タイムライン:ジェンダー平等、2016年を振り返って

  • 2017/01/25

Timeline: Gender Equality, 2016 Year in Review

タイムライン:ジェンダー平等、2016年を振り返って(抄訳)

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人道に反する罪で有罪となったコンゴの将軍から、女性殺害に怒るアルゼンチンのデモやジェンダー平等に貢献する絵文字まで、このタイムラインは2016年に世界中で見られたジェンダー平等の成果、画期的な出来事、あるいはちょっとしたことだけれど注目に値する瞬間を集めました。

 

 

 

国際少女デー(10月11日)の前夜、UN Womenの親善大使、エマ・ワトソンは児童婚に光を当てようとマラウィを訪れました。

国際少女デー(10月11日)の前夜、UN Womenの親善大使、エマ・ワトソンは児童婚に光を当てようとマラウィを訪れました。

    ジンバブエが児童婚を禁止

児童婚をした二人が政府を訴え、新境地を開拓しました。ジンバブエの憲法裁判所が彼女たちの訴えを認め、ジンバブエ国民は18歳以下では結婚できないという判決を下したのです。もうひとつの勝利はタンザニアとガンビアが結婚年齢を18歳に引きあげたことです。キルギスタンでは、未成年を含む宗教婚を犯罪とし、結婚を許した聖職者や両親に実刑を課すとしました。UN Womenの親善大使、エマ・ワトソンはマラウィまで赴いて村の長老や、結婚を無効にできて学校に戻った少女たちに会いました。

 

 

 

ロイヤルブルネイ航空初の女性フライトクルー

ロイヤルブルネイ航空初の女性フライトクルー

    さあ離陸!

コックピットから女性の声を聞くのは珍しいことです。なんといっても女性はパイロットの3%しか占めていないのですから。そのためロイヤルブルネイ航空が初めて女性だけのクルーを編成してブルネイからジェダまで処女飛行をした時、メディアはすぐ注目しました。また、他の国に目を移しても公共交通が変わってきています。6月にはインドの公共バスは、パニックボタン、監視カメラ(CCTV)、GPS車両追跡システムの装備が義務づけられました。トルコ最大の都市、イスタンプールでは女性が夜10時以降にバスに乗った場合、バス停でなくてもどこでも降りることができます。キトからカイロまで、公共交通をより安全にすることもUN Womenのグローバル安全都市イニシャティブの中核をなすものです。

ハーグの国際刑事裁判所に座る元コンゴ副大統領のジャン=ピエール・ベンバ・ゴンボ

ハーグの国際刑事裁判所に座る元コンゴ副大統領のジャン=ピエール・ベンバ・ゴンボ

    コンゴ将軍に有罪判決

国際刑事裁判所は、初めて性暴力に画期的な判決を下しました。元コンゴ副大統領のジャン=ピエール・ベンバ・ゴンボが人道に反する罪及び戦争犯罪で有罪になったのです。罪状にはレイプ、殺人、略奪が含まれていました。2月にはグアテマラの最高裁判所が、国の裁判所としては初めて紛争下での性的奴隷を有罪とし、36年に及ぶ内戦下で現地の女性に対する同様の罪で2人の軍人が有罪判決を受けました。5月にはチャドのイッセン・ハブレが元国家元首としては初めて個人的にレイプした罪で有罪判決を受けました。

 

 

    やった~!

アメリカ人のイダ・キーリングは100歳の最高齢走者として100メートル走の世界記録を更新しました―我々カウチポテト族(長椅子に横たわってポテトチップスを食べながらテレビやビデオを見て過ごす人たち)には恥ずかしい限りです。これほど目覚ましいものでなくても今年は注目に値する勝利がたくさんありました。国際オリンピック委員会(IOC)コミッションの3分の1を女性が占めるようになりました。これは歴史上初のことです。トランスジェンダーのアスリートが手術なしにオリンピックに参加できるようになりました。FIFAの事務局長に初めて女性、かつ初めてアフリカからファトマ・サンバ・ディオーフ・サムラが就任しました。

 

 

    ハイヒールを履こう

職場でのジェンダー差別や不平等な待遇に嫌気がさしていませんか?でも、多くの人が声をあげるようになりました。時には今までと全く違うやり方で。英国のある有名法律事務所では「Dear Sirs」を「Dear Sir and Madam」にかえました。さらに英国では、女性達がハイヒールを履くよう義務づけている会社を法律違反とするよう政府に嘆願書を提出しました。このばかばかしさを訴えるため、雑誌「スタイリスト」は、男性もハイヒールを一日中履くよう呼びかけました。これは男性に痛い思いをさせ、笑えるエピソードを数々生み出しました。カンヌの映画祭では同様の要求に反対して、ジュリア・ロバーツがレッドカーペットの上をはだしで歩きました。日本では、300人以上を雇用する企業や政府機関は、ジェンダー指標に基づいた成果について報告しなくてはならなくなりました。

 

カメラに向かってポーズをとるパメラ・ヴァレンズエラ(左)と友人のカーラ。パメラはボリビアで初めて新しい身分証明書をもらったトランスジェンダーのボリビア市民となったのです。

カメラに向かってポーズをとるパメラ・ヴァレンズエラ(左)と友人のカーラ。パメラはボリビアで初めて新しい身分証明書をもらったトランスジェンダーのボリビア市民となったのです。

    ボリビアのトランスジェンダー市民に新しい身分証明書

ラテンアメリカですでに同じような法律を持っているアルゼンチン、コロンビア、エクアドル、ウルグアイに続き、ボリビアでも自分のジェンダーを正しく公的書類に表わせるよう、名前、ジェンダー、写真を変えられる法律が施行されました。お隣さんも負けてはいません。トランスジェンダーの権利や性的区別のないトイレについて白熱した議論がかわされる中、アメリカ国防省は6月にトランスジェンダーの人々が兵役に服することを禁じた規則を廃止しました。

 

 

 

1990年代に日本でひっそりと始まった絵文字は大きな発展を遂げました。絵文字は今や世界中で使われるようになり、オンラインコミュニケーションの方法として人気を集めています。これによって新しい表現が可能になったのです。

1990年代に日本でひっそりと始まった絵文字は大きな発展を遂げました。絵文字は今や世界中で使われるようになり、オンラインコミュニケーションの方法として人気を集めています。これによって新しい表現が可能になったのです。

    絵文字がジェンダーに対応

現在オンライン人口の90%が自分を表現するのに絵文字を使っています。割合としては女性の方が多く使っています。しかしながら絵文字は必ずしも女性・女児をうまく表せていません。(ご存知のように我々は皆がお姫様や妻ではないのです)7月に、ユニコードコンソーシアム(新しい絵文字に許可を与える管理機関)は、グーグル(Google)が提案した職業を表す絵文字を新たに許可しました。この絵文字には様々な肌の色をした男女が含まれています。アップル(Apple)もジェンダーに対応した絵文字をiOSアップデートに含めました。

 

 

 

 

16歳の少女がマル・デル・コスタで残虐に殺されたことに怒った女性たちが、2016年10月、ブエノスアイレスで暴力根絶を訴えて1時間のデモを行いました。

16歳の少女がマル・デル・コスタで残虐に殺されたことに怒った女性たちが、2016年10月、ブエノスアイレスで暴力根絶を訴えて1時間のデモを行いました。

    もう一人も犠牲者を出すな!

女性殺人が立て続けに起こったことでラテンアメリカでは大規模なデモが起きました。スローガンは「もう一人も暴力の犠牲者を出すな!」です。アルゼンチンでは、マル・デル・コスタで16歳の少女がレイプされて殺されたことに怒った人々が街に繰り出しました。その何か月か前にブラジルでは16歳の少女が集団レイプされたことで怒りの声が上がり、同国で72時間に一人レイプされる女性の数を表して420着の下着がリオのコパカバーナビーチで展示されました。世界に目を向けると怒りの表し方がさまざまであることがわかります。アメリカでは性的暴行の経験を共有しようとしたTweetに週末だけで2,700万の返事がありました。

 

 

宇宙服を着て11月17日に国際宇宙ステーションへ飛び立つアメリカ人宇宙飛行士、ペギー・ウィットソン

宇宙服を着て11月17日に国際宇宙ステーションへ飛び立つアメリカ人宇宙飛行士、ペギー・ウィットソン

    宇宙フロンティアを開拓

11月にカザフスタンから宇宙に飛び立ったのは56歳のアメリカ人、ペギー・ウィットソン。女性宇宙飛行士の最高齢の記録を打ち立てました。ウィットソンは、国際宇宙ステーションを指揮した最初の女性で、NASAの宇宙飛行士会社の社長となった、最初で今のところ唯一の女性なのです。そしてこのミッションがうまくいけば、アメリカ人の男女含めて宇宙で過ごす時間の最長記録を樹立します。さらにすごいニュースはNASAが2013年に採用した宇宙飛行士の女性の割合が初めて半分に達したことです。彼女たちは火星への処女飛行にきっと参加できることでしょう。

 

 

UN WomenのHeForSheは、ジェンダー平等を目指したグローバルな連帯運動で、男性や少年の参加を促し、彼らをジェンダー平等を達成するための触媒役にしようとしています。

UN WomenのHeForSheは、ジェンダー平等を目指したグローバルな連帯運動で、男性や少年の参加を促し、彼らをジェンダー平等を達成するための触媒役にしようとしています。

    健康でいたかったらフェミニストになろう!

科学的に見ても、性差別主義は男性の健康によくない、と我々はずっと言い続けてきました。でも本当のところ何がわかっているのでしょうか。アメリカ心理学会のある研究によれば、女性を支配したがると自覚する男性や独立独行、感情の抑制、プレイボーイ的行動などの男性的規範に従おうとする男性は、心理的問題を抱えたり、人間関係にうまく対応できなかったりする可能性が高いのです。またこのような男性は、男性的規範に従わない男性に比べると、他の人からの支援や助言を求めない傾向にあります。解決策はHeForSheです。

 

 

 

UN WOMEN WEEKLY NEWS UPDATE(2017.1.3より)

抄訳:本田敏江(国連ウィメン日本協会理事)

Categories: News, 本部

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