【15のストーリーNo.12】第12話は男性が主人公!FGM根絶の闘いは女性だけのものではない

昨年(2025年)7月に、UN Womenは設立から15周年を迎えました。この節目を記念して、世界の女性たちのリアルな声と行動を伝える15のストーリーをお届けしています。女性たちの底知れない強さと希望の物語は、この時代を共に生きる私たちにもインスピレーションを与えます。
第12話は男性が主人公!
FGM根絶の闘いは女性だけのものではない
FGM(女性器切除)は多くの国で違法です。でも伝統的な価値観が根強い地域社会では、法律があっても密かにFGMが続けられていることが珍しくありません。第12話はレジリエントな女性たちと協働する男性が主人公です。
ジェンダー平等と女性のエンパワーメントは、女性が男性から勝ち取るものではなく、どちらにとっても生きやすい社会を実現するために、一緒に協力して目指していくもの。第11話でキャサリンが、「男性がFGMの実態を知り、それが取り返しのつかないことだと理解すると態度が変わります。中にはFGM撤廃の擁護者となる人が現れ、声を上げて迷信を否定するようになります」と語っていました。
今回のお話はその続きです。
(第11話 キャサリンのストーリーはこちらから)
男性の理解と関与が不可欠
◇ トニー・ムウェビアさん|ケニア・「Men End FGM基金」代表

「結婚しないと女性が生きていけない社会では、FGMを拒否するという選択肢は存在しない。つまり、FGMを受けるのは同意ではなく強制だ。」
男性の中にも、FGM根絶の闘いは女性だけのものではなく、男性の理解と関与が不可欠だと指摘する人がいます。2013年にオンラインでキャンペーンを始めたトニー・ムウェビアさんです。このキャンペーンは、FGM、児童婚、ジェンダーに基づく暴力を終わらせる運動に男性と少年も関わろうと呼びかけるものです。政府機関、活動家、市民社会組織への働きかけにより世界的な取り組みへと発展し、2019年には基金として登録されました。
トニーは、男性たちが結婚に求めているものに向き合わなければ、この慣習を理解することも解体することもできないと言います。多くの地域社会がFGMを受けていることを結婚の条件としている以上、少女や女性がそれを拒否することは、社会的、経済的な排除を意味するからです。
「男性は傍観者ではなく、結婚の当事者。新婦の家族に渡す持参金を交渉するのも、結婚相手の許容範囲を決めるのも男性です。男性が女性に切除を期待し続ける限り、たとえ違法であっても続くでしょう。若い男性はFGMを支持しないと口では言うんです。でも、結婚となると家族の圧力に沈黙する。なぜなら父親はFGMを受けていない花嫁になんて牛はやれん、と拒むし、長老たちは伝統を主張するから。そして、沈黙すれば家族の言うことに従ったことになってしまうんです。」
実際、ケニアではFGM禁止法が10年以上前から施行されていますが、特に社会的な圧力の高い地域では徹底されていません。「社会的な動機が残っている限り、家族は法律を回避する手段を見つけることでしょう。少女に服従を強いて、密かにFGMを受けさせたり、国境を越えて他国で受けさせたりするでしょう。」
「Men End FGM」FGMに終止符を打てるのは男性

FGMに終止符を打てるかどうかは男性の態度にかかっています。女性が受け入れられ、尊重され、結婚するためには切除されなければならないという伝統的な「信念」。男性たちがこれをきっぱりと拒否することは、男性個人の決断を越えて社会全体の期待に変化をもたらします。トニーは信じています。それこそが少女たちが罰を恐れずに「NO」と言える空間を創り出すのだ、と。
出典:
https://www.unwomen.org/en/news-stories/feature-story/2026/01/what-it-is-like-to-survive-female-genital-mutilation-fgm
https://menendfgm.org/
