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あらゆる状況における正義の実現: CSW70のイベントが、紛争下における女性の司法へのアクセスをテーマに開催

UNDPとUN Womenによるジェンダー正義プラットフォームなど、司法ギャップを埋める国際協力への注目を促すハイレベル・イベント

2026年3月13日付

第70回国連女性の地位委員会(CSW70)で、特に不安定な状況や紛争の影響を受けている状況にある女性の司法へのアクセスを推進し、ジェンダーに配慮した司法制度の強化に向けた具体的な行動を明らかにするためのハイレベルイベントが開催され、世界の意思決定者やリーダーが一堂に会しました。

国連開発計画(UNDP)とUN Women(国連女性機関)がブラジル、オランダ、ウクライナの政府と共同で主催した「女性の司法へのアクセス推進:不安定な状況にある人をはじめとしたすべての人に届く司法制度の構築」と題したこのイベントでは、UNDP-UN Womenジェンダー正義プラットフォームを通じた取り組みを含め、司法ギャップを埋めるための国際協力に焦点が当てられました。 

左から:アレクサンダー・ドゥ=クロー UNDP総裁、シマ・バフースUN Women事務局長、オランダのピーター・デレク・ホフ女性の権利・ジェンダー平等担当大使。2026年3月11日。  写真: UN Women/ラディカ・チャラサニ

女性と少女を中心に

「司法の改革は女性と少女、そしてそのニーズや優先事項から始めなくてはなりません」とシマ・バフースUN Women事務局長は語りました。「つまり、身分証明書の再発行、土地の権利や子どもの安全の保護、女性が安心して発言でき、権利が守られる場の創出といったことからです」。

バフース事務局長はまた、UN Womenの新しい出版物『移行期正義における法改革を通じたジェンダー平等の推進』を紹介し、法の改正は「女性運動、政治的意思、持続的な資金提供が一体となり、改革の結果本当に女性が守られるようになって初めて実を結ぶ」と付け加えました。「女性は正義を要求しているだけではなく、自分たちで作り出しているのです」。

司法ギャップを埋める: UNDP-UN Womenジェンダー正義プラットフォーム

紛争の影響を受けている状況下での司法ギャップは深刻です。女性の60%以上が法的ニーズが満たされていないと回答しています。現在、過去最多の6億7,600万人を超える女性が紛争地の50 km圏内で暮らし、命の危機にさらされています。

アレクサンダー・ドゥ=クローUNDP総裁とシマ・バフースUN Women事務局長。2026年3月11日。  写真: UN Women/ラディカ・チャラサニ

アレクサンダー・ドゥ=クローUNDP総裁は、このギャップを埋めることが急務であると主張しました。「司法は先送りできません」。紛争下で危機に瀕した状況において、「あまりにも頻繁に、女性のための司法は後回しにされています。安全になってから、安定してから、復興してからというように。しかし、司法の後回しは安定をもたらしません。不平等を固定化し、不処罰を助長させます」。

UN WomenとUNDP は、この司法ギャップについて共に取り組んでいます。2024年、UNDP-UN Womenジェンダー正義プラットフォーム は、公式、非公式の手段を用いて、司法サービスへのアクセスにおいて79,477人の女性と少女を支援しました。そのうち76,423人が巡回裁判所、法律相談所、その他の革新的なアプローチを通して法的な情報と知識を得ました。このプラットフォームは現在、40カ国以上で司法改革や治安改革を支援しています。

オランダのピーター・デレク・ホフ女性の権利・ジェンダー平等担当大使。2026年3月11日。  写真: UN Women/ラディカ・チャラサニ

ともに取り組み、勢いを持続する

オランダのピーター・デレク・ホフ女性の権利・ジェンダー平等担当大使は、司法制度が「直接的に、また具体的に目に見える形で女性のニーズや要求に応えるサービスを届ける」ことを求めました。そして、「女性の司法ニーズを改革の中心に据えるパートナーを支援する」というオランダの決意を改めて語りました。

ブラジルのマルシア・ロペス女性省大臣は、ブラジルで女性の司法へのアクセスを向上させた経験を語りました。「司法は女性と共に構築する必要があります。サバイバーやフェミニスト団体、コミュニティの声に耳を傾けながら」。

このイベントで進行役を務めたラケル・ラグナスUNDPジェンダー平等部門ディレクターは、力強い言葉で語り始めました。「沈黙をやめるところから司法は始まります」。

沈黙をやめるところから司法は始まります。
女性の声が法や制度を変えるとき、司法はただ実現するだけにとどまらず、変革をもたらす力を持ちます。

UNDPジェンダー平等部門ディレクター 
ラケル・ラグナス氏

ラグナス氏が各パネリストに質問を投げかけ、司法改革への革新的なアプローチに関する議論が続きました。

ウクライナのジェンダー平等政策担当委員であるカテリーナ・レフチェンコ氏は、2022年の全面侵攻後、ウクライナ政府が司法制度への信頼を強化し、回復するためにどのように取り組んだかを説明しました。国際刑事裁判所に関するローマ規定と女性に対する暴力に関するイスタンブール条約の批准、そして紛争関連の性暴力に関する国連との協力枠組みへの調印などです。さらに、こうした対策は「司法の実現のためだけでなく、社会の結束と民主的正統性のためにも」重要だったと振り返りました。

ウクライナのジェンダー平等政策担当委員、カテリーナ・レフチェンコ氏。2026年3月11日。写真: UNDP/フアド・フエズ

アムリタ・カプール婦人国際平和自由連盟(WILPF)事務局長は、フェミニストによる平和構築の重要性を強調しました。「フェミニスト運動には持続的な支援が必要です。女性が最前線に立っています。変革のための力が最も切実に必要なところなのに、最も支援が足りていません」。

世界銀行グループの女性・ビジネス・法律担当マネジャーであるティー・トランビック氏は、司法ギャップの構造的な側面を指摘しました。「世界的に見て、女性が享受している法的権利は男性の3分の2以下です。女性に平等な権利を保障する法律がある国でさえ、その実施に必要な政策は約半分しか導入されていません」。そして、不安定で紛争の影響を受けている国では、司法ギャップはさらに大きくなると指摘し、「女性は法律上での権利が少なく、その権利を支える制度も乏しく、権利を行使する能力も限られています」と述べました。「圧力の下でも「圧力の下でも女性の権利が守られるようにするためには、法改革だけでなく、制度、執行、そして司法へのアクセスにも投資しなければなりません。」女性の権利が守られるために、私たちは法的な改革だけでなく、法の制定、施行、司法へのアクセスにも投資をしなくてはなりません」。

明確なメッセージ

「ジェンダー司法ギャップは制度的な危機です。特に女性に不均衡な形で影響を与えていますが、その影響は世界中、つまり社会全体に及んでいます」とミシェル・ムシェット国連事務次長補、UNDP総裁補兼ラテンアメリカ・カリブ地域局長は述べました。

「しかし、(前向きな)変革はすでに起こっています」とムシェット氏は閉会の辞で付け加えました。「紛争の影響を受けている地域や国に特に配慮しながら、効果を上げている取り組みを拡大していく必要があります。これらすべての改革の中心に人々を据え、ジェンダーに配慮した視点を持って改革を進めるのです。そして、女性のリーダーシップを支援する必要があります。ここでは、ただ女性と少女の司法へのアクセスについてだけでなく、公的な場への女性の参加自体がどれだけ変革をもたらしうるかについて議論しているのですから」。

「ジェンダー平等は単なる目標にとどまらず、あらゆる場面での発展を確実に加速させる力です」とムシェット氏は締めくくりました。

このイベントのメッセージは明確でした。女性たちは正義が与えられるのを待っているのではありません、自分たちで築き上げているのです。今の課題は、彼女たちの歩みに応えられるよう、制度、資源、政治的な意思を整備することです。

原文:https://www.unwomen.org/en/news-stories/news/2026/03/advancing-justice-in-every-context-csw70

(翻訳者:早乙女由紀)

※ 翻訳者の方々が、ボランティアでUN Womenの記事を翻訳してくださっています。
 長年のご協力に感謝申し上げます。