プレスリリース:UN Women、26名の黒人女性アーティストの作品を集めた展覧会&オークション「変化への力」を開催して黒人女性を支援

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2021年8月13日

2021/7/13

2021727日から31日にニューヨーク市で開催される展覧会に合わせて、2021716日から30日午後2時(東部夏時間)までアーティ主催のオンラインオークションを実施

ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関であるUN Womenは、「変化への力」と題する、黒人女性の作品だけを集めた史上初の国際的な展示会とオークションを開催します。ここでの収益は世界各地の黒人女性と出展アーティストのために使われます。

2021年7月27日から31日、アゴラギャラリー(ニューヨーク市西25丁目530番地)で開催されるこの展覧会では、新進気鋭のアフリカ系女性アーティスト26名の作品を展示し、黒人女性の手による芸術作品が社会正義運動において変革を起こす力になることを伝え、UN Womenの立ち上げ間もない黒人女性のためのグローバルプログラムを後押しします。作家の中には、Cinthia Sifa Mulanga、Tschabalala Self、Sungi Mlengeya、Wangari Mathenge、Zanele Muholi、Selly Rabe Kane らが名を連ねています。展覧会と合わせて、社会正義運動においてアーティストが果たす役割や、黒人女性とアートマーケットの関係についてオンラインディスカッションが開かれます。

Cinthia Sifa Mulanga 「自信」 2021年 ミクストメディア/張りキャンバス 84cm x 118cm

プムズィレ・ムランボ=ヌクカUN Women事務局長は「人種差別とジェンダー不平等は深くかかわり合っていて分けることができない問題であり、UN Womenの活動ではいずれも重視しています。黒人女性のためのグローバルプログラムと、その活動資金を集めるこの展覧会を通して、私たちは世界各地の黒人女性の運動や団体を支援し、互いの連携を深め、声を上げ行動する力を高めます」と発言しました。

この展覧会の作品は、2021年7月16日から30日の間、世界最大のオンラインアートマーケットプレイスであるアーティで販売されます。なお、オークションは7月30日午後2時(米国東部夏時間)に終了します。収益金の50%は、UN Womenの新たな黒人女性のためのグローバルプログラムの立ち上げに活用されます。このプログラムは、クリエイティブ産業における経済的なエンパワーメントに関する包括的な活動を通して、アフリカにいるアフリカ系女性とそれ以外の地に暮らす(ディアスポラの)アフリカ系女性を結びつけ、ディアスポラの女性たちの発言力、行動力、影響力を高めるため女性たちの運動を連携し、女性に対する暴力に立ち向かうことを目指しています。

そして、世界的なジェンダー賃金格差と女性の作品の価値に関する啓発を目的とした取り組みとして、収益の残りの50%はアーティストに直接渡されます。さらに、アーティストたちを守るために、買い手は作品を少なくとも5年は売らないこと、再販に関してはまずアーティストに拒否権を与えること、作品が売れた場合には売値の15%をアーティストに支払うことといった条件があります。

トニー・アン・ブロドバーUN Women カリブ地域マルチカントリー事務所長は、次のように述べました。「人種とジェンダーに関するグローバルプログラムに対する私たちの熱意は、芸術にしっかりと根ざしています。バルバドスにある私たちの事務所は、以前からミュージシャンと活動しているので、かれらの表現や影響力が慣習や固定観念を変えるのに大きな役割を果たすことを理解しています。あらゆる多様性の中にある創造性こそが、その道のりを先導します」。

さらにキュレーターでアートアドバイザーのエリン・ジェノア・ギルバートさんが、「この展覧会で展示する抽象作品や具象作品は、言語的にも美的にも多様性に富む女性たちの手によるものですが、いずれにも生き抜く意思、連帯する意思が表れています」と語りました。現状を打ち破ろうとするこれらの作品は、アフリカ、カリブ地域、中南米、欧州、米国で同時に起きている市民の人権運動の連携を象徴しています。この展覧会では、アフリカ系女性が新たにとらえなおした過去と未来を垣間見ることもできます。アーティストたちが創り出した力強い女性の姿は、インターセクショナリティ(交差性)の影響と、ディアスポラのアフリカ女性たちの切っても切れないつながりを示しています。

Wangari Mathenge「上昇 XII(そしてさらにその上へ)」2021年 油絵/キャンバス163cm x 159cm

「変化への力」は、世代、国、分野を超えた展覧会です。1935年から1997年の間に生まれた参加アーティストたちは、現在南アフリカ、セネガル、コンゴ民主共和国、ナイジェリア、コートジボワール、ガーナ、ケニア、ジャマイカ、ドミニカ共和国、バルバドス、ブラジル、ソマリア、タンザニア、英国、米国でそれぞれ活動しています。主要メディアによるアフリカ系女性の扱い方に対する異議をにじませたこの展覧会では、黒人女性を主役にした写真、絵画、スケッチ、彫刻、映画を見ることができます。

展覧会では以下のアーティストの作品をご覧いただけます。

  1. Tschabalala Self (1990生)、米国
  2. Akosua Adoma Owusu (1984生)、ガーナ/米国
  3. Andrea Chung (1978生)、ジャマイカ
  4. Phoebe Boswell (1982生)、ケニア/英国
  5. Wura Natasha Ogunji (1970生) ナイジェリア/米国
  6. Sungi Mlengeya (1991生)、タンザニア
  7. Shinique Smith (1971生)、 米国
  8. Deborah Roberts (1962生)、米国
  9. Rosana Paulino (1967生)、ブラジル
  10. Janaina Barros、ブラジル
  11. Thenjiwe Niki Nkosi (1980生)、南アフリカ
  12. Zohra Opoku (1976生)、ガーナ
  13. Esther Mahlangu (1935生)、南アフリカ
  14. Ayan Farah (1978生)、ソマリア
  15. Nandipha Mntambo (1982生)、南アフリカ
  16. Selly Raby Kane、セネガル
  17. Zina Saro Wiwa (1976生)、ナイジェリア
  18. Wangari Mathenge (1973生)、ケニア
  19. Virginia Chihota (1983生)、ジンバブエ
  20. Cinthia Sifa Mulanga (1997生)、コンゴ民主共和国
  21. Yelaine Rodriguez、ドミニカ共和国
  22. Cassi Namoda (1988生)、モザンビーク
  23. Sheena Rose (1985生)、バルバドス
  24. Joiri Minaya (1990生)     、ドミニカ共和国
  25. Joana Choumali (1974生)、コートジボワール
  26. Zanele Muholi (1974生)、南アフリカ

(翻訳者:早乙女由紀・実務翻訳スクール)

カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会

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