【記者会見】ウクライナ戦争は、全面侵攻から1,500日以上が経過し、女性や少女にとってより致命的なものに
ジュネーブのパレ・デ・ナシオンで行われた記者会見における
UN Women ウクライナ事務所代表サビーネ・フリーザー・ギュネス氏の発言
(以下は同代表の発言として引用可)
2026年5月12日付

[発言通り]
2026年5月12日キーウ/ジュネーブ発 ー
「私は今、キーウからお話しています。ここウクライナの人々は、1,500日以上にわたる全面戦争を生き抜いてきました。そしてこの戦争は、女性や少女たちにとってますます命の危険を伴うものとなっています。
2026年の最初の3ヶ月間は、ウクライナの女性や少女にとって、ロシアによる全面侵攻が始まって以来最も多くの犠牲者を出した冬となりました。
2026年1月から3月の間に、およそ199人の女性や少女が命を落としました。国連ウクライナ人権監視団によると、この数は2025年、2024年、2023年の同期間に報告された女性と少女の死者数を上回っています[1]。
2025年には、2024年と比較して女性の犠牲者が27%も大幅に増加していたことも既に確認されていました[2]。
命を落とした女性や少女の一人ひとりに、それぞれの人生の計画や目的があり、彼女たちを深く愛する人たち、そして、彼女たちをとても頼りにしている人たちがいました。
この恐ろしい死者数に加え、民間インフラへの攻撃は、生き残った人々の生活をさらに困難なものにしています。
UN Womenによる調査の暫定的な結果は、こうしたエネルギーインフラへの攻撃がウクライナ全域の女性たちの家事負担、ストレス、経済的負担を著しく増大させ、心身の健康状態を悪化させたことを示しています。その影響は特に、ケアを担う女性、資源が乏しい女性、安定した電力へのアクセスが限られている女性にとって、深刻で壊滅的なものとなっています。
女性は男性に比べ、停電時の予備のエネルギー供給源を持っていないと回答する割合が著しく高く、73%の女性が、代替となるエネルギー源を持っていないと答えています[3]。
甚大な破壊の影に隠れて見落とされがちなのが、女性たちが主導する復興への取り組みです。女性たちは公共交通機関の運行を維持し、地下の教室で子どもたちに教え、高齢の親族の世話をし、地雷が埋設された土地の除去作業を行い、エネルギーシステムを修復し、そして家族と地域社会を支え続けています。
そんな女性たちの一人が、先月私がドネツク州の前線に位置する都市スロヴャンスクで出会ったエネルギー作業員のテティアナ・モルジェンコさんです。テティアナさんは27人のエネルギー作業員からなるチームを率い、攻撃を受けたエネルギーインフラの修復を担当し、市内の住宅、病院、学校に光と暖かさが戻るよう尽力しています。
テティアナさんと、男性だけで構成された彼女のチームは、昼夜を問わず働いています。彼女は私にこう語りました。「夜のあいだに被害を受けたものは、朝までに修復しなければなりません。だから私はその作業をするために、ここに留まっているのです。」
女性たちはまた、女性主導の団体を通じて支援活動を主導しています。しかし、そうした団体もまた脅威にさらされています。ウクライナの女性団体の10団体のうち8団体近くが、UN Womenに対し、資金削減が活動に深刻な影響を与えていると報告しており、中には支援できる女性や少女の数を減らさざるを得なくなっていると報告する団体もあります。
女性を支援するための政府開発援助(ODA)は減少し、ウクライナにおける不平等は拡大しています。
ウクライナの女性や少女たちにとって、世界の関心が薄れていくことは許されない状況です。彼女たちには、持続的な支援、保護、投資、そして資金が必要です。
UN Womenは、ウクライナ全域で、保護サービス、人道支援、そして法律・政策・予算に関する助言を提供し続け、女性のニーズに確実に応えられるよう取り組んでいます。
また、女性たちがウクライナの将来にかかわる政治的なプロセスや意思決定に参加できるよう取り組んでいます。なぜなら、現時点では女性たちはほとんど排除されているからです。女性が交渉から締め出されている限り、どこにおいても持続的な平和は実現できません。」
[1] 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のデータに基づく
[2] 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のデータに基づく
[3] UN Womenの評価
