政治における女性参画 新たなデータが示す成長と後退

2021年4月3日

2021年3月10日|ジュネーヴ|ニューヨーク

政治的権力の最高レベルのポストを占める女性の数が増加しているにもかかわらず、 根強く男女不平等が続いていることが、IPU(列国議会同盟)とUN Womenによる女性の政治参画マップの2021年版で明らかになりました。

このマップは、2021年1月1日現在、政府や議会の役職に就いている女性についての新しいデータを示しています。今回のデータでは、女性の国家元首と政府の長の両方もしくは一方がいる国の数と、世界の女性閣僚の割合が過去最高となりました。

しかし昨年、女性の閣僚の割合が21.3%と急増した後は増加傾向が鈍化し、2021年には21.9%と微増にとどまりました。また、女性閣僚がいない国の数が、ここ数年の減少傾向に反して昨年は増加していることも明らかになりました。

また、先週発表されたIPUの議会における女性に関する年次報告書に示されているように、2021年の女性議員の世界的な増加率にも伸び悩みが見られました。2021年1月1日現在、世界全体の女性国会議員の割合は25.5%で、前年の24.9%からわずかな増加にとどまりました。

プムズィレ・ムランボ=ヌクカUN Women事務局長は次のように述べています。「女性の参画なくして国の繁栄はありません。私たちは、すべての女性と少女の多様性と能力、そして文化的、社会的、経済的、政治的状況を反映した女性の代表が必要です。今年のマップを見ると、意思決定の中枢に完全なパートナーとして女性が多数参加するには、世界中で大胆かつ断固とした行動が必要であることがわかります。これは間違いなく可能であり、かつ実現すべきことです。しかも、今すぐに」。

マーティン・チュンゴンIPU事務総長は「今年の政治的意思決定における女性の数の増加は不十分です。特に、このパンデミック時の医療・介護・サービス従事者の70%が女性であることを考えると、なおさらです。男性も女性も全員が、政治における女性の割合を増やすよう働きかけ続けることが必要です。そのための手段はあります。必要なのは政治的意思です」と述べています。

今回のデータは、男女共同参画に関する国連最大の会合である「女性の地位委員会」に先立って発表されたもので、今年の委員会の優先テーマは「ジェンダー平等とすべての女性・少女のエンパワーメント達成のための女性の公的領域における完全かつ効果的な参加と意思決定及び暴力根絶」です。また、平等を目指す全ての世代フォーラムの開催も控えており、フォーラムでは「リーダーシップとフェミニスト運動」をはじめとする6つのテーマで、マルチステークホルダーに「行動連合」をアピールすることになっています。

女性の国家元首・政府の長の増加

新しいデータによると、国家元首・政府の長が女性である国の数は、2020年の20から22に増えました。2021年1月1日現在、選挙で選ばれた国家元首の5.9%(152人中9人)、政府の長の6.7%(193人中13人)が女性です。

ヨーロッパは女性がリーダーを務める国が最も多い地域で、9人の元首のうち5人、13人の政府の長のうち7人が女性です。デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェーの北欧諸国は、現在すべて女性がリーダーを務めています。

ジェンダーバランス政府の減少

閣僚の50%以上を女性が占める国は、2020年の14カ国から2021年には13カ国に減少しました。

女性閣僚が50%以上の国

ニカラグア – 58.82%
オーストリア – 57.14%
スウェーデン – 57.14%
ベルギー – 57.14%
アルバニア – 56.25%
ルワンダ – 54.84%
コスタリカ – 52.00%
カナダ – 51.43%
アンドラ、フィンランド、フランス、ギニアビサウ、スペイン – 50.00%

すべての地域で女性閣僚が増加

男女共同参画の推進、特に閣僚の任命においては政治的な意思が重要な役割を果たします。その結果、2021年の女性閣僚の割合が劇的に増加した国もあります。 

ヨーロッパでは、2021年に女性閣僚の数が最も大きく上昇した国が2つあります。リトアニアでは女性閣僚の割合が8%から43%になり、ベルギーでは25%から57%と2倍以上になりました。

サハラ以南のアフリカでは、ナミビアが最大の躍進を遂げ、女性閣僚の割合が全体の15%から39%に増加しました。ルワンダは、女性閣僚の割合が54.8%と最も高く、女性国会議員の割合でも再び世界のトップに立つなど、依然として地域をリードしています。

アメリカ大陸では、米国の新政権が、同国の歴史上最もジェンダーバランスのとれた政権になろうとしています。女性閣僚の割合は、2020年の17%から2021年には46%に上昇しました。しかし、世界的に見ても地域的に見ても明らかにリードしているのはニカラグアで、女性閣僚の割合は58.82%に達しています。

アジアでは、モンゴルが、2020年に6.7%だった女性閣僚の割合を2021年には18.8%にまで高めており、この地域で最大の増加率を示しています。

中東・北アフリカ地域では、レバノンの女性閣僚の割合が31.6%と最も多くなっています。チュニジアは2020年の6.9%から29.2%へと増加し、最大の増加幅となりました。

太平洋地域では、キリバスで女性大臣が1名誕生し、議会では初めて女性議長が選出されました。

女性大臣の割合が最も高いのは依然ニュージーランドで、前年比10%増の40%です。

女性閣僚がいない国の数が増加

すべての地域で全体的に増加したものの、2021年に女性閣僚がいない国の数は、2020年の9カ国から12カ国に増加しました。

2021年1月1日現在、アゼルバイジャン、アルメニア、ブルネイ・ダルサラーム国、朝鮮民主主義人民共和国、パプアニューギニア、セントビンセント・グレナディーン国、サウジアラビア、タイ、ツバル、バヌアツ、ベトナム、イエメンには女性の閣僚がいません。

最も女性が多いのは環境大臣

女性が就く大臣職としては、環境またはエネルギー分野が2020年の3位から2021年にはトップに躍り出ました。

とはいえ、社会問題、女性問題、男女共同参画を担当する大臣職では、引き続き女性が多くを占めています。

一方で、従来男性が占めてきた大臣職でも、女性の割合は2020年に比べて2021年にはわずかに増加しています。例えば、国防・防衛大臣職では女性の割合が10.1%から11.9%に、財務大臣職では11.5%から13.6%に増えています。

また、女性の外務大臣の割合も16.8%から26%に上昇し、昨年から大幅な増加となりました。

(翻訳者:古賀朋子)

カテゴリ: ニュース

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