【記者会見】脆弱な停戦下、レバノンで続く女性と少女の殺害と避難
ジュネーブのパレ・デ・ナシオンで行われた記者会見における
UN Womenアラブ諸国地域局長モエズ・ドライド氏による発言
(以下は同代表の発言として引用可)
2026年5月8日付
[発言どおり]
2026年5月8日 ベイルート/ジュネーブ発―
「私は今、レバノンからお話ししています。ここでは、不安定な停戦下で女性や少女たちが殺害され、避難を余儀なくされている現状を目の当たりにしています。こうしたことは、国際法の下で民間人に保障されている最も基本的な権利と保護を侵害するものです。
4月17日に停戦合意が発効したにもかかわらず、この3週間で25人の女性が死亡し、109人が負傷したと報告されており[1]、停戦による安全を信じて自宅へ戻ろうとする女性や少女たちが、依然として危険にさらされている実情が浮き彫りになっています。
今週私が会った女性の多くは、リタニ川以南の村にある自宅が破壊されたと語ってくれました。ある女性は、村は破壊され、完全に見分けがつかないほどだと話していました。
イスラエルによる空爆の継続、避難命令、特定地域への帰還禁止、そして移動制限により、大多数の人々がいまだ自宅に戻ることができず、推定50万人以上の女性や少女が避難生活を余儀なくされています。
個人の見解ですが、多くの避難民の声を聞く中で私が強く感じたのは、今回の紛争は、過去数十年にわたってレバノンが経験してきた過去の戦争や紛争とは異なり、レバノン南部の家屋や土地が破壊されたことで、多くの人々の希望を失ってしまっていることです。
しかし、その一方で、こうした希望の喪失と並行して、避難を余儀なくされた人々の間には、故郷の町に戻り、再建のために全力を尽くそうという決意も根強くあります。人道支援機関や国際社会は、こうした女性や少女、男性や少年たちを支え、希望を取り戻す手助けをしなければなりません。
食料の入手はますます困難になっています。ある女性は私の同僚に対し、家族を養うために野草を採って食べざるを得ない状況にあると語っていました。最新のIPC(総合的食料安全保障レベル分類)の予測に基づき、UN Womenは、今後数ヶ月のうちにさらに約14万4,000人の女性や少女が、危機的レベルあるいはそれ以上の飢餓に直面すると推測しており、その総数はおよそ63万9,000人に達すると見込まれています[2]。
こうした極めて厳しい状況の中でも、私は、レバノン各地で人道支援を提供し、生計を支え、社会の結束を強めている女性や女性団体の驚くべき強じん性(レジリエンス)を目の当たりにしてきました。
3月2日以来、UN Womenは1万5,000人以上の女性や少女に直接支援を行っており、その支援効果は地域社会全体で7万人以上に及んでいます。
私たちは534人の女性リーダーを支援することで、地域社会が危機を乗り越え、人々を支援につなぎ、緊急のニーズを把握し、緊張を緩和し、地域の対応や復興の取り組みにおいて女性たちの声が確実に反映されるよう取り組んでいます。
停戦は完全に遵守されるとともに、国際人道法および国際法、さらに「女性・平和・安全保障(WPS)」に関する公約に沿って、包括的な平和へと移行されなければなりません。その際には、平和構築と復興の取り組みにおいて、女性が完全かつ平等に、そして意味のある形で参加できるよう確保しなければなりません。」
[1] レバノン保健省のデータ
[2] IPCのデータに基づくUN Womenの推計
