女性と女児に対する暴力の防止に男性の参画を促すベトナムの取り組みを紹介します。

  • 2016/05/23

女性と女児に対する暴力の防止に男性の参画を促すベトナムの取り組み

2016年4月4日 午前10時29分

 

国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」の目標5(ジェンダーの平等)を支援する、男性を対象とした1年間のジェンダー平等プログラムが開始されて半年が経ちました。第一次報告書からは、ジェンダー規範の変化と暴力防止の面に明るい兆しがうかがえます。

 

(本文)

女性と女児に対する暴力の防止に男性の参画を促すベトナムの取り組み

2016年4月4日

 

ベトナムにおける女性と女児への暴力防止に取り組むトラン・ヴァン・チュオンさんとホアン・ヴァン・ドクさん 写真:P4P

ベトナムにおける女性と女児への暴力防止に取り組むトラン・ヴァン・チュオンさんとホアン・ヴァン・ドクさん
写真:P4P

 

26才のトラン・ヴァン・チュオンさんは、隣人の女性が夫にたたかれる音で目が覚める事がたびたびありました。隣人夫婦の喧嘩は静かに始まるのですが、夫が暴力を振るうにつれて急激にエスカレートして、妻に捻挫や擦り傷といった怪我を負わせるのでした。人口100万人を有するベトナム中部の主要な港湾都市ダナンのコミュニティでは、こうしたことは珍しくありませんでした。

 

国連人口基金(UNFPA)と「予防のためのパートナーズ(P4P)」ジョイントプログラムの支援で行われた質的調査から、ベトナムでは、日常生活で女性を支配するために女性を従わせる手段として男性が行う暴力行為は、それが家庭という私生活の場で行われる行為であれば問題視されない、という実態がわかりました。

 

実際に、ベトナム政府と国連が協力して行った「ベトナムにおける女性に対する家庭内暴力国家調査」では、半数以上の女性が人生のいずれかの時期に家庭内暴力を経験していると答えています。このような家庭内暴力が身体的にも精神的にも重大な健康被害をもたらす事がわかっており、虐待を受けた女性は、そうでない女性に比べて自殺を考える割合が最大で3倍になります。

 

チュオンさんは隣人の暴力が気になっていましたが、同時に葛藤もしていました。夫の暴力を止めさせたいと思う一方で、プライベートな家庭の問題に口を挟むのは不適切ではないかと恐れていたのです。というのも、彼の住んでいるコミュニティでは年長者を敬うことは大切な社会規範とされており、年下の者が年長者に対して面と向かって反対意見を述べることは失礼だと考えられているからです。

 

でも、隣人夫婦を助ける方法がありました。ジェンダー平等を推進する男性の活動グループです。チュオンさんはそこでボランティアスタッフをしているのです。このグループは、ダナン女性連合がUN Women、国連ボランティア計画、「予防のためのパートナーズ(P4P)」ジョイントプログラムと連携して実施している、男性を対象とした1年間のジェンダー平等プログラムの一部です。このプログラムは、国連の2030年に向けた「持続可能な開発目標(SDGs)」の目標5(ジェンダーの平等)を支援するもので、女性と女児に対する暴力の撤廃は目標5の主要項目の1つです。第一次報告書によると、プログラムを半年実施した結果、ジェンダー規範の変化と暴力防止の面に明るい兆しが見られます。

詳しい内容はUN Women’s regional website for the Asia and the Pacificをご覧下さい。

UN WOMEN WEEKLY NEWS UPDATE(2016.4.11より)

翻訳:祖父江美穗(実務翻訳スクール.com)

 

Categories: News, 本部

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