トルコ・シリア大地震続報 第3弾
2023年4月4日
UN Women本部よりトルコ・シリア大地震の続報が届きましたので共有させていただきます。今回の報告はトルコの状況に焦点を置いております。
トルコ南東部11県で発生した2度の大地震により、48,000人以上が死亡、数千人が負傷しました。これらの州の総人口は約1400万人で、女性と少女が人口の半分を占めています。この11県に住む350万家族の8%が女性所帯主で、少なくとも一人の子どもを抱えています。また60歳以上の人口の54%が女性です。UN Women は、トルコ政府との緊密な連携し、市民社会、地元の女性組織、他の国連機関との協力のもと、被災地で、女性と少女に、仕事と生計、保護、健康へのアクセスなどの緊急支援を提供しています。
UN Womenによる 緊急人道支援
* 地震で被害を受けた女性への心理社会的サポート 今回の地震は、被災者の精神的な健康をむしばむなど深刻な影響を及ぼしています。最近の評価によると、女性はメンタルヘルスの情報やそれにどのように対処するかを知ることが、男性よりも特に必要であることが分かってきました。トルコのUN Womenは現在、女性、少女、およびその家族に心理社会的支援を提供するためのプログラムを開発しています。
* 震災後、女性が抱える女性や少女に対する暴力(VAWG)などの主な懸念事項に関する法的支援と情報発信 この分野では、女性が世帯主である家庭とVAWGに関するものを優先的にとりあげる予定です。女性に関する法的問題には、災害後におこるVAWGリスクの悪化、VAWGの報告とケース管理、財産法、労働法、民法、行政法に関する災害によってうまれた法的懸念などが含まれます。
* 被災地の暴力防止監視センターや女性シェルターを拠点とする家族・社会サービス省のケースワーカーや、女性・少女に対する暴力に関するケースマネジメントサービスを提供するスタッフへの支援。支援内容は、ケースワーカーの暴力事例への対応能力の強化、心理的支援および監督のスタッフへの配慮によって彼らの福祉を向上させることなどです。
* 様々な評価を行うことで、女性と少女の変化するニーズや、地震がこの地域の女性市民社会組織や女性の企業活動にどのような影響を与えたかについての最新情報を提供しています。パートナーとともに実施した共同ニーズ調査の初期結果から、現在の優先事項はシェルター、食料、衛生用品、保護サービスであることが判明しました。
* 女性と少女が災害状況に対処し、衛生上の必要を満たすための必須物資を配布しています。女性に対する暴力に対応するための人道的サービスやホットライン、利用可能なサービス情報の普及も行っています。
UN Womenによる中長期的支援
* UN Womenは、緊急のニーズ、リスク、課題への対応に加え、女性の生活の早期回復を目指しています。女性のビジネスや女性協同組合の支援、障害のある女性や農村部の女性など最も取り残されている女性に特に焦点を当てた必要なスキルの再教育などを実施しています。
* 中長期的には、女性に優しい仮設住宅モデルを開発することが不可欠です。このモデルは、選ばれた仮設住宅に適用され、全国にモデルとして広められるでしょう。このモデルは、女性と少女のニーズがどのように仮設住宅内で優先的に考慮されうるかを示しています。
- * ジェンダー対応調達とは、地震で被災した女性生産者や起業家の生計機会を支援するための戦略的アプローチです。UN Womenは、地震で被害を受けた女性の脆弱性を軽減し、その商品が賞味期限内に調達されるように、民間セクターとのパートナーシップを通じて、ジェンダー対応調達を推進しています。民間セクターのパートナーは、可能な限り、地震被災地の女性と取引を行うよう奨励されています。
UN Womenが国内外の団体とパートナーシップを組んで実施していること
性別に分けられたデータ
* UN Womenは現在、データ重視の対応を支援するため、性別に分けられたデータを作成しています。男女別データの収集と分析、ジェンダー分析は、女性・少女、男性・少年の異なるニーズと優先順位を把握し、ターゲットを絞った支援やサービスを可能にする鍵なのです。
地震対応における女性のリーダーシップの促進
* ジェンダー・ステレオタイプの深刻化により、ネットワークやリソースが限られる、情報が得られない、家族や介護の責任が重いなど、女性の人道支援計画への参加を妨げる障壁が、危機の際に悪化しています。
* 人道的対応、計画、支援の仕組みの中で、危機発生直後から女性が対応に参加してリーダーシップを発揮することが、女性のニーズと権利を考慮する上で不可欠です。
* UN Women は、女性のリーダーシップに関するこれまでの広範なプログラムに基づき、今回の地震への人道的対応や復興過程に、女性が最初から参加し、リーダーシップを発揮することを提唱しています。
地域の女性団体やネットワークとのパートナーシップ締結と資金提供
* 女性の緊急のニーズや優先事項が救命サービスの提供に反映されるには、現地の女性組織とのパートナーシップ締結や資金提供が欠かせません。
* UN Women は、危機の影響を大きく受けた現地の女性主導の組織や女性の権利団体、コミュニティグループが、災害後の状況でも活動を継続・拡大できるよう、その能力を強化するための支援を継続しています。
女性に対する暴力
* 危機の後、これまでの経験から、女性に対する暴力(VAW)のリスク軽減策とサバイバーへの支援に焦点を当てることが急務であることが分かっています。
* 最新のデータでは、全国で4分の1の女性が18歳以前に結婚していると報告されています。災害時には、特に児童婚・強制婚のような有害な慣習が悪化します。また、予備調査の結果、男性に比べ、女性は危機による緊張や対立の高まりにより多くさらされていることがわかりました。
テクノロジーへのアクセス
* 災害は、女性や少女がすでに経験している不平等や問題を拡大させます。女性たちが技術、知識に男性と同じようにアクセスでき、移動も自由にできるようになれば、女性は災害発生後の復興に貴重な貢献をすることができます。
* テクノロジーは、震災時の女性たちの活動や連帯を支える重要なコネクターとなりました。女性たちはソーシャルメディアを使って連帯感を高め、地震で被害を受けた女性、少女、その家族への支援を行いました。しかし、被災地での女性のテクノロジーへのアクセスは、男性よりも低いのが現状です。
■インターネットでクレジット決済を利用される方
以下のURLから1口500円からでもお申込みいただけます。
http://www.unwomen-nc.jp/donation/#kifu
「団体へのメッセージ」に”トルコ”とご支援先がわかるようにご記入ください。
■インターネットを利用されない方
以下の、郵便局からの振り込みのご利用をお願いいたします。
郵便局 振替口座番号:00240-7-43928
口座名義:NPO法人国連ウィメン日本協会
通信欄:「トルコ」