タンザニアでは難民女性が安全を手に入れて新しい人生をスタート

  • 2017/07/26

UN Womenが支援するタンザニアの3つの女性センターは、難民女性がネットワークを築き、新しいスキルを学び、戦争や性的暴力のトラウマから回復する安全な場を提供しています。多くは新しい仕事を見つけ、自分たちの権利を主張するようになっています。何人かは新しい家族を見つけて新しい人生を歩み始めています。
2017年6月20日

 Photo: UN Women/Deepika Nath

コロティリダ・ミナニは2015年後半にブルンディの故郷から逃げて、ヌデゥタ難民キャンプで第二の家を見つけました。ムパウェナヴォ・セラフィーヌ(38歳)は2015年9月にブルンディのルタナを夫と6人の子どもと一緒に出発し、60キロ以上歩いてタンザニア国境にたどり着きました。故郷の村でますますひどくなる暴力を逃れてきたのです。

一家はムテンデリ難民キャンプで安全な場を見つけました。セラフィーヌはそこのUN Womenが支援している女性センターで起業と小規模ビジネス向けのスキルを学びました。1年もすると彼女は自分の洋裁のスキルを向上させて、新しい技術や縫い方を学びました。

セラフィーヌはキャンプの外にお店を作ろうという計画を披露した時にこう言っています。「自分が縫った洋服を着てくれている人を見るほど幸せなことはありません」センターには10人からなる洋裁グループがあり、彼女はその一員として定期的に会合を持っています。10人は互いに学び合い、スカート、ブラウス、シャツなどのデザインをしています。この収益はキャンプで家族に配給される食料品の足しになります。「いつか有名なデザイナーになりたいわ。私が縫ったものをあなたが着てくれる日が来るかもしれない」とセラフィーヌは言っています。

Photo: UN Women/Deepika Nath

ベアトリス・エマニュエルは国際救援委員会(IRC)の女性のエンパワメント指導員で、ムテンデリ女性センターで働くUN Womenのパートナーです。

2016年以来、UN Womenは国際救援委員会(IRC)を支援し、タンザニアのニャルグス、ヌデュタ、ムテンデリ難民キャンプの女性センターで研修や様々なサービスを提供しています。このようなキャンプでは近隣のブルンディやコンゴ民主共和国の紛争から逃れてきた50万人以上の難民が暮らしています。このプロジェクトは国連中央緊急対応基金が資金を提供し、ノルウェイ政府が支援しています。

「難民女性・少女は紛争後の復興やコミュニティの社会構造再建に不可欠な重要な役割を担っています」とタンザニアのホダン・アドウUN Women代表は述べています。「女性センターは、ネットワークを構築したり、衝撃的な体験を共有して有意義な話し合いのできる安全な場を提供しており、これが女性達のトラウマからの回復を助けています」

ベアトリス・エマニュエルは国際救援委員会(IRC)の女性のエンパワメント指導員で、ムテンデリ女性センターで働くUN Womenのパートナーですが、彼女もそれに同意してこう述べています。「女性たちはセンターに来るようになって自信を持てるようになり、その態度にも明らかな変化が見られるようになってきました。センターは女性たちに生きるための新しいスキルを教えるだけでなく、日常の雑事から解放されてほっと一息つける場所にもなっているのです」

3つのセンターは2016年に建てられましたが、皆広いパティオ、ベランダを備え、そこで洋裁、バスケット作り、大人の読み書き、陶芸などのクラスが十分開けるようになっています。センターそれぞれにカウンセリングルームを備え、難民女性が家族計画やジェンダーに根差す暴力について内内に相談できるようになっています。コロティリダ・ミナニはムテンデリから167キロほど離れたヌデュタ難民キャンプで他の女性達とグループを組んでバスケットを作っています。手を素早く動かして乾燥した草の芽やプラスチックのひもを器用に結び合わせて複雑なデザインを生み出しています。大きなバスケットだと作るのに約1週間かかり、$8で売れます。

Photo: UN Women/Deepika Nath ヌデュタ難民キャンプでバスケットを作る女性

彼女は「キャンプの外のマーケットで新しい客に私たちの製品を売れたらよいのに」と言っています。「それができれば売り上げが2倍になります」

ミナニは2015年末に子供3人と孫1人を連れてブルンディの故郷ルヴィジを逃れてきました。反乱軍が彼女の土地を取り上げ、殴ると脅したからです。彼女は1993年の民族紛争で夫を亡くしましたが、ヌデュタで第二の家を見つけました。

Photo: UN Women/Deepika Nath

コロティリダ・ミナニはヌデュタ難民キャンプで仲間たちと洋裁を習っています

危機的状況になるとジェンダー不平等はさらに悪化します。女性センターは16週間のプログラムを実施し、男性住民と協力してジェンダーステレオタイプや有害な慣習を打ち破ろうとしています。ムザレンド・ムトカンバリ(36歳)はニャルグスキャンプでこのプログラムの主任ファシリテーターを務めています。彼は1999年にコンゴ民主共和国を逃れ、このキャンプで18年間暮らしています。

彼はこう言っています。「男性に家事で妻、母親、姉妹を手伝うよう説得するのはとても難しいです。皆それは女性の仕事だ、自分たちは一家の稼ぎ手なんだから家事の手伝いなどする必要がないと反論します。私は女性も育児で手伝いが必要だし、外でお金を稼ぐこともできるのだ、と説得につとめています」

プログラムが始まったばかりの時は、男性たちは今までのやり方を変えることに抵抗しました。

Photo: UN Women/Deepika Nath

ムザレンド・ムトカンバリはニャルグスキャンプのの主任プログラムファシリテーターを務めています。このプログラムは男性住民と協力してジェンダーステレオタイプや有害な慣習を打ち破ろうとしています。

「私の妻は仕事を持っていて(ビジネスウーマンで?)、一日中マーケットで働いています」とムトカンバリは説明します。「妻がいない時は私が家のことや子供の世話をします。皆が家事を分担しているのです。二人で家族が体や心の健康を保てるよう協力しています」

今まで我々を冷笑していた人たちも、ダブルインカム、家事の軽減、子供たちの学校での成績の向上がどんなによいことか分かってきて、私にどうやって妻を助ければよいのかと助言や支援を求めに来ます。キャンプはそこで暮らす多くの女性達に新しい「出発」をもたらしてくれました。「挑戦しなくてはならないことは沢山あるけれど、ブルンディに帰る理由は何もない」とコロティリダ・ミナニは言っています。「自分と同じように苦しんできた女性に沢山あいました。我々は今新しい生き方を見つけたのです。ここにいるのは私の家族で、ここでは安心していられます」

UN Women News from 06/12 – 06/19/2017 より
翻訳:本田敏江(国連ウィメン日本協会理事)

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