ミチェル・バチェレ国連事務次長・UN Women事務局長の就任挨拶

  • 2010/10/11

ミチェル・バチェレ国連事務次長・UN Women事務局長の就任挨拶要旨

 2010年10月11日、第65回国連総会第三委員会に寄せて
  国連総会第三委員会において、UN Women初代事務局長としてここにご挨拶申し上げることは、私にとって大変名誉なことでございます。国連総長が、新たに設立されたジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機構を構築する特権と責務を私に託されたことに深い感謝の意を表します。国連総会が言葉を行動に移すためのビジョンと約束をなしたことを喜びたいと存じます。3週間前に開かれたミレニアム開発目標サミットでたびたび耳にした――ジェンダー平等と女性のエンパワーメントはそれ自身ですべての目標の中心となる目標である――という文言は、単なるお題目で終わってはならず、あらゆる国の女性、男性、男児、女児にとって生きた現実とならなければなりません。UN Womenの創設は、この国連総会が、より以上のことが求められていることを理解しているという明確なメッセージを送るものでした。
 UN Womenの設立によって、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントにとって重要な利点となりうる三つの変化がなされました。
 第一は、UN Womenのリーダーシップを事務次長に格上げしたことにより、ジェンダー平等には他の開発優先事項と同等の優先権が与えられなければならないという明確なメッセージを与えました。
 第二に、私たちは国連システムの中心的な信条である、よりすぐれた一貫性に向けて重要な一歩を踏み出したことです。私たちはいまや国連加盟国がジェンダー平等の推進に対する支援の活動面と規範的な側面との橋渡しをし、より一貫性のある国連システムの対応を確実にするための発言力を行使できる立場になったのです。
 そして第三に、UN Womenの設立によって、ジェンダー平等への財政投資は変化を求める私たちのビジョンに見合ったものにならなければならないことが認められたのです。数十年の間、ジェンダー平等に関する活動に対して最小限の資源しか与えられなかった事態を逆転させなければなりません。ジェンダーの視点から予算を検討してみますと、あらゆる分野で、女性のエンパワーメントとジェンダー平等のために使われた予算が6%以上となった例はこれまで滅多になかったのですから。より強力となったUN Womenは、ジェンダー平等への配慮に応えるために、より高額の投資と予算の約束を主張することができるでしょう。
                  中略
 今後の3か月間、私は以下の4件の任務に心を傾けたいと思います。
 第一は、UN Womenが2011年1月1日より活動を開始できるように必要なあらゆる努力を傾注し、新たなアイデンティティとビジョンをもつ、この新組織の基礎を築くことです。
 私はUN Womenの、本部と現場で働く全職員の方々とお会いし、共に仕事をすることを楽しみに待ちわびております。そして作業を進めるにあたり、最大のニーズがあるところに力を向け、加盟国のより高まる支援に応えられるように、現場でのUN Womenの能力強化にむけ、いち早く力を注ぎたいと思っています。
 UN Womenは加盟国を支援してジェンダー平等を高めるための国連システム全体の対応を強化することを約束しています。そのため、私の第二の優先課題は、国連システムの各機構との協議と協力を強化し、システム全体からのジェンダー平等支援がより一層の一貫性と深遠さ、影響力を達成し、一体となって真に約束を果たせる新たな時代を、どのように始めることができるかを決めることです。このことはどの国においても、どの部門においても重要なことです。
 第三の優先課題は、UN Womenの創設を熱心に提唱してくださった多くの関係者との関係を再構築することです。ハイチを恐ろしい大地震が襲ったあと訪れた私は、最も大きな影響を受けた女性たち、祖国の再建に何が必要かを常に知っていながらそうした決定をするテーブルにつけない女性たちの声に直接耳を傾けることがいかに重要であるかを悟りました。UN Womenの優先課題を決めるにあたり、世界中の国々の女性グループやネットワークの声を聞くのを楽しみにしています。すべての国や地域の女性がUN Womenに何を期待しているかを理解することが私にとって急務なのです。
 UN Women創設を導く提案の中で事務総長は、UN Womenのスタートアップ段階には5億ドルが必要だと述べておられます。2011年度にはこのチャレンジに応えたいと思っています。私の4番目の優先課題は加盟国に呼びかけ、この新しい資金を確保するための新たなパートナーシップを築いて、UN Womenがジェンダー平等と女性のエンパワーメントに必要な投資を得て、女性と女児に関する願望を実際の変化へとさせることです。
 加盟国の支援はUN Women がこうした優先課題を約束どおり果たすうえで欠かせません。国連総会がこうした提案を支援していただき、UN Womenが真の融合体として機能できるようになることを待ち望んでおります。
                中略
 最後に、ユニフェムの2009年度の活動に関する事務総長の年次報告が第三委員会に提示されています。その報告にありますように、ユニフェムは、力の限りをつくして98カ国における支援要請に応え、女性の権利を改善し、ジェンダー平等に向けたより高い説明責任のあるジェンダー対応予算を制度化し、国家レベルや地方レベルの選挙において女性を候補者として、また選挙民として支援する国を増やすなど、法律や政策面での支援を行いました。また同報告によりますと、最も疎外されている女性たち、つまりHIV陽性女性、家内労働者、先住民女性、農村の貧困女性、危機的状況下にある女性、性暴力や家庭内暴力の被害女性のための部局や声を集める制度の構築にも重点を置いていたことがわかります。また、国連のジェンダー平等に対する支援要求は、それに応える能力をはるかに超えていることも示されています。こうした点も、より強力で、有効なUN Womenの設立につながる点だったのではないかと思います。
 私は本日の皆様方との対話を待ちわび、今後もさらに対話を続けることを楽しみにしております。

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