*世界難民の日* 難民とともにより安全で活気に満ちた世界を築く

2021年7月16日

2021/6/17

6月20日は世界難民の日です。今年のテーマは、「ともに癒やし、学び、輝く」というインクルージョンの力です。

2秒に1人が、危機から逃れるために家を捨てざるを得ない状況にあります。この10年間で少なくとも1億人が故郷を離れることを余儀なくされ、自国外あるいは国外で難民となりました。2019年末時点で、故郷を追われた人の数は世界で7,950万人になりました。

今年の世界難民の日は、世界的な危機と社会の変化を背景に展開されます。新型コロナウイルス感染症拡大により、ほぼすべての場所で命や生活がおびやかされているからです。感染拡大は難民の約半数を占める女性と少女の脆弱性を悪化させています。女性と少女が直面するジェンダーに基づく暴力、虐待、搾取のリスクが高まり、司法、保健、その他のサービスの利用が困難になっています。

このようなジェンダー平等における重大な格差が、6月30日から7月2日にパリで行われる「平等を目指す全ての世代のためのフォーラム」の大きな原動力です。このフォーラムでは、ジェンダーに基づく暴力から、女性と少女が取り残されている領域である気候変動、テクノロジー、保健、経済システムまで、すべての女性と少女にとって重要な分野について行動を加速する計画と、触媒的な一連の行動連合が発表されます。

世界難民の日にあたり、多くの困難の中にあっても、より強く安全で活気のある世界を築くために日々奮闘する難民と故郷を追われた人々の声を紹介します。

「平等を目指す全ての世代」は今日から#withrefugeesでアクセスできます。

ヨルダンにおける女性、若者、障害を抱える人々の支援活動

自身のストーリーを話して、ヨルダンの女性、若者、障害を持つ人々に自分たちの権利のために立ち上がろうと呼びかけるイブティサム・サイード・アメッドさん(40歳)。写真:UN Women/ ローレン・ルーニー

「2012年、シリアのダルアにあった自宅に爆弾が落ち、このたった1つの爆弾で私の人生はすっかり変わってしまいました」と、イブティサム・サイード・アメッドさん(40歳)は話します。「一時の痛みが何年にも及ぶ痛みになりました。もう一度歩き方から学ばなければなりませんでした。片手しかないことに慣れ、自分を支えて、最終的には生き方を学びなおさなければなりませんでした」。

アメッドさんは姉と一緒にヨルダンに避難しましたが、避難する人々でごった返す中、国境で離ればなれになりました。姉はダルアに戻ったのですが、その数日後に殺されてしまいました。

アメッドさんは話します。「私は世界の中でひとりぼっちになってしまいました」。

「すべての困難を克服するのは大変でした。移動が制限されたことだけではありません。女性であること、キャンプの中で一人ぼっちであること、支援がないことなどが一層状況をむずかしくしました。それでも、私は乗り越えました!一日一日、新たな一歩を踏み出し、辛抱強くがんばるのだと自分に言い聞かせました」。

アメッドさんはUN Womenオアシスセンターで補助教員、教員、ピアファシリテーターとして仕事に就き、経済的に自立し、医療費を支払うための貯金もできるようになりました。現在は、女性、若者、障害を持つ人々が自分たちの権利を求めて立ち上がり、教育を受けることができるように積極的に取り組んでいます。

「自分自身に力をつけることが、目の前に立ちふさがるいかなる壁をも打ち破る鍵になります。私自身も自分に力をつけることで、他の人にも力を与えることができるのだという自信を持ちました」と彼女は語りました。

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バングラデシュで少女に読み書きを教える

リマ・スルタナ・リムさん。写真:UN Women/マフムドゥル・カリム

「周囲を見渡すと、ロヒンギャ族の女性と少女は男性よりも劣っているとして扱われ、男性と同じ権利と機会が与えられていません」と、世界最大の難民キャンプの一つであるバングラデシュのコックスバザールで平和活動をするリマ・スルタナ・リムさん(18歳)は話します。

「ロヒンギャの少女と女性がキャンプで直面している問題のすべてが、今年は新型コロナウイルス感染症拡大とともに非常に悪化しています。多くの少女が学校に通えていません…。キャンプでの児童婚が増加したため、私は児童婚が少女にどれだけ有害であるかを認識してもらうためのキャンペーンを始めました」。

リムさんが女性の権利について活動し始めると、リムさんの家族の中には反対する人もいました。宗教の教えに反している、不適切な行いだと言うのです。それでも、リムさんの決意は変わりませんでした。

「ロヒンギャの女性と少女の多くは読み書きができないため、自分たちの権利について十分に理解できません」とリムさんは話します。「教育がなければ、経済的な力を得ることがむずかしく、それは自分の未来を自分でコントロールできないことを意味します。少女に読み書きを教えることは、私が変化を起こすことができる最良の方法の一つです」。

「私は、とても前向きで強い気持ちを持っています。この仕事が好きですし、自分自身についても大きな計画があります」とリムさんは言います。「いつか、私はバングラデシュの総理大臣になるかもしれません。成れないわけはないでしょう。私は、すべての女性と少女が、自分たちの持つ権利を理解し、平等に幸せで安全に暮らせるようになるまで活動を辞めません」。

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ルクセンブルクに住む難民を変えるスポーツの力

エチオピアの元難民でマラソンランナーのヨナス・キンディさん。ルクセンブルク市ハム地区の森林にて。写真:UNHCR/コリン・デルフォス

昨年、新型コロナウイルス感染症が拡大し始めてから、ヨナス・キンディさんにとって、国際大会での歓声は、ルクセンブルクの自宅近くの森を早朝に走る際の自然の音に変わりました。

史上初の難民オリンピックチームの一員としてリオ・デ・ジャネイロオリンピック大会に出場してから5年、キンディさんは現在、新型コロナウイルス用ワクチンを配布している病院の薬局で働きながら医薬品輸送の資格取得を目指して勉強するかたわら、トレーニングの時間もなんとか確保しています。「このような困難な時に貢献できること、新型コロナウイルス感染症の患者さんのために役に立てることを嬉しく思います」とキンディさんは話します。

新型コロナウイルス感染症が拡大する中で、キンディさんのような難民の医師、看護師、薬剤師は、ウイルスの拡散を抑え、患者の治療にあたり、人々にワクチンの接種を行うなど最前線で働いています。そんな中でも、キンディさんの長距離走への情熱は今も変わらず、トレーニングをしない日はほとんどありません。

世界難民の日に、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、避難を余儀なくされている人々を保健、教育、スポーツに取り込むよう地域社会や政府に呼びかけています。難民にスポーツへの参加の機会を作ることで難民が自信を持ち、新しいコミュニティから歓迎され、受け入れられていると感じるようになります。

「スポーツのおかげで、私は人生においてたくさんの大切な人々に出会いました。スポーツのおかげで、ルクセンブルクだけでなく世界中に家族ができました」と彼は話しました。

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ウガンダで新型コロナウイルス感染症予防の最前線で働く

新型コロナウイルス感染症拡大防止の一環として衛生用品を受け取るウガンダのニュマジ難民キャンプの女性平和仲裁者たち。写真:UN Women/アイダ・ナニョンジョ

ウガンダのユンベ県にあるビディ・ビディ難民キャンプでは、午前9時には、すでに朝の日差しで暑くなります。女性たちが水を汲むために掘った穴の周りに集まり始めます。夕方にはまた、同じ作業が待っています。

ジョイス・マカさん(40歳)は、もっと多くの女性が水汲み場に来るのを待っています。3人の子供の母親であるマカさん自身も難民です。反乱軍に夫を殺害された後、2018年に南スーダンから来ました。難民キャンプにいる12人の平和仲裁者の1人であるマカさんは、この水汲み場で、新型コロナウイルス感染症の予防と安全対策について意識を高める活動をしています。

「少なくともお互い2メートルの距離を保つように、またポンプで水を汲み上げる前後に手を洗うようにと声掛けしています」とマカさんが説明します。

ウガンダで新型コロナウイルス感染症の感染者が増加すると、地域のもめ事や問題を解決する女性平和仲裁者は、南スーダンとコンゴ民主共和国の国境にあるユンベ県とアジュマニ県の難民キャンプで感染拡大を抑える活動に加わりました。

彼女たちは通りで人々に会うと、各家庭に手洗い場があるか、調理器具を保管する清潔な棚があるか、トイレを利用できるかどうかなどを1人1人に確認します。

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トルコで団結の模範を示す

新型コロナウイルス感染症拡大前から継続してガジアンテップのトルコ人女性とシリア人女性の支援を行うシリア人リーダーのナジマット・アルサバ・ムスタファさん。写真:KEDV(the Foundation for the Support of Women's Work:女性労働支援財団)

ナジマット・アルサバ・ムスタファさんは、トルコのガジアンテップでシリア人コミュニティのリーダーを務めています。UN Womenと女性労働支援財団(KEDV)が共同で運営する「ホームツーホーム連帯プログラム」に参加してリーダーシップスキルを学び、現在は弱い立場にあるトルコ人とシリア人女性が保健、法的援助、心理社会的支援、生活支援が受けられるように活動しています。

2019年12月から2020年4月にかけて、ムスタファさんは仲間と一緒に764人のシリア人女性とトルコ人女性を訪ねました。ところが、新型コロナウイルス感染症予防対策により家庭を訪問するのが困難になったので、コミュニティリーダーたちは弱い立場にある女性に電話で連絡をとり、必要に応じて支援を行うようになりました。

「電話の話から、この新型コロナウイルス感染症流行の間、シリア人女性の家事が今までの2倍になったことがわかりました」とムスタファさんは話します。

「特に65歳以上の女性と話しています。この状況によってどれだけ心理的な影響を受けているかを話してくれます。連帯グループを通して互いに助け合っています。自分たちのニーズや問題について話し合い、一緒に解決策を見つけようとしています。また、家族で家事を分担する方法について、自分たちの経験やアイデアを話すこともあります」と付け加えます。

ムスタファさんは次のように続けます。「女性である私たちは、地域の中で新型コロナウイルス感染症による影響を最も受けています。でも、社会の圧力のために、置かれた状況について不満を漏らせない人が多くいます。このプログラムのおかげで、女性に手を差し伸べ、適切な機関に確実に女性の声を届けることができます。互いに助け合うことで、あらゆる困難を克服できます」。

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(翻訳者:武藤洋子・実務翻訳スクール)

カテゴリ: ニュース

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