『私はエブリン・アモニー』 – 戦争とレイプからの生還者の自伝についての記事を紹介します

  • 2016/07/23

『私はエブリン・アモニー』 - 戦争とレイプからの生還者の自伝

2016年6月15日 5:57 P.M.

 

ウガンダ共和国北部カラロの自宅から神の抵抗軍(Lord’s Resistance Army (LRA))の兵士に誘拐されたとき、エブリン・アモニーはまだ11歳でした。その後11年間、LRAのもとにいました。6月15日にニューヨークのジャパン・ソサエティーにおいてUN Womenと国際移行期正義センターとの共催で行われた出版式で、エブリンの自伝『私はエブリン・アモニー - 神の抵抗軍に奪われた人生を取り戻す』が出版されました。自伝には彼女がたどった壮絶な日々が記されています。

 

『私はエブリン・アモニー』 - 戦争とレイプからの生還者の自伝

2016年6月15日

 

「これまでで一番嬉しかった思い出は、初等学校4年生のときにクラスで2番目の成績を取ったときのことです。それを聞いた父は、ヤギを解体して肝臓を食べさせてくれました。アチョリでは通常肝臓は年長者のためにとっておきます。とてもおいしいですから。でも私は次の学期に反政府武装勢力に誘拐され、5年生になることができませんでした。」

エブリン・アモニー / 写真 エリン・ベインズ

エブリン・アモニー / 写真 エリン・ベインズ

ウガンダ共和国北部カラロの自宅から神の抵抗軍(LRA)の兵士に誘拐されたとき、エブリンはまだ11歳でした。その後11年間、LRAのもとにいました。6月15日にニューヨークのジャパン・ソサエティーにおいてUN Womenと国際移行期正義センターとの共催で行われた出版式で、エブリンの自伝『私はエブリン・アモニー - 神の抵抗軍に奪われた人生を取り戻す』が出版されました。自伝には、彼女がたどった壮絶な日々が記されています。

LRAに誘拐された他の何千人もの子どもと同様、エブリンも兵士としての訓練を受けました。14歳のとき、国際刑事裁判所から指名手配されていた悪名高いLRAの指導者ジョセフ・コーニーと強制的に結婚させられ、彼の子どもを3人出産しました。自伝には、「ある日、コーニーは、自分の妻を全員家に呼びつけ、妻たちに私が彼の妻になることを伝えました。」とあります。「コーニーに一度尋ねたことがあります。『今の今まで私のことを自分の子どもだと言っていたのに、いまさらどうやってあなたの妻になるの?』。するとコーニーは、『おまえに選択権はない。おまえはおれの妻になるのだ』と言いました。」

 

エブリンのLRAでの生活は、筆舌に尽くし難い危険と背中あわせのものでした。「失敗するたびに殴られました。たとえ些細な失敗でも。森林?(茂み)の中で暮らしていたので、逃げ場はありませんでした。」

 

エブリンと2人の子どもは、2004年にウガンダ軍に救出され、家族のもとに帰ることができました。しかしもう1人の子どもは、いまだ行方不明です。エブリンは、その後コーニーと和平交渉団とのパイプ役としてジュバ和平交渉に加わりました。

 

自伝には、捕虜としての生活、レイプや暴力、またLRAから救出後の苛酷な貧困や社会からの偏見に苦しんだ日々が詳細に記されています。「母の埋葬から2日後、近所の人がこう言っているのを耳にしました。『マーガレットの法要には参列しないわ。だって、マーガレットの娘はコーニーの妻だったから』」

  2003年ウガンダのグルで暴力に抗議する女性 / 写真 エリン・ベインズ


2003年ウガンダのグルで暴力に抗議する女性 / 写真 エリン・ベインズ

 

現在エブリンは、紛争で性的暴力や性に基づく暴力を受けた被害者を支援し、そうした暴力に対して正義、認知、責任を追及することを目的に、戦争の被害を受けた女性のためのフォーラム「ウィメンズ・アドボカシー・ネットワーク(WAN)」をウガンダで主催しています。WANは、ウガンダ北部のグルでUN Womanが支援する「正義と和解のプロジェクト」の1つです。

 

エブリンの自伝は、社会において紛争における性的暴力に関する議論が変化してきたタイミングで出版されました。現在では、紛争地における性的暴力は戦争犯罪であるとされています。この問題に対するメディア、政治、学界の関心も高まっています。

 

「しかし、そうした報告書や対応には暴力の被害者の声が欠けています」とナーラ・ヴァルジUN Women平和安全副部長は述べています。「報告書では被害者の短期的なニーズに焦点が当てられて、戦争暴力により生まれた子どものニーズといった暴力の長期的な影響は見落とされています。」

 

エブリンの自伝を通して、1人の戦争被害者、1人の活動家のすさまじい人生をたどることができます。自伝の出版に続き翌6月16日には、被害者の実体験を聞いて効果的な政策やプログラムの開発を目指すワークショップがニューヨークで開催されます。

 

「戦争が女性や子どもの生活にさまざまな影響を及ぼすこと、戦争は悪であり終わらせなければいけないということ。それをすべての人に知ってほしかったので、この本を書きました」と出版式の最後にエブリンは述べています。「どんなに辛い経験をしたとしても、その経験だけにとらわれた人生ではいけない。他の人の人生を変えるためにできることがたくさんある、ということをこの自伝を書くことで伝えたかったのです。」

 

関連サイト:

マリア・アレジャンドラ・マルティネスの言葉-改革から和解へ-(In the words of María Alejandra Martínez: From revolution to reconciliation)

エブリン・アモニーの言葉-「強制結婚により私は27人の「妻」の1人になった」(In the words of Evelyn Amony: “I was forced to become one of his 27 ‘wives’ ”)

 

 

UN WOMEN WEEKLY NEWS UPDATE(2016.6.20より)

 

翻訳協力:土居良子(実務翻訳スクール.com)

 

Categories: News, 本部

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