「女性に対する暴力撤廃国連信託基金」からのメッセージ

「女性に対する暴力撤廃国連信託基金」(UN Trust Fund)[i]を支えてくださっている皆さまへ
今年は「女性・平和・安全保障(WPS)に関する国連安全保障理事会決議1325号」の採択から25周年を迎える歴史的な節目にあたります。2000年に採択されたこの画期的な決議は、女性の権利擁護者たちが長年主張してきたことを明確に認めました。すなわち、女性の完全かつ平等な参加なくして持続可能な平和はありえないということです。
世界各地で、女性たちはしばしば極めて大きな危険にさらされながらも、依然として平和構築の取り組みを主導し、地域社会に変化をもたらしています。紛争下では、戦争の武器として用いられるレイプから強制結婚や児童婚に至るまで、女性と少女たちにとっては暴力、排除、差別のリスクが一層高まります。最近発表された「女性・平和・安全保障(WPS)に関する2025年国連事務総長報告書」によると、紛争下における性暴力の事例はわずか2年間で87%増加しました。武力紛争や危機が激化するにつれ、女性・平和・安全保障(WPS)アジェンダの実施の緊急性はますます高まっています。
「女性に対する暴力撤廃国連信託基金」は、最も困難な状況下で活動する市民社会や女性の権利団体と共に歩んでいることを誇りに思っています。当信託基金の支援対象の半数以上が、危機に直面する女性や少女たちへの支援です。私たちは、中核的で柔軟かつ長期的な資金提供と包括的支援モデルを通じて、彼女たちが紛争関連性暴力を予防し、サバイバーの命綱となる支援を提供し、危機下において女性・少女の保護を行うための能力の強化を図っています。これにより、彼女たちが地域社会で平和と復興の取り組みを主導できるよう支援しています。
例えばガザでは、女性と少女が直面するニーズは極めて深刻です。第69回国連女性の地位委員会(CSW69)の期間中、私たちは農村女性開発協会(RWDS)の資金調達・開発部長ルラ・サラス氏と対談する機会を得ました。彼女からは、想像を絶する困難の中で、女性のニーズに応えるためにどのように同協会が活動しているのかが共有されました。こちらの短い動画(英語)をご覧ください。紛争下で女性権利団体が果たしている、欠かすことのできない役割を強く想い起こさせる内容です。
武力紛争から人道危機、平等のための日常的な闘いまで、いかなる状況においても女性の人権団体は女性と少女に対する暴力の撤廃に向けた前進の原動力であり、支援を必要とする人々にとっての命綱となっています。それにもかかわらず、UN Womenが実施した世界規模の緊急調査が示すように、二国間援助の現在の資金削減はこうした団体自体の存続そのものを脅かしています。
「女性・平和・安全保障(WPS)」アジェンダの25周年を記念する今、彼女たちの勇気を称え、より安全で公正かつ平等な未来の礎となるレジリエンスとリーダーシップへの投資に向けた私たち全員の揺るぎない決意を改めて確認しましょう。 #ForAllWomenAndGirls
連帯の思いを込めて、
女性に対する暴力撤廃国連信託基金代表
アビー・エリクソン
[i] 女性に対する暴力撤廃国連信託基金 (UN Trust Fund) とは―
女性への暴力撤廃に特化して取り組む唯一の基金として、1996年に国連総会によって設立された多国間助成メカニズムです。UN Womenが国連システムを代表して運営しています。
詳しくは、こちらから☟
https://www.unwomen-nc.jp/initiative/#program
