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活動現場から

アフガニスタンの女性たちを襲う「三重の脅威」― 援助削減、就労禁止、移動制限

アフガニスタンの女性や少女たちにとって「最後の命綱」となっている女性団体が、援助の削減、就労の禁止、移動の制限という三重の脅威にさらされ、存続の危機に瀕しています。

 

アフガニスタン中部の自宅で、5人の子どものうち4人と写真に写るザフラ・ラフマティ*さん(中央)。夫が家を出て行ったあと、ひとりで一家の暮らしを支えています。写真:UN Women/Sayed Habib Bidell

7月10日発表のプレスリリースでお伝えしたとおり、世界的な援助削減により、各地の女性支援団体は崩壊の危機にあります。2025年1月以降、必要不可欠な支援を受けられなくなっている女性と少女は少なくとも100万人にのぼります。

危機や紛争の影響を受ける52カ国・88の女性団体を対象とした調査報告書『Beyond the Breaking Point(限界点を超えて)』によって、援助資金が過去最大規模で減少している実態が明らかになりました。

*報告書全文(英語)はこちらから

アフガニスタンで女性団体が「命綱」である理由

そうした厳しい状況下にある国々の中でも、とりわけアフガニスタンの女性や少女たちにとって、女性団体の援助資金削減は極めて大きな影響を及ぼします。女性の教育、就労、移動に多くの制限が課されているアフガニスタンでは、女性に支援を提供している女性主導団体の存続が難しくなれば、まさに死活問題です。各団体は、資金難でスタッフを削減しながらも、移動が制限されている女性たちに支援が届くよう工夫を重ねていますが、既に限界点を超えています。

    アフガニスタンの女性団体の資金難はどれほど深刻なのでしょうか?
    • 4分の3近くが2025年に資金削減を受けた
    • 3分の2は、運営資金が最大で6か月分しか残っていない
    • 半数は2025年から全く資金を受け取れておらず、92%がすでにスタッフを失った
    • 過半数が、今後1年以内に活動休止または完全閉鎖の可能性が高い

    この資金難は、支援を待つ女性たちに直接的な打撃を与えています。

    • 66%の団体が従来の支援サービスを提供不能
    • 約3分の2が教育や所得支援プログラムを縮小
    • ジェンダーに基づく暴力対策プログラムが58%も縮小

    最前線で医療、保護、生計を支える女性支援団体

    UN Womenの支援を受けるアフガニスタン中部の女性団体では、無料で医療や心理社会的支援、暴力被害者支援、職業訓練などを提供しています。

    女性の医師と薬剤師が置かれ、安心して相談する女性とその子ども。写真:UN Women/Sayed Habib Bidell
    支援を求めて訪れた女性たちと話すコーディネーターのマソマ・ハイダリ*さん(右)
    写真:UN Women/Sayed Habib Bidell

    この女性団体の保健センターでコーディネーターを務めるマソマ・ハイダリ*さんは、

    「毎週300~400人の女性が利用しています。彼女たちにとって、ここはストレスから解放され、助けを求められる大切な場所なのです」と、センターの重要性を訴えます。

    奪われる権利と増大するメンタルヘルスの危機

    権利制限に伴い、精神的な不調を訴える女性や少女が増加しています。マソマさんは、「教育機会を奪われた少女たちは、自分の将来に目を向けることができず、多くがうつ病に苦しんでいます」と語ります。

    こうした状況下でも、団体の支援によって人生を立て直しつつある女性がいます。5人の子どもを育てるザフラ・ラフマティ*さん(1枚目の写真)です。

    大学講師だった夫が2番目の妻と結婚して家を出て行き、生活費も渡されない中、ザフラさんはひとりで5人の子どもたちを養わなければなりませんでした。その重圧から、深刻な発作に襲われるようになったと言います。「手がこわばって倒れ、声をかけられても取り乱し、意識を取り戻すまでに2~3時間かかることもありました。」 絶望の中で地元の女性団体に助けを求めたザフラさんは、無料の医療診察とカウンセリングを受け始めました。

    付き添われて女性団体の事務所を訪れるザフラ・ラフマティ*さん(左)。写真:UN Women/Sayed Habib Bidell
    5人の子どもをひとりで懸命に育てるザフラ*さん(中央)は、女性団体の心理社会的支援を受けようと順番を待っています。写真:UN Women/Sayed Habib Bidell

    さらに45日間の職業訓練にも参加しました。

    「以前は羊毛の洗い方しか知らず、収入を得る手段がありませんでした。でも、訓練でジャムやケチャップ、ポテトチップスなどの作り方を学び、今では市場で売って、収入を得られるようになりました。支援のおかげで体調も改善し、最後の発作から3か月が経ちます。今は以前よりずっと元気です。」

    縮小を余儀なくされる支援と、スタッフへの影響

    ザフラさんのように生活を再建し始めた女性がいる一方で、資金不足は支援枠そのものを奪い続けています。

    マソマさん(前出)が勤務する団体では、かつて1プロジェクトあたり200~300人の女性を支援できた自立支援プログラムが、資金削減後は70~75人分まで縮小しました。また、マソマさん自身も、数か月間給与が未払いになるなど、スタッフにも影響が及んでいます。

    女性団体に勤務するマソマさんは、昼食時には自宅に戻り、娘の宿題を手伝っています。さらなる援助削減が、団体の支援サービスに頼っている女性たちに与える影響を懸念しています。写真:UN Women/Sayed Habib Bidell

    UN Womenはアフガニスタンでどのような活動を行っているのか

    UN Womenはアフガニスタンに踏みとどまり、現地の女性団体と連携しながら、社会から疎外されているアフガニスタンの女性や少女たちに対し、次のような総合的な支援を行っています。

    • 心理社会的支援、人道支援
    • 職業訓練や起業家支援など生計手段の確保
    • 女性団体への資金提供
    • 国際的な意思決定の場へ女性の声を届ける活動
    • 女性の権利危機がもたらす影響の記録

    こうした命をつなぐ活動は、皆さまからの温かいご寄付なしには継続できません。

    UN Womenはこれからも、三重苦にあるアフガニスタンの女性たちを皆さまとともに支えてゆきます。


    * 身元保護のため、登場人物の名前は変更されています。