尊厳を求める声:モスルから逃れる女性・女児の声を大きくして、支援を!

  • 2016/12/15

尊厳を求める声:モスルから逃れる女性・女児の声を大きくして、支援を!
2016年11月29日

UN Womenはモスルの紛争から逃れて、難民キャンプに住む家族にディグニティー・キット(女性の尊厳を守る日常品キット)を配りました。写真:UNAMI(国連イラク支援ミッション)

UN Womenはモスルの紛争から逃れて、難民キャンプに住む家族にディグニティー・キット(女性の尊厳を守る日常品キット)を配りました。写真:UNAMI(国連イラク支援ミッション)

 

UN Womenは最近、東モスルに緊急ミッションを送りましたが、ここは「イスラム国」との戦争が起こるまでは賑やかなコミュニティーがあったところです。そこでモスルの紛争を逃れて今は難民キャンプに住む144の家族に、日常品や生理用品の入ったキットを配りました。SIDA(スウェーデン国際開発公社)の支援を受けたこのミッションは、モスルが「イスラム国」に占領されて以来2年以上も家に閉じ込められて声をあげられなかった女性・女児の声を集めて、大きな声にしようとしています。

2016年10月にモスルを「イスラム国」の手から取り戻そうとする軍事作戦が始まって以来、人道危機が深まりました。OCHA(国連人道問題調整部)によれば72,000人が難民となり、軍事作戦がこのまま続けばさらに12,000,000人が難民になる恐れがあります。モスル作戦で難民になったり、なりそうな人の半分は女性、女児、女性が所帯主の家族で、緊急支援を求めています。多くは性的暴力、強制された児童婚、その他の人権侵害の被害者です。

「私はモスルで明日を担う若者を教育する大学教授でした。でも「イスラム国」が来てすべてが変わりました」と最近モスルを逃れてきた元大学教授のアイシャ・ハディールは語りました。「私は学生に思想の自由を教えましたが、「イスラム国」に占領されている間は、自分の考えを自由に表現できませんでした。2年間も家を出ることが出来なかったのです」と彼女は付け加えました。

ハディール教授のそばには3人の女学生がいました。カウター・マハ(20歳)、サジャ・ナセル(22歳)、バスマ・フセイン(23歳)です。イスラム国がモスルを占領する前、マハは農業科学を学ぶ大学2年生、ナセルは言語学を学ぶ3年生、フセインは教育学を学んで先生になることを望んでいる4年生でした。3人とも平和なモスルに帰って、自分の技術と才能を発揮できる日を夢見ています。

他にも同じような体験をした難民女性は沢山います。紛争は有望な女性・女児の未来を閉ざしてしまったばかりでなく、イラクの平和・安全・統一を実現する上で欠かせない女性リーダーたちの政治的大志を摘んでしまったのです。例えばモスルで女性議員候補が「イスラム国」によって公開処刑されたという話も聞きました。

「UN Womenは暴力的な過激主義と闘っていくには「女性の平和と安全プログラム」を通して女性が平和と安全に政治的に参加してリーダーシップを発揮していかなくてはならないと啓発しています」とポーリナ・チワングカントリー事務所副代表は述べています。「リーダーシップ研修、能力構築ワークショップ、労働対価による支援プログラムなどを通して、UN Womenは女性・女子すべてがエンパワーされ、生産的な人生を送れることを目指して活動しています」

モスルの国内難民女性の声を広めるため、UN Womenは「尊厳を求める声」シリーズを立ち上げて、彼女たちのストーリーや考え方を多くの人に届けています。またUN Womenは難民キャンプや受け入れ側地域コミュニティーに多目的リスニングセンターを建てるための寄付を集めています。

注:難民女性の名前は本人を特定できないように変えてあります。

UN WOMEN WEEKLY NEWS UPDATE(2016.12.6より)

翻訳:本田敏江(国連ウィメン日本協会理事)

Categories: News, 本部

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