第64回国連女性の地位委員会(CSW64)の会期終了、次年度CSWの優先テーマを発表

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2020年7月23日

2020年7月14日

2020年7月14日、ニューヨーク―の国連本部において、第64回国連女性の地位委員会(CSW64)の会期が終了しました。CSWは、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントに関する国連最大規模の年次会合です。CSW64は、次年度(CSW65)の優先テーマを、女性の公的領域における完全かつ効果的な参加と意思決定及び暴力根絶とすることを公表しました。新型コロナ感染症(COVID-19)のパンデミックに鑑み、CSW64では、例年のような2週間わたって何千人もが参加する会合の規模が縮小され、ニューヨーク常駐の各国代表団及び市民社会代表者のみが参加する会合が3月9日に開催され、その後はオンラインで執り行われました。

2020年は、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントを達成するうえで画期的な年にあたります。1995年に北京で開催された第4回世界女性会議から25周年にあたり、3月9日には世界のリーダーが政治宣言[1]を採択し、北京宣言と行動綱領の完全な実現に向けて取り組みを強化することを約束しました。北京宣言と行動綱領は、現在にいたるまで、女性の権利達成のために最も明確なビジョンのある指針だと考えられています。政治宣言の採択は、CSW64の最大の成果です。

CSW64のもう一つの重要な成果は、加盟国がCSWの多年度行動計画に合意し、2021~2024年にかけて取り組む優先テーマとレビューテーマが決定したことです(なお、優先テーマのリストは本文最後に掲載)。

CSW64の議長を務めたメール・マルガルヤンアルメニア大使は、多年度行動計画に合意することは「今回のCSWの重要な役割だった」と述べています。この行動計画は、CSWが2021~2024年に取り組む優先テーマとレビューテーマを提示しています。また行動計画は、「CSWがジェンダー平等、女性・少女のエンパワーメント、人権の享受を実現するグローバルな政策決定機構として主導的な役割を果たすための枠組みを提示しています。このようなテーマによって、CSWはグローバルな規準的枠組みを強化・前進させ、政府や他のステークホルダーがジェンダー平等の格差を縮め、ジェンダー平等に次々と立ちはだかる新しい課題に対応していくのを支援していけるのです」、と議長は付け加えました。この計画に従ってアクションをとることで政府、ステークホルダー、事務局としてのUN Women、その他関係者は、これから革新的で前向きなCSWでの協議を準備・実施していくことができます。

議長は、閉会の辞のなかで、各国政府が政治宣言にもとづき、北京宣言と行動綱領の完全、効果的かつ迅速な実現にコミットし、ジェンダー平等、女性・少女のエンパワーメント、人権の完全な享受に向けて、相互に協力しあいながら努力を強化していくことを強調しました。さらに、世界のリーダー達が、北京行動綱領とその12の重大領域の実現の過程で、新たに現れてきたチャレンジについても認識していることを強調し、「北京宣言と行動綱領を完全に効果的に、かつ迅速に実現するために、我々はさらに必要なアクションを取ることを誓約します」と述べました。

閉会式には、プムズィレ・ムランボ=ヌクカUN Women事務局長が出席し、ジェンダー平等やすべての女性・少女の人権推進のために、パンデミックという特殊な状況により、多国間主義がいかに重要であるかが浮き彫りにされたことを強調しました。また、今年が国連誕生75周年にあたることに言及し、「国連憲章で約束された『男女の平等な権利』は、グローバルコミュニティーの主要なゴールであり続けています」と述べました。COVID-19パンデミックによって、これから何をしていかなくてはいけないかがはっきり見えてきました。「このようなチャレンジによって、ジェンダー平等と女性のエンパワーメント達成という我々の仕事に新しい局面が加わりました。だからこそ、我々がより良い社会の復興(BBB)[2]を目指すことが重要で、以前にもまして、採択された多年度行動計画の実現が大切になってきています」と述べました。

CSW64で、グテーレス国連事務総長は、グローバルなデータと分析に裏打ちされ、女性の権利についての広範で参加型、かつ実地調査に基づいた包括的な報告書(E/CN.6/2020/3)を提出しました。CSW64に向けて、171ヵ国の加盟国は国別レビュー報告書を提出し、さらに何百にも及ぶ市民団体も国および地域のレビュー報告書の作成に貢献しました。国連事務総長の報告書に基づいて、UN Womenは「北京報告書25年後の女性の権利レビュー」(Women’s rights in Review 25 Years After Beijing Report)を刊行し、1995年の北京宣言および行動綱領採択後の女性の権利の進展とそれを阻む障害を検証しました。

CSW64の閉会式に続き、CSW65会期が開始され、CSW65会合の開催、議長団選出(Election of Bureau)の協議がおこなわれました。その結果、メール・マルガルヤンアルメニア大使が引き続き議長に選出され、アルジェリアのアフレム・チャリキ氏、オーストラリアのジョー・フェルドマン氏、韓国のナ・サン・ドゥク氏が副議長に選出されました。ラテンアメリカ・カリブ海地域の副議長に関しては、後日選出される予定です。「準備を進めていく上で、COVID-19パンデミックの刻々と変化する状況及びその政府間プロセスに及ぼす影響を注視して計画を進めていかなくてはなりません。皆様のご協力をよろしくお願いいたします」と議長は強調しました。

2021-2024年の優先テーマ(仮訳)

CSW65(2021年)

  • ジェンダー平等とすべての女性・少女のエンパワーメント達成のための女性の公的領域における完全かつ効果的な参加と意思決定及び暴力根絶

CSW66(2022年)

  • 気候変動および環境・災害リスク削減に関する政策・プログラムにおけるジェンダー平等とすべての女性・少女のエンパワーメント達成

CSW67(2023年)

  • ジェンダー平等とすべての女性・少女のエンパワーメント達成のためのデジタル時代における革新、技術変革及び教育

CSW68(2024年)

  • ジェンダー視点に立った貧困対策、制度及び財政強化に取り組み、ジェンダー平等とすべての女性・少女のエンパワーメント達成を加速

[1] 政治宣言: 第4回世界女性会議25周年に関わる政治宣言:Political Declaration on the occasion of the twenty-fifth anniversary of the Fourth World Conference on Women(E/CN.6/2020/L.1)

[2] BBB: Build Back Better

カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会

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