科学分野の国際女性・女児デーによせたヌクカ事務局長の新聞記事を紹介します

  • 2017/02/28

科学分野の国際女性・女児デー

隠れた数字を明らかに:成功物語は少女のSTEM(科学、技術、工学、数学)キャリアを後押しする

科学分野の国際女性・女児デー(211)によせたUN Women事務局長、プムジレ・ムランボヌクカ氏の新聞記事

 

2017年2月9日

何が少女を自分は少年より知性や能力で劣っていると思わせるのでしょうか。そしてこのような子供たちが科学、技術、工学、数学(STEM)のような「硬い/ソフトな」科目に出会った時どんなことが起こるでしょうか。最近の調査「知的能力のジェンダーステレオタイプは幼少の頃に現れて、子供の興味に影響を与える」によると、6歳までには、少女は少年より自分の性を頭脳明晰だと言ったり、「とても利口な子供」向けとレッテルを張られた活動にする傾向が少ないことがわかります。少年、少女は家庭に始まり、学校、その後の人生を通して学んでいく言い伝えやステレオタイプによって思考や自意識の発達に大きな影響を受けること、そしてこれらの広告や映画、本、ニュースなどの中で見る女性のイメージや役割によってさらに強められていくことを調査は繰り返し証明しています。

 

では、どうやってこれを変えていけるでしょう。将来の新しい労働市場で成功していくには少女たちは何を学ぶべきでしょう。答えは単にSTEMの授業を増やしたり、教え方を改善するなどではすみません。まずこのような未来では少女は少年と平等であることを学ばねばなりません。STEMで少女が直面する主な障害は、これらの科目やキャリアでは少年が少女より優れているというステレオタイプが、その誕生以来永続してきたことです。

 

子供が学校に入学し、勉強を続けることを確保するだけでなく、何を学んでいるかに注意を向けなくてはいけません。将来の職業が変化しているということは、学校で子供たちが学ぶ分野に、第4次産業革命を見据えて「ニューカラージョブ(ホワイト、ブルーカラーに加えた第3のカテゴリ―、技術と高等教育で学習する知識を結び付けた職業)」に対応できるような科目を加えなくてはならないということです。今日存在しない仕事が、例えばグリーンエコノミー、ロボット、人工知能、バイオテクノロジー、ゲノムなどの分野で、これからの20年以内に一般的になるかもしれません。

 

メディアは偏見を生み出すうえで大きな役割を果たしています。効果的に情報を流すことで望ましくない認識、規範を植え付けることもできれば、誤った認識を正して新しいロールモデルを作り出すこともできます。マーゴット・リー・シェッタリーのHidden Figures(隠れた数字)という本は宇宙開発競争に勝つことを助けた黒人女性数学者の今まで語られなかったストーリーを伝えています。このストーリーは現在映画にもなり、女性で黒人であるという二重の要因によりNASAでその存在が見えなかった人々に光を当てています。成功を収めた女性科学者の見える化はニュースや歴史の正確さを期すためにとても重要です。これはまた科学分野でさらに成功を築いていくためにも欠かせません。

 

アメリカ合衆国の国勢調査によれば、化学者・材料科学者の39%、環境・地球科学者の28%を女性が占めています。この数字は我々が最終的に望む平等には達していませんが、読んだり聞いたりするものよりずっと高いレベルです。気になることはベストセラーの映画ではこの事実が過小評価されていることです。UN Womenが支援した「国境なきジェンダーバイアス報告2015」(Gender Bias without Borders)によると、STEMジョブについている映画の登場人物のうち女性の占める割合はわずか12%です。このことは科学分野においては女性がまだ隠れた存在だということで、これは少女の将来を切り拓こうとする熱意を冷まさせることにつながるのです。

 

「少女の意識調査2016」(Girls’ Attitudes Survey)によれば英国の7-10歳の少女のうち、エンジニアや科学者のキャリアを選ぶと言ったのは10人のうちの1人にも達しませんでした。この偏見を捨て去ったり、ステレオタイプを変えたりするのは簡単ではありません。でも少年、少女が将来のジョブ市場で対等に競い合うようにするにはこれを避けては通れません。同時にこれに対応したすぐ使えるスキルを教える実用プログラムも実施されなくてはなりません。

 

UN Womenはデジタルのジェンダー格差をなくすために世界中のパートナーと協働しています。例えばモルドバの「少女のIT教育」(UN Womenのジョイントプログラム)は少女にデジタル、IT, 起業スキルを教え、特にビデオを使って前向きなロールモデルを広めています。同様にケニアと南アフリカでは、女性・女児のためのウエブ教室モジラクラブが20か所で基本的なコーディングやデジタルを理解するためのスキルを教えています。

 

我々は子供たちが遊び、学び、育っていくエコシステムに根づくステレオタイプを計画的かつ緊急に取り去っていかなくてはなりません。学校、家庭、職場で、そして日常交わされる会話を通して、少女が科学分野で伸びていけるような世界がどのようなものであるかを考えていかなくてはなりません。そうすれば少女たちの成功は彼女たちの能力に比例するものとなるのです。

 

 

UN WOMEN WEEKLY NEWS UPDATE(2017.2.13より)

 

翻訳:本田敏江(国連ウィメン日本協会理事)

監修:目黒依子(国連ウィメン日本協会副理事長)

Categories: News, 本部

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