職場のハラスメント根絶で歴史を作る

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2019年6月25日

2019.4.29

Photo: UN Women/Charles Fox

世界中の女性労働者達は毎朝起きて働き、世界を動かしています。彼女たちは構築し、創造し、すべてのセクターに進歩をもたらしています。でも多くの女性達にとって、職場は不安定、虐待、危険と隣り合わせでもあるのです。

あまりにも長い間、働く場は女性の安心・安全を脅かす不平等な力の力学に支配されて来ました。でも変化が起こりつつあります。ハラスメントのサバイバーたちは、連帯、集団行動、ソーシャルメディアの力をうまく使ってその根絶に向けてグローバル規模のとても有意義な運動を展開しています。女性たちは自分たちの痛みをオンラインなどで明らかにし、不正に終止符を打つよう訴えています。

ここではっきりさせておきましょう。セクシャルハラスメントを含むあらゆるハラスメントはとるにたらないこと(補足的)でもユーモラスでもなく、避けることができます。ましてや些細なことではなく、決して受け入れることはできません。それはすべての仕事、セクターにかかわり、労働者やその家族、コミュニティ、ひいてはその企業の評判や生産性に深刻な悪影響を及ぼします。ここで世界中でどのように職場のハラスメントに立ち向かい、その根絶を歴史的な出来事にしようとしているのか見てみましょう。

女性労働者をエンパワー

Chhun Srey Sros. Photo: UN Women/Charles Fox

チュン・スレイ・スロスは毎朝6時半にカンボジアのサンカット・チャオム・チャオにある服飾工場に働きに行きます。スレイ・スロスは22歳にしてすでにハラスメントのサバイバーで、ヘムを切るセクションの長をしています。自分や家族を養うために学校は早く辞めています。

「父親が死んでから、私や9人の兄弟姉妹は家族を養うために働かなくてはなりませんでした。姉妹は皆この工場か近くの工場で働いています」と彼女は言っています。カンボジアでは70%の女性が不安定な職についています。50万人以上がセクシャルハラスメントが日常化している服飾工場や靴工場で働いているのです。

「カンボジアの文化は男性を金、女性を布に例えます。これはフェアではありません。女性の人生はチャレンジングです」とスレイ・スロス言っています。彼女の工場は職場の男女格差と闘うため、国連女性への暴力撤廃信託基金とパートナーを組んで、セクシャルハラスメントキャンペーンを立ち上げました。これは労働者にハラスメントに声をあげるよう促し、加害者に対して何らかのアクションをとることを確約するものです。服飾工場から建設現場やオフィスビルまで、暴力やハラスメントへの職場の取り組みをしっかり実行に移してモニターしていくには、女性が確実に正義や改革にアクセスできることが欠かせません。「セクシャルハラスメントを防止することは、とりもなおさず職場の女性をエンパワーすることです」とスレイ・スロス言っています。「セクシャルハラスメントが起こると、それは単にその個人に影響を与えるだけでなくその周り全体に悪影響を及ぼします」スレイ・スロスの一日がどんなものかご覧になりたい方はこちらをクリックしてださい。 photo essay, Made in Cambodia

不正の総コストを知る

Gulzada Serzhan. Photo: UN Women/Marina Konstantinova

労働者の心理的、身体的、性的健康への影響から欠勤、転職まで、職場でのセクシャルハラスメントのコストは高いのです。グルザダ・セルザンやその雇用者にとっては、プロジェクトをもっと進められたというときに、貴重なチームメンバーを失うという事態を意味しました。

セルザンはカザフスタン出身の44歳、ITプロジェクトマネジャーでしたが男性の同僚からハラスメントを受けました。「私たちは一緒に出張しなくてはならなかったのですが、彼は酔うといつも言い寄ってきました」と彼女は記憶をたどります。「私はほとほと嫌になり、自分はレスビアンだと伝えました」でもハラスメントはさらにエスカレートしました。「彼は私を『矯正できる』と思ってしまったのです」

彼女はプロジェクト完成後に仕事をやめました。プロジェクトはさらなる発展の可能性を秘めていたというのにです。現在でも世界中に散らばった研究者からニュースが届きます。退職する前にセルザンはハラスメントのことを部門長に話しました。その事実を公言したのです。セルザンのように数えきれない数の女性達が勇気を出してハラスメントやその犯人を明らかにしました。でも「信じられない」、「たいしたことではない」などと言われて彼女達のつらい経験は矮小化されるのが常でした。報復を受けることさえありました。

職場の文化を変えるなら、まず変えなくてはいけないのはこのような強い立場にあるものの責任逃れです。それを尊敬、平等、説明責任の文化に置き換えていかなくてはなりません。もう時間がありません。沈黙も様子見もダメです。差別やハラスメントにこれ以上耐えてはいけません。セルザンのインタビューはこちらからご覧になれます。 here

Building a better working world よりよい職場環境の構築

キャサリン・A・マッキノン(法学者でフェミニスト、UN Women上級コーディネーターアドバイサー、セクシャルハラスメント・差別スポークスパーソン)は職場の平等への道を次のように語っています。「まずサバイバーの話を聞く、何が必要かをたずねる、話だけではだめ、その人たちの言ったことを書きとめる、そしてそこから組み立てていく」

目指すものははっきりしています―すべての人に安全で安定した職場環境を提供することですが、それを達成するには献身的で挑戦的な思考と行動が要求されます。以下は専門家からの指針です。

問題を明らかにすることから始める

セクシャルハラスメントは歓迎されない性的行動で、目つきからレイプまで広い範囲に及びます。これは権力の乱用で人権侵害です。

当事者を知って彼女達から学ぶ

サバイバーを最優先するということは、女性たちに、話しができかつその話が信用してもらえると感じられる場を作るということです。また職場の手順やシステムを作り、レビューし、修正するためにサバイバーや学者、アクティビストと繋がることも大切です。

方針や手続きはあってもそれが目的に合致しているかどうか

方針や手続きがすべての人に平等になるまで見直し、評価し、作り直すことが必要です。これは職場のセクシャルハラスメントを根絶するための最高のツールです。

他人を尊重する文化の構築、平等の実践、管理職の多様性を確保する

セクシャルハラスメントは階層制度の産物なので、人を弱い立場、つまり不平等な立場に置くようなものすべてがその人をセクシャルハラスメントにさらすリスクを高めます。

明確なリーダーシップを確立して知らしめる

「組織のリーダーはゼロ・トレランス(不寛容)がかれらの仕事の重要な部分で、それは単に終着点ではなく実践であることをはっきりさせなくてはなりません。皆ゼロ・トレランスを毎日実行するのです。ぜったい虐待者に逃れられると思わせてはいけません」とプルナ・セン(セクシャルハラスメントや他の差別に取り組むUN Women上級コーディネーター/スポークスパーソン)( Purna Sen)は言っています。

ライブフェイスブックFacebook Liveのディスカッションでセンは性暴力やハラスメント根絶を進めていくためのステップを述べています。男性・少年を取り込んでいくことの重要性も強調しています。「男性であることはどういうことか、そして皆に受け入れられる男らしさの定義は何か考えてみましょう…モデルになる男らしさとは他人への配慮、尊重、協力です」と彼女はアドバイスしています。

証拠や調査から学ぶ

女性やサバイバーの話は全然信用できなくて男性だけが信用できるという神話を捨てましょう。雇用者には様々な資料が使えるようになっています。例えばUN WomenとILOが作成した「ハンドブック:職場で女性に対する暴力やハラスメントに取り組む」(Handbook: Addressing Violence and Harassment against Women in the World of Work )やUN Women報告書「セクシャルハラスメントの根絶に向けて:#MeToo時代に必要な変革の質と緊急性」(Towards an end to sexual harassment: The urgency and nature of change in the era of #MeToo.

報告へのすばやくて的確な対応、その後の手続きと結果の透明性

雇用主にセクシャルハラスメントに気づき、取り組み、立ち向かってほしい、また犯人もそれによって不利になることを理解してほしいと要求しましょう。

サバイバーの権利を明確にして文書に残し、知らしめなくてはならない

サバイバーに寄り添い、彼らが求める職場での新体制を認めなくてはなりません。そして「私たちはあなたの言うことに耳を傾けています、あなたを見ています、信じています」と断言しなくてはなりません。

カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会

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