【緊急支援】人道支援資金の削減が女性の権利を脅かす: 何が問題で、どう支援すべきなのか

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2025年5月26日

UN Womenの最新の調査で、人道危機の影響を受けている国々の女性の権利団体や女性主導団体の半数が、世界的な対外援助削減のために6ヶ月以内に閉鎖される可能性があり、最も困窮している女性たちや家族に壊滅的な影響を与えることがわかりました。

2025年5月13日付

UN Women カメルーン事務所は、カメルーンの3つの地域にある7つの難民キャンプで、弱い立場にある女性たちや、性暴力・ジェンダーに基づく暴力のサバイバーに対し、経済的・社会的なリハビリ支援を行っています。
2016年、カメルーン、ガド・バドゼール難民キャンプにて。 写真 UN Women/ Ryan Brown

UN Womenの最新の報告書により明らかになった悲惨な警告は、人道危機にさらされている地域の女性主導団体や女性の権利団体の半数が、資金削減のために半年以内に閉鎖される可能性があるというものです。これは、彼女たちの支援に頼っている何百万人もの女性と家族に壊滅的な結果をもたらすことになるでしょう。

UN Womenが実施した世界規模の調査では、危機的な影響を受けている44カ国の411の女性団体の90%が、海外援助の削減の影響を受けていると報告しています。60%以上がすでに支援サービスを縮小しており、緊急医療やジェンダーに基づく暴力の支援から経済支援やシェルターに至るまで、命を救う重要な支援が中断されています。

人道危機の中で、女性の権利問題への資金援助に何が起きているのか?

世界の人道支援システムは、大きな圧力にさらされています。2024年には、激化する紛争や災害に対応するためには447億9000万米ドルが必要でしたが、この目標の7%しか達成されていません。同時に、主要援助国政府が対外援助の大幅削減を発表している状況です。

人道支援システム全体が縮小を余儀なくされるなか、地元や国内の女性主導組織は、援助を届け、社会から疎外されたコミュニティに手を差し伸べるという最前線の役割を担っているにもかかわらず、最も大きな打撃を受けています。

ご存知でしたか?

2021年から2022年にかけて、世界全体で女性の権利団体が受け取った人道援助資金は、全体の1パーセント未満(1億4,200万米ドル)でした。

これらの団体の多くは、現在規模を縮小しつつある各国政府からの援助に大きく依存しています。 ミャンマーからパレスチナスーダンアフガニスタンまで、これらの団体は重要な支援サービスを提供し、人道支援を提供する上で不可欠な存在です。

パレスチナの女性と子どもたち向けの人道支援物資を確認するUN Womenチーム。UN Womenエジプト事務所は、エジプト赤新月社との協力のもと、ガザのパレスチナ人女性と子どもたちに切実に必要な人道支援物資を届けました。2024年1月エジプト、イスマイリア県。写真:UN Women/Menna Negeda

人道援助の削減は、なぜ女性と少女に最も打撃を与えるのか?

女性主導団体や女性の権利団体が縮小や閉鎖を余儀なくされると、危機に瀕した女性と少女は、必要不可欠で命を救う支援へのアクセスを失うことになります。

  • 調査対象団体の62%が、すでに支援サービスを縮小しています。
  • 危機的な環境下では、本来予防可能な妊娠・出産時の合併症によって、毎日500人以上の女性と少女が命を落としています。
  • 支援サービス削減の大半は、ジェンダーに基づく暴力に対処し、これを阻止するための支援に影響を及ぼしており(67%)、次いで医療と生計が影響を受けています。

女性の権利団体がなければ、ジェンダーに基づく暴力のサバイバーは安全な場所を失い、女性の健康と経済的安定はますます危険にさらされます。

最近の国レベルのデータは、このような資金の途絶がどれほど壊滅的なものであるかを示しています:

ご存知でしたか?

世界的に見て、対外援助削減の影響は、移民、難民、LGBTIQ+の人々、高齢の女性、障がいを持つ女性など、社会から最も疎外された人々にとって深刻です。こうした人々に特有のニーズは目に見えないこともあり、地元のフェミニスト団体だけが提供できる、権利に基づいたオーダーメイドの支援システムに依存していることが多いからです。

ジェンダー問題に対応した人道プログラムは、1ドルの投資に対して8ドルのリターンをもたらすというエビデンスがあります。しかし2024年には、ジェンダーに基づく暴力に対応した人道支援資金は、わずか1.3%に過ぎませんでした。

なぜ人道対応には女性の権利団体が不可欠なのか

女性団体は単なる支援サービスの提供者ではなく、信頼されるリーダーであり、支持者であり、

  • 文化的な情報に基づいた支援で、十分な支援サービスを受けていないコミュニティにまで手を差し伸べます
  • ジェンダーに基づく暴力のサバイバーに、安全な空間、心理社会的支援サービス、法的支援を提供しています
  • 人道的な計画と政策決定に女性の声が含まれるようにしています
  • 女性を経済的・社会的にエンパワーすることで、長期的な強じん性を築きます。

資金不足に陥ったり、閉鎖を余儀なくされたりすると、人道対応全体が効果的でなくなり、包括的でなくなり、最も困っている人々に対する責任も果たせなくなります。

2020年、UN Womenは国際NGO・オックスファムと共同で、3つの実施パートナー(Mukti Cox's Bazar、Bangladesh Nari Progati Sangha、Rohingya Women Welfare Society)と協力し、『Means to Lead:リーダーシップ、学習、生計を通してロヒンギャ難民とホストコミュニティの女性をエンパワーする』というプロジェクトを立ち上げました。このプロジェクトは、ロヒンギャ難民にスキルを身につけさせ、女性に対する暴力を減らし、自立したリーダーシップを生み出すことによって、ロヒンギャ難民に力を与えることを目的としています。2023年、バングラデシュ、コックスバザール。写真: Oxfam/Istiak Karim.

影響をもたらしましょう!

人道対応の最前線で活躍する女性を支援しましょう。

女性団体は、自分たちのコミュニティのリスクとニーズを熟知しています。彼女たちを支援すること、それは、あなたがより迅速で、より公平で、より効果的な人道支援の取組みを支えることを意味するのです。

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(原文)
Humanitarian funding cuts threaten women’s rights: What’s at stake and how to help | UN Women – Headquarters

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