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活動現場から

アフガニスタン東部の避難民女性、再び始まった紛争の真っただ中で、飢え、不安、心の傷に直面

アフガニスタン地震で助かった人々が
パキスタンとアフガニスタン国境の紛争でまたもや避難するはめに

2026年6月1日付

フリシュタ*さん(58歳)は、2025年8月に起きた地震で子どもを全員失い、夫と2人だけが生き残りました。被災後、夫婦は仮設キャンプへの避難を余儀なくされました。ところが、アフガニスタン東部で国境を越えた武力衝突が激化すると、夫婦はまたしても避難を強いられ、わずかに残っていた家財道具をそのまま置いて逃げるしかありませんでした。現在、フリシュタさんは、スイス開発協力庁の支援を受けてUN Womenが資金提供している現地のパートナー団体を通じて、心理社会的支援を受けています。度重なる避難の影響を受けた多くの女性と同じように、フリシュタさんは、安全で恒久的な避難施設、清潔な水、医療、その他の基本的なサービスへのアクセスを早急に必要としています。
写真:UN Women/Sayed Habib Bidell

ナジーバ*さん(30歳)の陣痛が始まったのは、アフガニスタン東部への空襲の最中でした。地震後ナジーバさんが避難していたキャンプでは、パキスタンとアフガニスタンの国境沿いで再開した武力衝突から逃れようと、他の家族がすでに移動を始めていました。でも、彼女の赤ん坊は待ってくれませんでした。

わずか半年前に大規模な地震で地域が壊滅的な被害を受けた時には、ナジーバさんの足下の地面が揺れました。今、彼女が恐れるのは空です。

「安全な場所はどこにもありませんでした」と彼女は振り返ります。地震から逃れてきた他の家族たちと共に暮らすキャンプにまで戦火が及んだのです。「航空機が頭上を飛び、子どもたちはひどく怯えました。航空機の音が聞こえると、泣き叫ぶのです」。

ナジーバさんは夫と共にテントをたたみ、わずかに残った身の回りの物をまとめました。赤新月社クリニックで出産すると、生まれたばかりの娘と2歳から11歳までの子ども6人を連れて、借りてきた小型トラックに夫と乗り込み、ヌルガル地区のマザ・ダラ渓谷にある新しいキャンプに避難しました。

パキスタンとアフガニスタンの国境で何が起きているのか。また、紛争は避難民の女性にどのような影響を与えているか。

パキスタンとアフガニスタンの国境沿いで再開した武力衝突の激化に伴い、アフガニスタン東部では、このところ越境空爆、砲撃、ドローン攻撃、地上戦が行われ、10万人を超える人々が避難を余儀なくされています。

タリバン政権下で、自由や移動に対する制限がますます厳しくなる中を生きてきた女性と少女、さらに、昨年アフガニスタン東部で発生した地震の後を懸命に生き抜いてきた人々は、増大する不安定な状況によって最も大きな打撃を受けています。被災地では、推定5万人の人々が、高まるジェンダーに基づく暴力の危険にさらされています。また、女性たちは医療や必要不可欠な支援サービスをなかなか受けることができなくなっています。妊婦に関しては、多くの人が飢えと医療の制限に直面しているため、危険性がさらに高まっています。

アフガニスタン・ジェンダー・コーディネーション・グループによると、武力衝突によって被害を受けた10州の女性の3分の2以上が収入を絶たれました。4分の3の女性が食料を手に入れるのが以前より困難になった、10人中4人以上の女性が医療へのアクセスがさらに難しくなったと報告しています。女性はまた、精神的苦痛を抱えやすい傾向にもあります。
写真:UN Women/Sayed Habib Bidell

アフガニスタン東部国境の戦闘で避難を強いられた女性たちが増大する健康リスクに直面。妊婦は医療を受けるのに苦労。

ナジーバさんとその家族にとって、マザ・ダラ渓谷の新しいキャンプに向かう旅費は高く、その費用を捻出するためだけに、貴重な毛布や小麦粉、食用油など、すでに乏しい財産を売らざるを得ませんでした。

キャンプから舗装されていない急な山道を約40分行った所では、別の産後間もない母親が、国境沿いで続く武力衝突の衝撃を思い出していました。

17歳のファヒマ*さんは2月下旬、攻撃の激化が始まる直前に息子を産みました。

彼女には5歳を筆頭に他に3人の子どもがいますが、戦闘が始まると、子どもたちは航空機やミサイルの音に怯えました。ファヒマさんと夫もまた、地震で避難を余儀なくされた他の家族とともにキャンプで暮らしていましたが、キャンプを離れようと決意し、小麦粉を売り、借金をして移動費を捻出しました。

夫婦は農家で、ほんの一年前まで、家族の食料を賄ったり、売って収入を得るために、ソルガム、小麦、インゲン豆を育てていました。

半年の間に2度目の避難を強いられた今、食べ物が底をつきかけています。

「私たちの土地は(地震で)壊滅しましたし、ここには仕事がありません」とファヒマさんは言いました。「子どもたちがたくさん食べられるように、自分たちは食べる量を減らしています」。

アフガニスタン・ジェンダー・コーディネーション・グループによると、被害を受けた10州の女性の3分の2以上が収入を絶たれました。4分の3の女性が食料を手に入れるのが以前より困難になった、10人中4人以上の女性が医療へのアクセスがさらに難しくなったと報告しています。女性はまた、精神的苦痛を抱えやすい傾向にもあります。

アフガニスタン東部クナール州の避難民キャンプで、メンタルヘルスと心理社会的支援を求める女性と話す、カウンセラーのマストゥーラ*さん(36歳、右)。マストゥーラさんが面談した女性の多くは、2025年の大地震の後、さらに現在、パキスタンとアフガニスタン間の敵対行為が続く中で、貧困、飢え、基本的な支援サービスへのアクセスの欠如に対処しようと懸命です。マストゥーラさんはここで提供するサービスの管理をしており、過密状態のキャンプの中でも、女性たちが誰にも邪魔されずに集まって話し合い、交流する貴重な場を作っています。
写真:UN Women/Sayed Habib Bidell

UN Womenがアフガニスタン東部の女性や少女を支援するために行っていることとは

UN Womenはスイス開発協力庁から資金提供を受け、現地のパートナー団体を通じて、地震で避難を余儀なくされた家族のためのキャンプで、女性専用の安全な居場所の提供を支援しています。カウンセラーが要望の高いメンタルヘルスの支援を行う一方、このスペースは、過密状態のキャンプの中でも、女性たちが誰にも干渉されず、互いに交流できる貴重な場にもなっています。

安全なスペースは4ヵ所設置されましたが、紛争のため、今は2ヵ所が移転しています。

マネージャーとカウンセラーが2人1組になって各テントを運営していて、日中は女性のサポートを行い、夜は同じ場所で料理を作り、寝泊まりしています。マネージャーとカウンセラーの多くは幼子を連れており、週に一度、上の子どもたちと過ごすために自宅に戻ります。

アフガニスタンの女性カウンセラー、マストゥーラ*さん(36歳、右)とザランド*さん(25歳、左)。アフガニスタン東部クナール州の避難民キャンプで週6日働いています。2025年の壊滅的な地震で被災した後、今も続くパキスタンとアフガニスタン間の軍事攻撃で被害を受けた女性たちに、極めて重要なメンタルヘルスと社会心理的支援を提供しています。現地パートナーを通じて、彼女たちは日中、テントでカウンセリングを行い、夜は同じテントで料理を作り寝泊まりしています。彼女たちは週に一度、3時間かけて家族に会いに自宅に戻ります。
写真:UN Women/Sayed Habib Bidell

トラウマや避難で苦しむアフガニスタンの女性たちを支援

カウンセラーのザランド*さん(25歳)は、「私たちは一緒に過ごし一緒に食事をします。まるで母と娘のようです」と言います。ザランドさんは、武力衝突が激化した後、同僚とともに新たな場所へと移ってきました。

新しく建て直された安全なスペースの内部は、天井から明るい色の風船が吊り下げられ、壁にはメンタルヘルスを支援するメッセージが書かれた色とりどりの手作りのボードが掲げられています。

さらにザランドさんは、「大きな苦しみを経験した女性もいます。家族を亡くした人、家を失くした人、家畜を失くした人、そしてお腹を空かせた子どもたちを抱えている人もいます」と話しました。

カウンセリングが終わった後、食べるために野草を採りにいく人もいると、ザランドさんは言います。

ザランドさんの同僚、マストゥーラ*さん(36歳)は、自分たちの仕事が与える影響について次のように説明しました。

「たとえ一人の女性のために大したことができないとしても、せめて何か助けになる言葉をかけることができると思っているので、幸せに感じます」と言います。

「家に帰ると、(娘たちに)私は女性のために働いていると説明します。娘たちは、母親が他の女性たちの役に立つために出かけるのだということがわかると喜んでくれます」。

17歳のファヒマさんは4人の子どもたちを養うため、日々いろいろな苦労を抱えていますが、この支援サービスのおかげで、なんとか乗り切ることができています。

「(カウンセリングに)来ると、安心して気持ちが落ち着きます」と彼女は話します。

「男性のカウンセラーだったら来ませんでした。女性のカウンセラーは姉妹のようで、心を開いて話せます」。

アフガニスタン東部クナール州のこちらのキャンプにいる家族の多くは、たった半年の間に2度の避難を余儀なくされました。2025年8月に起きた地震の後、運べるものはすべて持って逃げましたが、その後パキスタンとアフガニスタンの間で武力衝突が再開し、空爆や砲撃の最中、またしても逃げざるを得ませんでした。
写真:UN Women/Sayed Habib Bidell

アフガニスタンの女性や少女にとって、継続的な人道支援が極めて重要

2025年の地震、さらには今も続く武力衝突で、家族が2度にわたる避難に耐え続けるなか、女性と少女は明らかに深刻な影響を受けています。

女性の市民社会組織が、重要な女性専用の安全な居場所とその他の地域社会に根ざしたサービスを維持し、最も危機に瀕している人々に保護やメンタルヘルス支援、そして尊厳を確実に提供するためには、継続的な支援が不可欠です。

*プライバシー保護のため、名前は匿名にしています。

アフガニスタンの女性と少女を支援しましょう

アフガニスタンの女性と少女は、世界で最も深刻な女性の権利の危機に直面しています。

タリバンが復権してから5、次々と課される制限によって女性や少女の権利と尊厳がはく奪されてきました。そして、その制限は1つとして撤回されていません。

UN Womenは、アフガニスタンの女性たちの差し迫ったニーズに応えるため、また彼女たちの権利を守るために、現地で支援を行っています。けれども、その活動は皆さんの支援なくしては成り立ちません。

原文:
https://www.unwomen.org/en/news-stories/feature-story/2026/06/women-displaced-in-eastern-afghanistan-face-hunger-insecurity-and-trauma-amid-renewed-conflict

(翻訳者:本多千代美)

※ 翻訳者の方々が、ボランティアでUN Womenの記事を翻訳してくださっています。長年のご協力に感謝申し上げます。