行動を起こそう:女性に対する暴力をなくすための10の方法
2025年5月16日
2024年6月28日付

女性に対する暴力の根絶はすべての人が取り組むべき問題です。この記事では、あなたが安全に、効果的に変化をもたらすことのできる10の方法を紹介します。また、女性や少女の安全が危惧される際に役立つリソースや電話相談窓口へのリンクも記載しています。
1. 暴力のサバイバーの話を聴いて、信じましょう
女性が暴力を受けたことを打ち明けるときは、本人が虐待の連鎖を断ち切る第一歩を踏み出したということです。
女性が気兼ねなく話せる、話を聴いてもらえることのできる安全な場所を用意するのは、私たち全員の責任です。
大切なのは、性暴力の事案について話し合う際、被害者の飲酒の有無、服装、性別は関係ないということを念頭に置いておくことです。
加害者が暴行の唯一の原因であり、その責任は加害者だけが負わなければなりません。被害者を非難するのはおかしいと指摘し、社会通念上「危険」と見なされる可能性のある状況を避ける責任は女性にある、という意見に反論しましょう。
以前に比べると、暴力のサバイバーが声を上げることが多くなっています。サバイバーが正義を得られるようにするために果たすべき役割を誰もが担っています。
「なぜ逃げなかったの」と言ってはいけません。
「話を聴いていますよ。あなたのことを信じています。あなたの味方です」と言いましょう。

2. 次世代を教え、彼らから学びましょう
私たちが若い世代に示す振る舞いが、若い世代のジェンダー、尊重、人権に関する考え方を形作ります。早いうちからジェンダーの役割に関する会話を始め、男性と女性に従来割り当てられてきた特徴や特性に対して異議を唱えましょう。子どもたちがメディア、街なか、学校などで絶え間なく直面する固定観念を取り上げ、それと違っていてもいいということを伝えます。受容の文化を奨励しましょう。
少年少女の年齢に応じたやり方で、同意、からだについての自己決定権、責任について話しましょう。例えば、関わる人全員からはっきり「イエス」と言ってもらうことの重要性、自分のからだは自分のものであり、自分のからだをどうするかは自分で選択するという事実、自分の行動には常に責任を持たなければならないことの重要性について、話し合いましょう。子どもたちが世の中で経験したことについて、耳を傾けることも大切です。女性への暴力根絶を支持する若者に情報を与え、女性の権利について学んでもらえば、すべての人にとってより良い未来を築くことができます。
3. 目的に応じた対応窓口やサービスを求めましょう

被害者への支援サービスは不可欠です。
言い換えれば、シェルター、電話相談、カウンセリング、そしてジェンダーに基づく暴力の被害者に対する支援はすべて、必要とする人が利用できなければなりません。
ジェンダーに基づく暴力撤廃に向けた16日間のキャンペーンでは、毎年、女性や少女に対するあらゆる形の暴力の撤廃を目指し、グローバルな連帯行動を呼びかけています。
今年、国連はUN Womenのパートナーとともに、女性や少女に対する暴力の根絶に向けた投資を拡大するよう求めています。
UN Womenは 各国政府に対して、女性や少女に対する暴力撤廃活動の資金不足に対する対応、予防の取り組みに対する投資、暴力のサバイバーに不可欠なサービスの確実な維持、予防対策の実施、女性や少女の命を救うサービスの適応や改善に必要なデータ収集への投資を求めています。是非、私たちの活動に参加してください。
4. 同意について理解しましょう
自由な意思による明確な同意が、その都度必ず必要です。
「ノー」を聞くのではなく、関係する人全員から明確な「イエス」をもらうようにしましょう。明らかな同意を人生に取り入れ、それについて話しましょう。
「彼女が望んでいた」とか「男の子だから仕方ない」といった言葉は性的同意の境界線をあいまいにし、被害者に責任を負わせ、加害者は犯した罪を免れることになります。
こうした言葉を使う人々は同意についての理解があいまいなのかもしれませんが、定義は極めて明確です。同意には、あいまいな境界線などありません。
5. 虐待の兆候とあなたが助ける方法を学びましょう
虐待の形はさまざまですが、どれも肉体的・精神的に深刻な影響を及ぼします。
友達が暴力を受けているかもしれない、もしくは身近な人のせいで危険を感じているかもしれないと懸念を抱いているなら、こちらから兆候とはどういうものかを確認し、友達が安全と支援を得られるように手助けする方法について学んでください。
もしあなたが誰かから虐待を受けていると感じているなら、助けを得ることができます。あなたは一人ではありません。訓練を受けた支援者と電話で相談したいのであれば、ここに世界各地の電話相談窓口のリストがあります。
6. 会話を始めましょう

女性や少女に対する暴力は、何十年も続いてきた人権侵害です。
暴力は蔓延していますが、私たちが黙認しなければ、避けられないものではありません。
16日間のキャンペーンでは、あなたのSNSのプロフィールをオレンジ色にして、サバイバーとの連帯を示し、あなたが女性の人権のために闘う立場にいることを示しましょう。こちらからFacebookやXのバナーをダウンロードできます。
インスタグラムでは、UN Womenのフェイスフィルターを利用して言葉を広め、あなたのコミュニティに同じことを行うよう呼び掛けることができます。
#orangetheworld、#16Days、#GenerationEqualityを使ってジェンダーに基づく暴力についての会話を始めたり、UN WomenのSNSコンテンツをシェアしたりしましょう。
7. レイプ文化に立ち向かいましょう
レイプ文化とは、根強いジェンダー不平等やジェンダーと性についての態度が原動力となって、性暴力を常態化し、正当化する社会環境のことです。この環境に名前を付けることが、レイプ文化を撤廃するための第一歩です。
私たちは、日々、自分の行動や信念にレイプ文化の存続を許している偏見があるのではないかと見直す機会があります。あなたが男らしさや女らしさをどのように定義しているか、自身の偏見や固定観念が自分にどのような影響を与えているのかについて考えましょう。
性自認に対する姿勢から地域社会で支持する政策に至るまで、私たちはみな、レイプ文化に対抗する行動を起こすことができます。
レイプ文化に対抗する方法をもっと知りたい方はこちらをご覧ください。
8. 女性団体に寄付しましょう
女性をエンパワーし、女性の声を広め、サバイバーを支援し、あらゆる性自認、性別の受け入れを促進している地域の団体に寄付をしましょう。
UN Womenは女性に対する暴力の根絶、サバイバー支援、あらゆる地域の女性や少女の平等な権利の保障を目指す、世界各地の女性団体と協働しています。今すぐ寄付をお願いします。
女性団体がどのようにして女性や少女に対する暴力を防止しているか、詳細をご覧ください。
9. 互いに責任を持ちましょう

暴力は、職場や公共の場でのセクシャルハラスメントなど、さまざまな形をとります。
暴力を見たら、声を上げ、断固たる態度を取りましょう。冷やかし、不適切な性的発言、性差別的なジョークは決して許されるものではありません。
同僚に自分の言動を顧みるよう促すことや誰かが一線を越えた場合は声をあげること、また自分が安全ではないと感じたなら、他の人に助けを求めることで、誰にとってもより安全な環境を作りましょう。
いつも通りサバイバーの話を聞き、サバイバーが必要な支援を受けられるようにしてください。
10. データを得て、さらなるデータを求めましょう
ジェンダーに基づく暴力と効果的に闘うためには、問題を理解する必要があります。
関連するデータの収集は、成果に結びつく予防措置を実施し、サバイバーに適切な支援を届けるために不可欠です。
ジェンダーの視点に立ったデータ収集が不足していることが、これまで以上に明らかになっています。自国の政府にジェンダーに基づく暴力に関するデータ収集に投資するよう、求めましょう。
ジェンダーに関する統計の利用、作成、推進方法に急進的な改革をもたすため、UN Womenが行っている取り組みをご覧ください。
(原文)
Take action: 10 ways you can help end violence against women | UN Women – Headquarters
(翻訳者:本多千代美)
カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会