ASEAN首脳、女性のエンパワーメントと包括的な成長と開発を促進するためケアエコノミーへの投資拡大を呼びかける
2024年10月13日
2024年8月20日
[プレスリリース]
ラオス人民民主共和国、ビエンチャン ― ケアエコノミーに投資すれば、東南アジア諸国は女性の経済活動への参加を拡大させ、結果的にさらに公平な成長と開発を加速させることができます。8月23日にビエンチャンで開催されたASEAN女性首脳会議に先立ち発表された、 UN Womenの新しいデータスナップショット「ASEANにおける女性の経済的エンパワーメントとケアエコノミー」は、ASEAN共同体ポスト2025に向けたケアエコノミーとレジリエンスの強化に関する新しいASEAN宣言の採択を後押しするものです。
データスナップショットでは、ASEAN地域の女性の労働力参加が体系的に男性の参加よりも低いことが示されており、これは家庭におけるケアの責任を女性が不平等に負担していることが原因の一つです。さらに、女性が従事する有償のケア労働の多くは、労働者の立場が非常に弱いインフォーマル経済に属しています。
このデータスナップショットは、労働の世界にジェンダー平等に対する構造的な障壁が存在することを指摘し、女性と少女が経済や社会に完全に参加する機会を増やすために、ケアシステムを変革するよう求めています。
また、幼稚園などのケアサービスの拡大や育児休暇を通じてケアを支援する職場環境を改善することにより、ケアを担う女性と少女の時間的な制約を緩和できるとしています。ケアエコノミーにおける女性就業者の地位を向上させるためには、社会保護の拡大ならびに賃金や機会均等、差別、ハラスメント、暴力の撤廃といった労働条件の改善が求められます。
このデータスナップショットは、「誰一人取り残さない」という約束を守るためには、ケアシステムを変革する取り組みに、少女、シングルマザー、高齢の女性といった社会的弱者を含める必要があると訴えています。
UN Womenのクリスティーン・アラブ アジア太平洋地域事務所長は次のように述べました。「女性が無償のケアや家事労働を不平等に負担させられていることが、女性の経済的エンパワーメントの最も大きな障害のひとつだと、ジェンダーのデータが示しています。構造的な障壁に立ち向かい、ジェンダーを変革する政策やプログラムを通して労働条件と報酬を改善すれば、ASEANのすべての人々に平等な機会を提供し、女性に力を与え、経済的権利を促進する環境を作り出すことができます」。
翻訳者:本多千代美
カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会