2015年のネパール大地震で被災した女性の現在についてのフォトエッセイを紹介します。

  • 2016/05/30

2016/4/19 午後8:00

2015年4月25日、マグニチュード7.8の大地震がネパールを襲い、ダンガルさん夫妻にとってすべてが一変しました。ダンガルさん一家の家は全壊し、がれきの山になりました。UN Womenの支援を受けネパール政府と共同で設立された女性のための多目的センターの援助によって、今のところ、夫妻は何とか暮らしています。

 

写真エッセー:震災から1年後のビシュヌ・マヤ・ダンガルさんの暮らし

2016/4/15

シンドゥパルチョーク ―― ブリキの壁の小さな穴から小屋に太陽の光が差し込んでいます。低いブリキの天井には干したトウモロコシが吊され、波形ブリキ板で調理場と座る場所が仕切られています。仕切りの横には汚れた小さな茶箪笥。その上には新しいきれいなバケツ。急ごしらえの薪ストーブからは煙ばかりがあがっています。 Photo: UN Women/N. Shrestha

シンドゥパルチョーク ―― ブリキの壁の小さな穴から小屋に太陽の光が差し込んでいます。低いブリキの天井には干したトウモロコシが吊され、波形ブリキ板で調理場と座る場所が仕切られています。仕切りの横には汚れた小さな茶箪笥。その上には新しいきれいなバケツ。急ごしらえの薪ストーブからは煙ばかりがあがっています。
Photo: UN Women/N. Shrestha

 

これが家。72歳になるビシュヌ・マヤ・ダンガルさんの住まいです。息を吹いて調理用の火をおこしています。咳込んで、一呼吸置き、また息を吹きつけます。シンドゥパルチョークは初春ですが、外はまだ冷えます。数年前まで、ダンガルさん夫妻にはすべてが揃っていました。家、そして二人の息子とその妻と元気な孫達。20年前に長男が腎臓を患ったとき、ビシュヌ・マヤさんは自分の腎臓を提供しました。「腎臓は1つでも生きられる、と医者は言いました。息子が助かるというのに提供しないなんて考えられませんでした」と回想します。 Photo: UN Women/N. Shrestha

これが家。72歳になるビシュヌ・マヤ・ダンガルさんの住まいです。息を吹いて調理用の火をおこしています。咳込んで、一呼吸置き、また息を吹きつけます。シンドゥパルチョークは初春ですが、外はまだ冷えます。数年前まで、ダンガルさん夫妻にはすべてが揃っていました。家、そして二人の息子とその妻と元気な孫達。20年前に長男が腎臓を患ったとき、ビシュヌ・マヤさんは自分の腎臓を提供しました。「腎臓は1つでも生きられる、と医者は言いました。息子が助かるというのに提供しないなんて考えられませんでした」と回想します。
Photo: UN Women/N. Shrestha

 

その後は幸せな暮らしが続きましたが、移植から15年たった頃、その移植した腎臓も悪化し始めました。「5年前、息子は亡くなりました。私の腎臓と、私の愛情をもって逝ってしまいました」と、ビシュヌ・マヤさんは言います。その時から、家族が崩壊していきました。次男が財産を目当てにダンガルさん夫妻と争い、夫妻は息子達の家族の間で財産を分けました。その後まもなく、次男は自分の分け前を持って家族とともに首都カトマンズへ引っ越し、一切の連絡を絶ってしまいました。ダンガルさん夫妻は新しい生活に馴染んでいきました。 Photo: UN Women/N. Shrestha

その後は幸せな暮らしが続きましたが、移植から15年たった頃、その移植した腎臓も悪化し始めました。「5年前、息子は亡くなりました。私の腎臓と、私の愛情をもって逝ってしまいました」と、ビシュヌ・マヤさんは言います。その時から、家族が崩壊していきました。次男が財産を目当てにダンガルさん夫妻と争い、夫妻は息子達の家族の間で財産を分けました。その後まもなく、次男は自分の分け前を持って家族とともに首都カトマンズへ引っ越し、一切の連絡を絶ってしまいました。ダンガルさん夫妻は新しい生活に馴染んでいきました。
Photo: UN Women/N. Shrestha

 

2015年4月25日、マグニチュード7.8という大地震がネパールを襲い、すべてが一変しました。ダンガルさん一家の家は全壊し、がれきの山だけになりました。着の身着のままで食料と安全な場所を求めてダンガルさん夫妻が丘を上っていくと、小さな空き地が見つかりました。その隣には地区のヘルスポスト(公的保健施設)がありました。 Photo: UN Women/N. Shrestha

2015年4月25日、マグニチュード7.8という大地震がネパールを襲い、すべてが一変しました。ダンガルさん一家の家は全壊し、がれきの山だけになりました。着の身着のままで食料と安全な場所を求めてダンガルさん夫妻が丘を上っていくと、小さな空き地が見つかりました。その隣には地区のヘルスポスト(公的保健施設)がありました。
Photo: UN Women/N. Shrestha

 

ここで夫妻は必要な支援を受けることができました。幸運なことに、ダンガルさん夫妻がたどり着いた場所にヘルスポストがあり、その同じ敷地に女性のための多目的センターがありました。このセンターは、女性団体SAATHIが、UN Womenの支援を受けネパール政府と共同で設立したもので、5つの地区で運営されており、心的外傷のカウンセリング、情報提供、法的サービスや医療サービスの紹介などを行っています。センターのスタッフは、ダンガルさん夫妻が家に帰れるようになるまでそこに滞在できるよう、ヘルスポストに掛け合ってくれました。 Photo: UN Women/N. Shrestha

ここで夫妻は必要な支援を受けることができました。幸運なことに、ダンガルさん夫妻がたどり着いた場所にヘルスポストがあり、その同じ敷地に女性のための多目的センターがありました。このセンターは、女性団体SAATHIが、UN Womenの支援を受けネパール政府と共同で設立したもので、5つの地区で運営されており、心的外傷のカウンセリング、情報提供、法的サービスや医療サービスの紹介などを行っています。センターのスタッフは、ダンガルさん夫妻が家に帰れるようになるまでそこに滞在できるよう、ヘルスポストに掛け合ってくれました。
Photo: UN Women/N. Shrestha

 

 シンドゥパルチョークにある女性のための多目的センターの地域コーディネーターであるプラティバ・シュレスタさんは、ダンガルさん夫妻がシニア市民カードを持っておらず、政府からのシニア向け給付金を受け取っていないことを知ると、すぐに行動を起こしました。地元の役場に連絡をとり、必要な書類を提出し、署名や住民票の写しの入手を手伝い、夫妻に代わってカードの申請を行いました。おかげで数日後にはカードが発行されました。その日から、夫妻は1人当たり毎月500Rs(約5米ドル)を受け取ることができるようになりました。決して大きな額ではありませんが、砂糖や塩、油、薬など最低限の品物は買うことができます。 Photo: UN Women/N. Shrestha


シンドゥパルチョークにある女性のための多目的センターの地域コーディネーターであるプラティバ・シュレスタさんは、ダンガルさん夫妻がシニア市民カードを持っておらず、政府からのシニア向け給付金を受け取っていないことを知ると、すぐに行動を起こしました。地元の役場に連絡をとり、必要な書類を提出し、署名や住民票の写しの入手を手伝い、夫妻に代わってカードの申請を行いました。おかげで数日後にはカードが発行されました。その日から、夫妻は1人当たり毎月500Rs(約5米ドル)を受け取ることができるようになりました。決して大きな額ではありませんが、砂糖や塩、油、薬など最低限の品物は買うことができます。
Photo: UN Women/N. Shrestha

 

センターの助けのおかげで、今のところ夫妻は何とか暮らしています。給付金以外の夫妻の収入源は1つだけです。ヤギを飼育し、いいお金になるくらい大きく育てて売るのです。夫妻は毎日、午後一番に地震が起きる前まで家があったところへ歩いて戻ります。今日はがれきの山の脇で桜が満開に咲いていました。「ここに私たちの家がありました」と、ビシュヌ・マヤさんは言います。今のところ、家を建て直すほどのお金はありません。 Photo: UN Women/N. Shrestha

センターの助けのおかげで、今のところ夫妻は何とか暮らしています。給付金以外の夫妻の収入源は1つだけです。ヤギを飼育し、いいお金になるくらい大きく育てて売るのです。夫妻は毎日、午後一番に地震が起きる前まで家があったところへ歩いて戻ります。今日はがれきの山の脇で桜が満開に咲いていました。「ここに私たちの家がありました」と、ビシュヌ・マヤさんは言います。今のところ、家を建て直すほどのお金はありません。
Photo: UN Women/N. Shrestha

 

しかし、希望は捨てていません。ビシュヌ・マヤさんはいつか以前の家で昔の暮らしに戻れるという希望を持っています。また家族がひとつになれる、と。 Photo: UN Women/N. Shrestha

しかし、希望は捨てていません。ビシュヌ・マヤさんはいつか以前の家で昔の暮らしに戻れるという希望を持っています。また家族がひとつになれる、と。
Photo: UN Women/N. Shrestha

 

UN WOMEN WEEKLY NEWS UPDATE(2016.4.25より)

翻訳協力:加藤恵子(実務翻訳スクール.com)

Categories: News, 本部

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