平等を目指す全ての世代の活動: ヌー・ミスラさん

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2023年12月14日

2023年7月10日

障がい者とクィア(性的マイノリティや、既存の性のカテゴリに当てはまらない人々の総称)の権利を擁護する人たちのリーダー

女性の権利向上を目指して、世界中で何十億もの人たちがジェンダー平等の歴史の流れに乗って日々声をあげ、立場を表明し、結集して、大小さまざまな活動に取り組んでいます。これが、平等を目指す全ての世代の活動です。

インタビュアー: アーカンシャ・サクセナ

ヌー・ミスラさん。インドのベンガルールで開かれた平等を目指す全ての世代の活動、フェミニスト・リーダーシップ・ラボにて。 写真: ジェンダーアットワーク・インドより提供

私が平等を目指す全ての世代の活動に参加することになった背景

「車いすに乗ったり、足を引きずったり、片足で跳んだり、這ったりして移動をする人も、歩ける人と同じように革命に加わり、または自ら革命を起こしたりすることができると思います。障がいを持った人たちによる運動には力があります。障がいとともに生き抜き、考え、行動してきたのですから」。

自分の能力やセクシュアリティが想定されておらず、決められた台本や参考にするものもない世界で育ってきて、私がいるこの世界は、1つの型の身体の人だけしか成功者や行動者として認めないとう規範があるところなのだと気づきました。

私はヌーです。大学でジェンダー研究を専攻し、障がいを持ったクィアのフェミニストであり、インドのペンギン・ランダムハウスで著作活動をしています。

私は、障がいを持ったクィアとしての経験を記録しておきたいと思っています。障がいを持った人たちが常に存在してきたこと、そしてこれからも存在し続けることを未来の世代に示すために。

2020年、障がい者の権利を擁護するオンラインコミュニティプラットフォーム「リバイバル・ディスアビリティ・インド」を設立しました。このプラットフォームは、「普通でない」「不自由な」身体について質問をしたり、そのことに伴う悲しみや喜びの感情を共有したりできる安全な場です。

私のアドボカシー活動には、クィアや障がいを持った人にとってより安全なデジタル空間を作ることがあります。思いやり、そして皆で一緒に喜べるコミュニティを推進するという目標を持って、健常者の文化とは異なる活動場所を取り戻し、再構築して障がい者の世界を活気づけようと複数のプラットフォームと協力しています。

私たちの多くは、やむを得ず活動家や人権擁護者になりました。障がいがありクィアである自分に誇りを持って皆の中に入っていくようにと教えてくれた人はいませんでした。自分の身体を愛し、心を痛め、ただ障がいと共存することを自ら学んできました。自分で障がいがあっても勇敢で、回復力のある、自信を持った大人になるよう自分自身を育ててきました。

私が設立したリバイバルは、障がいを持つ人の人生の観察者として、破壊者として、また記録者として活動しています。健常者の世界の外側で、自分たちの世界を彩ります。リバイバルに属する一人ひとりがリバイバルの個性を形作り、進む方向を決めています。

リバイバルは一人のものではなく、活動している皆のものです。

幼い頃に自分の障がいに気づいた私は混乱し、自分に押し付けられたあらゆるレッテルに違和感を覚えました。障がいがありクィアである私の身体をケアする方法を教えてくれたのは、障がいを持った人のコミュニティであることに間違いありません。しかも、1つずつ。つまり、私をつくったのはこのコミュニティで、自分自身ではありません。

私たちは、UN Womenインド事務所の平等を目指す全ての世代の仲間活動に参加しています。2023年の残りの数か月で、さまざまに交差した障がいを持つクィアの人たちを招いて、共に活動して作り出しながら、もっと多くのデジタル空間と物理的な空間を確保したいと思っています。

障がいのある少女と女性には、権利や市民権、自己決定権のために闘ってほしいと思っています。書くことや話すこと、ただ生き残ることなどどのような形であれ、できる限りのことで。

努力が不十分だとかパフォーマンスに過ぎないといったようなことを、誰にも言わせないよう彼女たちを励ましたいと思います。成功や失敗などは一切なく、ただ唯一変わらないのは、障がいがありクィアである自分自身の身体なのだということを知ってほしいです。

あなたの居場所は曲がった指や障がいのある骨の中にあって、決して他人の中にはありません。

ヌー・ミスラ: ヌーさんは、障がいを持ったクィアで、ノンバイナリー(自分の性認識に男性か女性かという枠組みをあてはめようとしない考え方)です。リバイバル・ディスアビリティ・インド・マガジン&コミュニティの創設者で、平等を目指す全ての世代の仲間です。技術を駆使して、クィアや障がいのためのオンライン上の安全なデジタル空間づくりに取り組んでいます。思いやりと皆で喜び合うコミュニティを作ることを目指しています。障がい者正義について執筆し、またキュレーターとして、障がいを持つ人の喜び、怒り、安らぎ、運動を取り戻す他のスペースと協力しています。2022年CREAフェローであり、タタ社会科学研究所ジェンダー研究科の修士課程の学生として、障がい者の虐待と同意の侵害をめぐるキャンペーンに携わっています。

あらゆる多様性を持つ女性と少女が夢をかなえるのを助ける3つの方法:

  • 自分の権利、市民権、自己決定権のために最も利用しやすい方法で戦う
  • 障がいがありクィアである自分の身体を大切にし、その身体を最優先に自分のニーズを第一にする
  • 自分の障がいと共に生き、愛し、座り、歌う方法を学ぶ

(翻訳者:早乙女由紀)

https://asiapacific.unwomen.org/en/stories/i-am-generation-equality/2023/07/nu-misra

カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会

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