UN Women、安全保障理事会で発言: 女性と少女の保護なくして平和なし
2025年5月27日
2025年5月22日付
UN Women、安全保障理事会で発言: 女性と少女の保護なくして平和なし
シマ・バフースUN Women事務局長は、妊産婦死亡の全事例の61パーセントが、紛争の影響下にあるわずか35カ国で発生していることを強調しました。
「今日は、あまりにも見過ごされがちなジェンダーに基づく暴力のさまざまな形態に焦点を当ててお話します。その形態とは、生殖に関わる暴力、爆発的な武装暴力、精神的トラウマ、公的生活における女性を標的とした攻撃であり、これらはデジタル技術によってますます可能となっている脅威です。」
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「妊産婦死亡の全事例のうち61%は、紛争の影響下にあるわずか35カ国で発生しています。私たちは、この1年で、爆撃された産科病棟、封鎖された医療物資、そして大規模な資金削減を目の当たりにしてきました。」
「90%の女性が必要な医療サービスを受けられずにいるアフガニスタンでは、予防可能な妊娠関連合併症で2時間に1人の割合で女性が死亡しています。すでに3分の1が医療支援なしで出産しています。女性労働者の就労禁止や医療へのアクセスの縮小により、妊産婦死亡は2026年までに50%増加すると予測されています。」
「ガザでは、2023年10月以降、28,000人以上の女性と少女が殺されています。平均すると、1時間に女性1人と少女1人が殺されていることになります。何万人もの女性が、砲撃と包囲のもとで、麻酔薬もなく、産後のケアも清潔な水もないまま、そして、栄養失調や避難生活を余儀なくされ、心に傷を負いながら出産しています。」
「これらは戦争がもたらす自然な結果ではありません。これらは生殖に関わる暴力の1つの型を作り上げています。今日、私は、生殖に関わる暴力をひとつの別個の被害カテゴリーとして扱い、加害者に責任を負わせることを強く求めます」。
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「暴力は身体だけでなく心にも傷跡を残します。トラウマは、特に喪失感や居場所のなさ、絶え間ない恐怖が重なると、時間の経過とともに複雑化していきます。メンタルヘルスは贅沢品ではなく、命を救うものなのです。」
「ガザでは、75%の女性がうつ病に苦しんでいます。少女たちは死んでしまいたいと言います。」
「アフガニスタンでは、女性は“刑務所での生活”について語ります。」
「ウクライナでは家庭内暴力が増加し、避難した女性の半数以上がうつ病を訴えています。」
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「ジャーナリスト、活動家、政治家など、声を上げる女性たちは、銃弾、爆弾、脅迫、中傷キャンペーンにさらされています。」
「物理的に攻撃されていなくても、ディープフェイク、ハラスメント、偽情報といったデジタルの暴力によって、彼女たちは外に追いやられています。」
「ウクライナでは、女性ジャーナリストの81%がネット上での虐待に遭っていると報告している。」
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「私はみなさまに3つのことをお願いしたいと思っています:
第一に、安全保障理事会は女性と少女に対する正義と説明責任を支援するために、もっと努力しなければなりません。このような残虐行為があとを絶たないのは、不処罰があるからです。
第二に、最前線にいる女性団体を支援してください。どんなことがあっても、女性たちは勇気をもって、リーダーシップを発揮し、そして、慎重に抵抗します。
第三に、女性のエンパワーメントを保護戦略として認識してください。保護されることと参加は両立します。私たちが女性と少女に提供できる最も効果的な盾は、彼女たち自身の力であり、彼女たち自身の声であり、彼女たち自身のリーダーシップなのです。」
カテゴリ: ニュース , 国連ウィメン日本協会