すべての女性と少女のために: 技術系女子のジェンダーギャップを埋めるペンド・ヴェスティンさん
2025年5月28日
ジェンダーバイアスの克服から、技術イニチアチブの立ち上げまで、ペンド・ヴェスティンさんは若い女性がSTEM分野でリードし、イノベーションの未来を形作ることができるということを証明しています。
2025年4月22日付
#ForAllWomenAndGirlsは、北京宣言及び行動綱領の30周年にあたって行動を呼びかけるスローガンです。ルワンダ出身のペンド・ヴェスティンさんは、UN Womenの地域プログラムであるAfrican Girls Can Code Initiativeの修了生です。UN Women、国際電気通信連合、アフリカ連合が主導したこのプログラムでは、地域内11カ国の1,600人を超える少女と若い女性がコーディングなどのスキルを学びました。
このインタビューの中で、ヴェスティンさんは少女と若い女性に科学技術への道を開き、リーダーシップを発揮する機会を作ることの重要性について語っています。

生徒からリーダーへ: 技術系女子をエンパワーするというペンド・ヴェスティンさんの使命
アフリカリーダーシップ大学(ALU)でソフトウェア工学を専攻するペンド・ヴェスティンさんは、テック業界におけるジェンダーギャップを埋めることに情熱を注いでいます。そして、そのための最善の方法は、少女や若い女性が科学、技術、工学、数学(STEM)分野の教育を受け、メンター制度を利用し、リーダーシップを発揮する機会を創出することだと考えています。
ヴェスティンさんが育ったルワンダ東部のガツィボ郡では、女子の教育は重視されていませんでした。「多くの才能ある女の子が、女の子であるという理由だけで機会を奪われるのを見てきました」と彼女は語りました。こうした不公平を目の当たりにしたことで、女性と少女の技術分野への道を閉ざし、リーダーシップの発揮を妨げているジェンダーに基づく固定観念や規範に異議を唱えるようになりました。
「アフリカリーダーシップ大学(ALU)に入学して、私の旅は有意義な転換を迎えました。リーダーシップ、イノベーション、問題解決の文化にどっぷりと浸かりました」とヴェスティンさんは言います。「情熱を共有する同志と出会ったことが、技術や教育でのジェンダー平等を推進するために、より高い目標を持って行動を起こすきっかけになりました。これが、見過ごされがちな人たちに機会を作ろうとする私の日々の原動力になっています」。
ヴェスティンさんはHerTekというアプリを作り、少女や若い女性にオンラインでの技術講座やメンター制度を提供し、学校や大学と連携して女性とテック業界とを結びつけています。
「このプラットフォームを通じて、壁を打ち破り、質の高い教育を提供して、女の子にSTEM分野でのキャリアを目指すよう働きかけることができました。最大の成果は、HerTekを通して女の子が自信、スキル、機会を得るのを目にできていることです」とヴェスティンさんは言いました。

STEMの未来を担うのは女性ですが、ジェンダーの壁を壊さなくてはなりません
少女がSTEM分野のキャリアを目指すのを妨げている最大の問題として、ジェンダーバイアス、技術分野における女性のロールモデルの不足、少女が技術に関する教育やスキルを得ようとするときに直面する経済的制約などがあるとヴェスティンさんは言います。
「家族は男の子の教育を優先することが多く、女の子が夢を追う機会はわずかしかありません」と彼女は言います。
「でも私はそんな障害には負けませんでした」とヴェスティンさん。「メンター制度プログラム、コーディングブートキャンプ、技術分野で女性をエンパワーすることに取り組む団体によってすばらしいサポートに出会いました。African Girls Can Code InitiativeやSieMentEmpowHerのような活動が、私を大きく変えてくれました。スキルを身につけ、自信を得て、自分の可能性を信じられるようになったからです」。
「この旅を通して、人が集まることで生まれる力と、自分と同じような困難に直面している人たちのために機会を作ることの大切さを学びました」と彼女は付け加えました。
北京宣言及び行動綱領とSTEM分野におけるジェンダー平等についての未解決の課題
ヴェスティンさんは、女性のエンパワーメントプログラムに参加したときに、初めて北京行動綱領について学びました。「北京宣言の重要性は変わらないままです。多くの分野でジェンダー不平等が今でも存在するからです。特にSTEM分野においては、いまだに女性と少女が差別され、十分な教育を受けられず、リーダーシップの発揮を妨げられています」と彼女は言いました。
「北京宣言は政府、団体、個人に対してジェンダー平等に向けて努力を続けることを心がけるよう促すものであり、また、そうした行動のきっかけとなるものです」。
1995年の北京行動綱領の採択以来、STEM分野にかかわる少女と女性が増え、大きな進展が見られます。しかし、農村地域では限られた資源と根強いジェンダーバイアスのせいで、なかなか前進することができません。「前に進むためには、見過ごされている地域に焦点を当て、固定観念を打ち破り、すべての人に平等な機会を確保しなくてはなりません」と、ヴェスティンさんは訴えます。
すべての女性と少女に…平等な機会と夢を追いかける自由を
こうした障害にもかかわらず、技術の分野に入りリーダーシップを発揮する若い女性が増えているのを知って、ヴェスティンさんは希望を感じています。「女の子が適切な機会を与えられれば、自分の未来を変え、地域を改善することができます」と彼女は言いました。
「私の夢は、すべての少女が質の高い教育を受け、平等な機会を得、無限に夢を追いかける自由を持てる世界です。技術、イノベーション、意思決定の場において女性がリーダーになる未来です」。
(翻訳者:早乙女由紀)
カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会