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農山漁村女性たちの躍進―北京宣言30周年を機に強靭な未来を築く

農山漁村女性のための国際デー(10月15日)に寄せたUN Womenの声明

2025年10月13日付

今年の「農山漁村女性のための国際デー」を迎えるにあたり、私たちは、農山地域や漁村地域に住む女性と少女の平等、権利、エンパワーメントを推進するための大胆な行動を呼びかけます。彼女たちは日々、地域社会に食料を供給し、環境を守り、持続可能な開発を支えています。彼女たちへの投資は、正義の行為であると同時に私たちの共通の未来を守る手段でもあるのです。

何世代にもわたり、農山漁村地域の女性たちは変革のための集団的な運動を牽引してきました。コミュニティを動員し、政策に影響を与え、気候正義といった重要な課題を推進してきたのです。農山漁村地域が極度の貧困と食料不安によって最も深刻な打撃を受け、女性、若者、先住民族が最も大きな影響を受けている中でも、彼女たちのリーダーシップは地域の行動と世界レベルでの進歩の架け橋を築き続けています。今のままの傾向が続けば、2030年までに3億5100万人の女性と少女が依然として極度の貧困状態に置かれる見込みです

こうした課題がある中で、ルワンダのヴェレーヌ・ンタキルティマナさんの事例は、農山漁村地域の女性をエンパワーメントすることが、いかに具体的で持続的な変化をもたらすかを示しています。「農山漁村女性経済エンパワーメント共同プログラム」の支援を受けて、ヴェレーヌさんは自給自足の農業から、成功をおさめる小規模事業へと転身しました。彼女の成功は地域の意識を変えました。固定観念に挑戦し、意思決定の共有化を推進し、他の人々が彼女の例に倣うよう促すきっかけとなったのです。

今年のテーマ「農山漁村女性の躍進」は、賛辞であると同時に行動の呼びかけでもあります。北京宣言+30行動計画にも示されているとおり、彼女たちの生計、リーダーシップ、権利、そしてレジリエンス(強じん性)を推進することは極めて重要です。2026年の「女性農業従事者の国際年」や「農山漁村地域のすべての女性・青年・少女の権利のための米州10か年計画(2024-2034)」といった国際イニシアチブ、そして「Women to Kilimanjaro[i]」のような地域運動は、彼女たちの活動を可視化し、声を届け、権利を認めさせる強力な機会を提供します。

農山漁村女性が躍進すれば、畑は豊かに実り、家族は繁栄し、社会は変革を遂げます。それは、北京宣言と行動綱領、そして持続可能な開発目標(SDGs)のビジョンへと私たちを力強く導いていきます。

(原文)
https://www.unwomen.org/en/news-stories/statement/2025/10/statement-rural-women-rising-shaping-resilient-futures-with-beijing30


[i] 国連ウィメン日本協会注:「Women to Kilimanjaro」は、 2016年10月にキリマンジャロ山のふもとで行われた、アフリカの農村女性による象徴的な運動です。女性たちに対し、国家や大陸レベルの意思決定者と対話し、女性の土地と財産に関する権利について変革や説明責任を求める場を提供することを目的としています