イリーナ・ペリブさんの言葉:「若者は社会の形成に積極的な役割を果たしている。」(ウクライナ)
2024年9月22日
2024年8月9日(金)
リヴィウ出身のイリーナ・ペリヴさん(25)は、経験豊かな弁護士であり、UN Womenとスウェーデンの支援を受け、女性の視点センター(Women's Perspective Centre)で「女性の新しい地平線」プロジェクトに約2年間取り組んでいる、ウクライナの活気ある若者を代表する献身的な存在です。国際青少年デー(8月12日)に、イリーナさんがどのように活動やアドボカシーを通じて前向きな変化を促しているかをご覧ください。
「私は大学院生で、リヴィウ工科大学の法学・心理学・革新教育研究所で講師をしています。学位論文を提出し、ウクライナの女性運動に関する本を出版したいと考えています。このような出来事の歴史的・法的側面、特に海外にいた女性や亡命していた女性に関する研究が著しく不足しています。100年前に歴史を創り上げながら、今は不当に忘れ去られている先駆者たちに対して、時々罪悪感さえ覚えます。
多くの素晴らしいアイデアやプロジェクトを実行できる母校にいられることを誇りに思います。現在、私は当研究所の無料法律扶助センターを担当、熱心な学生たちと一緒に働いています。チームメンバーのほとんどは、熱心でエネルギッシュな若い女性です。私たちとの年齢差はそれほどありませんが、彼女たちから多くのことを学び、彼女たちの世代に感謝しています。私の教え子たちは、さまざまな問題についてとても知識が豊富で、偏見を持たず、オープンマインドです。
また、私は当研究所の男女共同参画法制研究センターで副所長を務めています。
女性の視点センター(Women's Perspective Center)との協力の一環として、私はリヴィウ地方で国内避難民となった女性たちに主要な法的支援を行っています。彼女たちが直面する最も一般的な法的問題には、社会的給付を受けることの難しさ、離婚、占領地での死亡確認とウクライナの死亡証明書の取得、家庭内暴力、国内避難民のための山岳居住地での居住資格の取得、起業などがあります。
さらに私は、人権擁護、特にジェンダー政策の実施を目的とする公共団体YARIIのリーダーでもあります。ロシアの本格的なウクライナ侵攻が始まって以来、私たちは子どもたちとの活動やシェルター支援を始めました。その後、リヴィウ地方に移転した孤児院での活動も始めました。男女共同参画法制研究センターとともに、私たちは国境を安全に越える方法に関するチャットボットおよび情報資料を開発しました。これらの資料は、鉄道やバスの駅、大勢の人が集まる場所、特に子ども連れの女性たちの間で配布されました。
私はまた、女性用下着の仕立てに特化したソーシャルソーイング工房の共同設立者でもあります。私たちは受け取った資金の一定割合を、親に育てられない少女たちの教育プロジェクトに充てています。将来は、養子縁組をして子供に愛情を注ぎ、母親になるのが夢です。
本格的な侵攻が始まったのは約3年前ですが、ウクライナでの戦争は10年間続いています。私の人生で戦争がなかったと記憶している部分はほとんどありません。2022年、若者や女性の団体は、シェルターを作り、人道支援を提供し、被災した人々をあらゆる方法で支援することで、危機への対応に完全に重点を移しました。
昨年、市民社会組織は徐々に通常の活動を再開し始めました。これは、女性の起業家精神と女性の経済的機会の増大に対する積極的な注目を集めました。女性の起業を支援するプロジェクトが数多く開始されました。指導的役割を担う女性の割合も増え、女性のための機会や知名度も向上しています。
こうした前向きな変化にもかかわらず、若い女性や少女は依然として困難に直面しています。職業経験がないこと、結婚や育児休暇に対する偏見、男性候補者の優遇などにより、就職拒否に直面することが多いのです。さらに、高等教育機関や専門教育機関の多くには、母子向けの施設がまだないため、子どもを持つ女子学生が子どもを家に置いて授業に出席することは困難です。
ウクライナの組織や国際的な組織、企業、機関は協力して、若者を参加させるべきです。なぜなら、彼らは国を再建する未来のリーダーだからです。若者は社会の形成に積極的な役割を果たしており、彼らの声を聞くことは極めて重要です。実際、わが国の若者は多くの課題に直面しており、若者の心に響くような方法で取り組み、解決することが不可欠です。彼らの多くはすでに海外でインターンを経験し、貴重な経験を積んでウクライナに戻り、ここで前向きな実践をしています。若者を支援せずに、彼らのアイデアを否定すれば、進歩の妨げとなります。
世界中の若い人たちへの私からのメッセージは、自分を信じ、自分の声に耳を傾け、目標に向かって突き進むことです。私たちは自分自身に忠実でなければならないし、互いに支え合わなければなりません。ウクライナの若者たちには、もっと本を読み、ずいぶん前に出版されましたが、今となってはタイムリーな著作に注目することを勧めます。私はオルハ・コビリアンスカ、イレーナ・クニーシュ、オクサナ・ザブジコの作品を推薦します。オクサナ・ザブジコの作品はさまざまな言語に翻訳されているので、外国人の知人や友人に会ったら、ぜひ彼女の本を1冊はプレゼントしてほしいです。そうすることで、世界はウクライナのことをもっと知るようになり、ウクライナ人は自分自身のことをもっと知るようになるのです。」
本稿は、UN Womenのプロジェクト「ウクライナにおけるジェンダー平等達成のための変革的アプローチ」の中で、スウェーデンからの財政支援と、欧州・欧州大西洋統合担当副首相室の協力を得て作成された。
カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会