タリバンによる政権掌握から4年、アフガニスタン国民の圧倒的多数が女子教育を支持
UN Womenはタリバンによる政権掌握から4年を機に、プレスリリースを発表しました。その5日後の現地時間8月31日、アフガニスタンで大地震が発生しました。
教育から疎外され弱い立場に置かれた女性と少女たちは、自然災害においても声を届けられずに、後回しになってしまいます。地震で怪我をした女性たちは男性医師の診察を受けることができないために、かといって女性医師がいない状況の中で、治療できずにいます。タリバンによって女性が医療を学ぶのを禁止されたことは、このような災害時に女性たちが複合的な被害を受けることを意味します。
―UN Womenの最新の報告書によれば、アフガニスタン国民の92%が女子中等教育を支持―
8月26日 カブール発 ― 女子中等教育の禁止が続く中、性別や社会経済的な背景を問わず、アフガニスタン国民のほぼ全員が女子の教育を受ける権利を支持していることが、UN Women(国連女性機関)の最新の『ジェンダー・アラート』(報告書)で明らかになりました。
同報告書は、教育と雇用、安全と移動の自由など10の重要分野における女性と少女の現状を分析し、タリバンによる政権掌握から4年を経て固定化しつつある制限体制の影響を明らかにしています。

UN Womenが支援するビジネスクラスに出席する女性たち。 Photo: UN Women/Sayed Habib Bidell
全国の2,000人以上を対象とした戸別訪問調査では、92%が女子の就学継続を「重要」と回答。この支持は農村部と都市部を問わず見られました。
農村部では男性の87%、女性の95%が女子の就学を支持しており、都市部では男女ともに95%が支持しています。
「私たちは切実に学びたいのです、ただ教育を受ける機会がほしいだけなんです―これは少女たちがほぼ必ず最初に口にする言葉です」と、UN Womenアフガニスタン特別代表スーザン・ファーガソン氏は述べています。「家族もまた、娘たちにその夢を持たせたいと語ります。人口の半数が貧困状態にあるこの国において、識字能力と学びが少女たちの人生の軌道を変え得ることを家族は理解しているのです」
タリバンによる女性のNGO勤務禁止措置が施行されている地域で、UN Womenが2025年7月から8月にかけ行った別の電話調査では、調査対象となった女性の97%が「この禁止措置が日常生活に悪影響を及ぼしている」と回答しています。
アフガニスタンのNGOの半数以上が、この措置によって、女性や少女に対する重要な支援の提供が影響を受けていると報告しています。
『ジェンダー・アラート』によって明らかにされた他の主要な調査結果は次の通りです:
- 体系的で継続的な生活上の制約にもかかわらず、さらには、ほとんどすべての公共参加の手段が閉ざされている状況下でもなお、アフガニスタン女性の40%は変化と平等が実現可能な未来を想像していることが判明。
- 2025年7月から8月にかけて実施された電話調査では、全国あらゆる地域のほぼ4分の3の女性が自身のメンタルヘルスを「悪い」または「非常に悪い」と回答。
- UN Women、UNAMA(国連アフガニスタン支援ミッション)、IOM(国連移住機関)が2025年4月に実施した協議では、女性の4分の3が地域社会における意思決定に影響力を持たないとの報告が得られた。また、半数が拡大家族内での影響力なしと回答し、4分の1は家庭内での影響力なしと回答。
- UN Women、UNAMA(国連アフガニスタン支援ミッション)、IOM(国連移住機関)が2025年6月に実施した協議では、週に1度しか家の外に出ないと回答した女性は14%であったのに対し、男性は2%。また、少なくとも1日に1度家を出る女性は41%に留まったが、男性は88%に達した。
教育という長期にわたる支援のためにも、この度の大地震のような一刻を争う緊急事態への備えのためにも、皆さまからの毎月の継続的なご寄付が欠かせません。ぜひ「国連ウィメン・マンスリーサポーター」になって活動を支えてください!