「女性に対する暴力撤廃国際デー」オンライン・セミナー ～アジア太平洋地域におけるUN WomenおよびJICAの取り組み～開催報告
2023年12月12日
2023年12月3日、国連ウィメン日本協会は、公益財団法人 日本女性学習財団および独立行政法人 国際協力機構JICAとの共催により、「女性に対する暴力撤廃国際デー」オンライン・セミナー：「アジア太平洋地域におけるUN WomenおよびJICAの取り組み」を開催しました。
UN Womenの取り組みにつき、田中香苗UN Womenアジア太平洋地域事務所司法セクターリエゾンオフィサーから、「UN Womenのアジア太平洋地域における司法アクセス事業やジェンダーに基づく暴力分野の取り組み」につき発表していただきました。
SDGｓの「誰一人取り残さない」との理念に基づき、人々を中心としたアプローチを実践し、「社会全体での予防」と「被害当事者への包括的支援・対応」分野での活動を行っているとのことです。2015年に作成された「被害当事者に不可欠な支援パッケージ」に基づく活動例とともに、人々を中心としたアプローチの実践例として、ネパール地方自治体の司法委員会を中心とした取り組みが紹介されました。まとめとして、「人々を中心としたアプローチを実践するということは、被害当事者の声に耳を傾け、寄り添い、被害当事者が求めるニーズを制度やサービスの中心に置くということ」とのことでした。
JICAの取り組みについては、宇佐美茉莉JICA長期専門家から「パキスタンにおける暴力被害者の女性と少女のエンパワーメントに向けて」とのテーマで話していただきました。
支援戦略として、「被害者の救済や保護、自立と社会復帰に向けた支援実施体制の強化」および「ジェンダーに基づく暴力を許容しない地域・社会・組織づくりの推進」を掲げたとのことです。具体的支援としては、自立や社会復帰のための支援を行うTransitional Homeを設置した他、レディ・ヘルス・ワーカーの協力を得て、シェルターやクライシス・センター、Transitional Homeなどを紹介する広報資料や結婚・離婚や相続に関する女性の権利に関する啓発資料の配布・アウトリーチ活動を行ったとのことです。
最後に、橋本ヒロ子国連ウィメン日本協会理事長よりUN Womenおよび国連ウィメン日本協会の活動を紹介しました。