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リベリアにおける女性性器切除(FGM)根絶キャンペーンの現場から

「ボーン・パーフェクト・バス・ツアー(Born Perfect Bus Tour)」は、地域社会、FGMのサバイバー(被害者)たち、そして伝統的指導者たちをつないで、リベリアにおける女性性器切除(FGM)に立ち向かっています。

 

2026年8月10日付

「ボーン・パーフェクト・バスツアー」の次なる目的地は、リベリアにおける女性性器切除(FGM)の終着点。写真:UN Women/エドモンド・セファス

今年初めにUN Womenと在リベリア・アイルランド大使館の支援を受けて試験的に実施された女性性器切除(FGM)を根絶するための地域主導の取り組み、「ボーン・パーフェクト・バスツアー」は、リベリアの町や村々を巡り、市場や公民館、地域の集会所などに立ち寄りました。リベリアの各地で啓発活動を行ったこの鮮やかなロゴの入ったバスは、これまでFGMについて公に話し合うことが難しかった地域社会で、3,000人以上の人々に対話を行なってきました。

その目的は、乗客を運ぶことではなく、女性、男性、若者、そして伝統的指導者の間での対話を促し、人々の意識を変革し、最終的にFGMを根絶するための政治的な取り組みを強化することです。

「ラジオを聴く以外では、FGMの危険性について耳にしたのは、これが人生で初めてでした」と、ボン郡コナウォララ行政区の伝統的指導者であり事務官であるダニエル・E・コリー氏は語ります。

 

ツアー中、アーティストたちはパフォーマンスアートを通して有害な規範に異議を唱え、また、サバイバーたちは自らの体験を語り、若者のリーダーたちは質問を投げかけ、伝統的な権威者たちは文化慣習について考えました。写真:UN Women / エドモンド・セファス

「ボーン・パーフェクト・バスツアー」はFGMに関する議論をどのように変えているか

バスがそれぞれの地域に到着する前から、キャンペーンチームは伝統的指導者、女性団体、青年代表、宗教指導者、地方自治体と協議を行い、バスの各停車地では、対話のほかに音楽や語り、コメディを通して公共の場を一変させました。こうした取り組みによって信頼関係が築かれ、懸念事項が解消され、地域住民の主体的な参加が確保されています。この取り組みは、尊重、尊厳、文化的配慮を最優先事項としています。活動では、参加者の精神的な安全が確保され、訓練を受けた心理社会的支援スタッフのサポートのもと、サバイバーの自発的な参加が実現しました。体系的な対話を通じて、地域社会の人々がジェンダー規範や伝統、そして少女の権利を守ることについて共に考えることが促されました。

なぜ女性性器切除が行われるのか?

UN Womenがリベリア・ボン郡で行った調査によると、女性性器切除(FGM)の慣習を助長する主な要因は以下のとおりです。
文化と伝統:63%
社会的受容度:40%
結婚のしやすさ:31%
宗教および健康上の理由:7%未満

これらの調査結果から、家族が、排除や評判の低下といった社会的な懸念を考慮して、娘に危険なFGMを受けさせる動機となっていることがわかります。

 

ツアーの視察中、女性性器切除(FGM)を実行する「ゾエ」と呼ばれる女性やイスラム教指導者を含む100人以上の伝統的・宗教的指導者との体系的な対話が行われました。写真:UN Women/エドモンド・セファス

 

女性性器切除(FGM)をなくすために:リベリアの地域社会で聞いたこと

若年サバイバーのジャネット・ウォクペーさんは、FGM(女性性器切除)を根絶するために必要なこととして、特に年配の世代の間での意識向上と、伝統的なブッシュ・スクール以外の場での若者への教育機会の拡大が必要だと述べました。これはインタビュー全体を通して繰り返し出てくるテーマです。

リベリアのブッシュ・スクールとは何でしょうか?

伝統的なブッシュ・スクールは、子どもや青少年が文化教育を受け、成人への通過儀礼に参加する、地域社会に根ざした機関です。女子のための「サンデ」や男子のための「ポロ」といった伝統的な団体によって組織されることが多く、文化的価値観や生活技能に関する教育を提供していますが、一部のコミュニティでは、通過儀礼として女性性器切除(FGM)などの慣習を含めてきました。

 

コナウォララ地区の青年会長であるモーゼス・ナーンさんは、ツアーバスの訪問先に通っているのは、そこで学んだこと―あるいは手放したこと―を幼い妹や弟たちに伝えたいからだと語りました。「私はコミュニティの人々に『この取り組みが、私たちの伝統を奪おうとしているという情報は間違っています。やめさせようとしているのは、有害な慣習だけです。』と伝えました。人々がブッシュ・スクールに通わなくて済むような取り組みを始めなければなりません。職業訓練校に通って、役に立つスキルを学ぶ必要があるのです」さらに、農業を通じた経済的自立などの機会を増やすことで、より多くの母親がFGM根絶への取り組みに参加できるようになるだろうと語ります。

 

このキャンペーンは、大規模な公開イベントと小規模な対面での交流を組み合わせることが、タブー視されている問題に取り組む上でいかに効果的であるかを示しました。写真:UN Women/エドモンド・セファス

 

初期の調査結果から見えてくるリベリアにおける女性性器切除(FGM)に対する意識の変化

参加者のひとり、コリー氏(前出:コナウォララ行政区の伝統的指導者)は、このキャンペーンの中で、特に理解しやすく実践しやすい教育的なメッセージに刺激を受けたと言います。「このキャラバンは、私たちのところだけで終わるのではなく、国中を巡回するべきです」

バスツアー実施から2か月後の2026年3月に実施された実施影響の評価では、以下のことが判明しました。

・家族間や地域社会、宗教施設、特にモスクにおいて、女性性器切除(FGM)に関する議論が増加
・ブッシュスクールでの女性性器切除(FGM)の慣習停止を求める声の高まり
・少女をブッシュ・スクールに通わせることを支持する人の数が大幅に減少

伝統的指導者たちが女性性器切除(FGM)の根絶を公に支持し、違法な施術が停止した地域や、指導者たちが対話と関与を継続することを約束した地域も見られました。

グバルポル郡からの参加者のうち:
「新しいことを学んだ」73%
「意識の変化が見られた」83%
「この取り組みは地域社会に良い影響を与えた」89%

 

リベリアが女性性器切除(FGM)根絶に向けた取り組みを続ける中、「ボーン・パーフェクト・バスツアー」は、移動型の啓発活動、地域社会との対話、そして継続的な関与を組み合わせ、規模の拡大に向けた説得力のあるモデルを示しています。写真:UN Women/エドモンド・セファス

地域の取り組みから、国家的な取り組みへ:リベリアにおける女性性器切除(FGM)の根絶に向けて

「ボーン・パーフェクト・バス・ツアー」は、リベリアの国会を訪問し、各地域から集められた知見を政策立案者に直接伝え、活動を終了しました。議員、伝統的指導者、市民社会関係者、開発パートナー、キャンペーンパートナーをつなぐことで、地域の実情と立法措置との隔たりを埋めるのに役立っています。


「UN Womenは、リベリアにおける最優先事項の一つとして、政府による女性性器切除(FGM)の根絶の取り組みを支援することを挙げています。『ボーン・パーフェクト・バスツアー』は、女性たちがFGMを根絶するのに必要な力を与えるための手段の一つです。」 – 元UN Womenリベリア事務所代表コンフォート・ランペイ


「私はこのコミュニティの一員として20年以上過ごしてきましたが、FGMがこのように議論されるのを見たことがありません。私にとってこれは進歩であり、より多くの人が意識を高めることで、コミュニティに変化がもたらされると信じています。」と、キャンペーンに参加したコミュニティメンバーのマ・ワッタ・カンネさんも語りました。

(出典) https://www.unwomen.org/en/news-stories/feature-story/2026/08/inside-liberias-campaign-to-end-female-genital-mutilation-fgm