【声明】UN Women、スーダン:エル・ファシールにおける女性と少女の緊急保護を要請
2025年10月31日付
UN Women(国連女性機関)は、エル・ファシールとその周辺地域における女性、少女、民間人に対する継続的な攻撃に対し深い憂慮を表明するとともに、最も強い言葉でこれを非難します。
500日以上にわたり、女性と少女たちは包囲、爆撃、意図的な飢餓に耐え続けています。報告によれば、約30万人の女性と少女(総数57万5,000人のうちの半数)が取り残され、家畜用飼料や葉っぱで生き延びながら、深刻な飢餓と不安に直面しています。
スーダン国軍と対立する準軍事組織「即応支援部隊」(RSF)によるエル・ファシール占領は、包囲だけでなく、大量虐殺行為へとエスカレートしており、殺害、レイプ、集団レイプ、性奴隷化、強制婚、女性や少女の拉致が横行しています。
スーダン医師会を含む現地医療ネットワークによれば、ここ数日で女性や少女を含む2,000人以上の民間人が殺害されたと報告されています。10月30日には、サウジ産科病院への攻撃で、安全と医療を求めて避難していた多くの女性を含む約500人の患者と付き添い者が殺害されたと報じられています。医療従事者への攻撃についても、信頼できる報告があります。
衛星画像や動画の証拠から、家屋が焼き払われ、遺体が冒涜され、集団埋葬地が存在していることがわかります。一方、通信の遮断が続いていて、状況の確認や人道的なアクセスを妨げているため、命を守るための支援がそれを必要とする女性や少女たちに届いていません。
数千人規模の女性と少女がタウィラ地域へ避難したと報告されており、同地域には現在30万人以上の女性と少女が国内避難民(国内避難民総数65万2千人の過半数)として滞在しています。これは北ダルフール州の国内避難民の約40%に相当し、深刻な食料・住居・医療の不足が続いています。
UN Womenは、すべての当事者と国際社会に対し、直ちに以下の行動を取るよう呼びかけます。
- エル・ファシールにおける女性・少女・民間人に対するあらゆる暴力と攻撃を即時に停止し、彼女たちの保護を確保すること
- 戦闘に巻き込まれた人々に命を守るための支援を届けるため、妨げのない、安全で継続的な人道アクセスを保証すること
- 暴力から逃れようとする女性と少女に対し、十分な保護と安全な通行を確保すること
- 国際人道法および人権法に基づき、女性や少女が経験した残虐な性暴力を含む全ての残虐行為に対する責任追及を確保すること
- 深刻な資金不足に陥っている人道支援アピールおよび女性主導組織への資金拠出を拡大し、それが必要な女性と少女に命を守るための支援が届くようにすること
女性はこの戦争の被害者であるだけでなく、平和・レジリエンス(強じん性)・復興の担い手でもあります。平和と尊厳をダルフールおよびスーダン全土にもたらすため、あらゆる人道支援・平和構築・復興努力の中心に、女性のリーダーシップと声を据えなければなりません。
UN Womenは、国際社会に対し、暴力の停止、民間人の保護、スーダンの全ての女性と少女の権利と尊厳の擁護のために、緊急かつ結束した行動をとるよう強く求めます。
編集者向け注記:
スーダンにおける女性と少女の状況に関する情報は、こちらの特集ページをご覧ください。
また、UN Womenに関する詳細は、メディアチーム( media.team@unwomen.org )までお問い合わせください。
