるものの十分ではないことが示されました。今日、国会議員に占める女性の割合はわずか5分の1で、女性は依然として男性と比べて収入や資産が少なく、介護や育児、家事などの無償労働に従事しています。

また未だ3人に1人の女性が暴力を受けており、これは世界に蔓延する人権侵害の一つです。女性と女児に対する暴力は社会にとっても多大な経済的損失であり、世界で起こっているパンデミックです。第60回CSWでは、暴力の根絶を優先テーマに掲げた2013年の合意結論に関して、その実施の進捗状況を評価します。

第60回CSW(3月14日~24日開催)は、女性の権利やジェンダー平等の進展に目に見える変化をもたらそうという各国政府や活動団体の決意をはっきりと示すものです。今年は既に1,000を超えるNGO団体から8,100人以上の代表者が会議への事前登録を済ませています。また、200以上のサイドイベントが加盟国や国連諸機関の主催で国連の中で行われ、その多くは民間団体との共同開催です。その数はCSW第1週目だけでも150にのぼります。併せて、450のパラレルイベントが国連周辺の会場でNGO団体により開催されます。

UN Womenプレスリリース(2016年3月10日)より

翻訳協力:溝口啓子(実務翻訳スクール.com)

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