「スポーツを通して自尊心と独立心を育むブラジルの少女たち」という記事を紹介しています

  • 2016/08/28

スポーツを通して自尊心と独立心を育むブラジルの少女たち

日付:2016年7月25日

勝者になるとはどういうことでしょうか。聖火ランナーに選ばれた12歳のエイドリエル・アレクサンダーにとっては、それはオリンピックの新体操選手になるということだけでなく、自分たちのコミュニティを暴力のない互いを尊重し合える場所にすることです。現在ブラジルで、安全な場所を創出し、スポーツを通じて少女をエンパワーすることを目的としたプログラムが実施されており、400人の少女が参加しています。エイドリエルもその1人です。

写真:UNICブラジル/バレーのレッスンの準備をするエイドリエル・アレクサンダー

写真:UNICブラジル/バレーのレッスンの準備をするエイドリエル・アレクサンダー

「成功するには努力が必要だということをスポーツを通して学びました。同じ場所にじっとして何もしないままでは何も得られません」とリオデジャネイロ出身のアスリートであるエイドリエル・アレクサンダー(12歳)は言います。

エイドリエルは、少なくとも週に4回は放課後にバレー、新体操、ピラティスのレッスンを受けるためにオリンピック・ヴィラに行きます。オリンピック・ヴィラは地方自治体が運営する無料のスポーツ施設を備えた22ヵ所の公共スペースの1つです。彼女は、ここで「One Win Leads to Another(ひとつの勝利が次の勝利につながる)」というプログラムに参加しています。10~14歳の少女400人が参加するこのプログラムは、UN Womenと国際オリンピック委員会(IOC)がWoman Win、Bola Pra Frente、Instituto Agenda、ブラジルオリンピック委員会とパートナーシップを結び、スウェーデン郵便番号くじスポーツ財団からの支援を受けて実施している共同プログラムです。週に2回、レッスン後にエイドリエルはワークショップに参加しています。ワークショップでは、教育者、ソーシャルワーカー、心理学者など異なる専門を持つ指導者チームから、リーダーシップや自尊心、性と生殖に関する健康と権利、女性と女児に対する暴力根絶、将来のためのファイナンシャルプランニングなどについて学びます。このプログラムは、2017年初めまでに参加者2,500名達成を目標とし、リオデジャネイロの16のオリンピック・ヴィラで実施されています。

写真:UNICブラジル/ブラジル、リオデジャネイロでバレーのレッスン中のエイドリエル・アレクサンダー

写真:UNICブラジル/ブラジル、リオデジャネイロでバレーのレッスン中のエイドリエル・アレクサンダー

世界で起こる性的暴行の約50%は16歳以下の少女が被害者です。少女たちが思春期に達すると、社会の片隅に追いやられ、性的対象として見られるようになります。少女たちの自尊心は少年の2倍も傷つき、社会の先入観に影響されて自分の身体に対して否定的なイメージを抱くようになります。さらに青年期には49%の少女がスポーツをやめてしまいますが、これは少年に比べて6倍高い割合です。

「One Win Leads to Another」プログラムでは、男女不平等を軽減し、少女たちに生きていくためのスキルと自尊心を身につけさせるための効果的なツールとしてスポーツを活用しています。また、少女たちに安全な場所を創出していますが、これは少女たちを積極的にこのプログラムに参加させるための重要な第一歩です。「スポーツは少女たちの自尊心とチームワークを高めるのに役立ち、スポーツを通して人生に目標を持つことを学びます。安全な場所でこうしたことを学ぶことで、彼女たちが志を抱き、成長することを促します」とUN Womenブラジル代表ナディネ・ガスマン氏は言います。

写真:UNICブラジル/新体操のレッスン中のエイドリエル・アレクサンダー

写真:UNICブラジル/新体操のレッスン中のエイドリエル・アレクサンダー

カリスマ性と才能にあふれる新体操選手であるエイドリエルは、行く先々で注目を集めます。そして今年、オリンピック聖火リレーのランナーに選ばれました。祖母のミリアム・フェルナンデスはエイドリエルの一番のファンの1人です。「エイドリエルがスポーツを続けるためにさまざまな犠牲を払ってきました。ブラジルでスポーツを職業とすることは簡単なことではありません。特に貧しい人にとっては。彼女のすべてを誇らしく思いますし、彼女が得てきたチャンスすべてに感謝しています」と誇らしげに微笑みます。

オリンピックの新体操選手になるという夢を追いかけるために、エイドリアルと家族は困難を克服するため犠牲を払ってきましたが、エイドリエルはそのことに感謝しています。

「体操のコスチュームを買ったりフェスティバルや競技会の参加費を払ったりするために、何度もおもちゃを我慢しました。スポーツの練習を続けるために同年代の子たちが普通にしていることをできないこともありました。でも、悲しくはなかったです。スポーツは楽しいし、大好きですから」。

写真:UNICブラジル/「One Win Leads to Another」ワークショップに参加する少女たち。リーダーシップや自尊心、性と生殖に関する健康と権利、女性と女児に対する暴力根絶、ファイナンシャルプランニングを学んでいます。

写真:UNICブラジル/「One Win Leads to Another」ワークショップに参加する少女たち。リーダーシップや自尊心、性と生殖に関する健康と権利、女性と女児に対する暴力根絶、ファイナンシャルプランニングを学んでいます。

プログラムのファシリテータの1人であるエリザベス・ジャトバは、「プロジェクトで一番重要なことは、自分の声に耳を傾けてもらえる安全な場所を少女たちに提供することです。そこでは自分の意見を述べることができます。自分の考えや経験、望みを伝えることができるようにファシリテータがサポートします」と言います。エイドリアルがプログラムから学んだことの1つで、いつも彼女が心にとどめていることがあります。それはスポーツと人生において勝者になることの意味です。「勝者になるとは自分の夢を実現することであり、他人を助け、コミュニティを暴力がなく互いを尊重し合える場所へと変えることです」。

UN WOMEN WEEKLY NEWS UPDATE(2016.8.1より)

翻訳協力:尾嵜明(実務翻訳スクール.com)

Categories: News, 本部

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